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ワイン愛好家を悩ませる コルク臭(ブショネ)

トピックス

ワインに触れていると一定の確率で遭遇する「ブショネ」。
天然素材であるコルクを加工する際に使用される塩素が、製品となったコルク栓に微量に残ってしまい、
付着した微生物と反応し、TCA(トリクロロアニソール)という物質が発生。
ブショネと呼ばれる不快な臭いを感じさせるワインとなってしまいます。

ワイン愛好家を悩ませる、可能であれば避けたいブショネですが、クロージャーとして天然コルクを使用する限り、ブショネをゼロにすることは難しいと言われています。
近年、技術の進歩によりブショネの発生は減少傾向にあるようですが、ワインボトルの見た目だけでは判別ができず、そのワインがブショネであるかどうかは開けてみないとわかりません。

ブショネ特有の香りは何度か経験をしないと判別するのは難しく、強くブショネの香りがするものもあれば、わずかにしか感じられないものもあり、その程度は様々です。
飲む人によって香りの感じ方には差があり、人によってはブショネとわからず飲んでしまい、
本来は素晴らしい味わいのワインも、あまり美味しくないワインという印象になり、次に飲まれる機会を失ってしまうことになりかねません。
消費者にとっても、生産者にとってもこのような悲しい結末にならないよう、今回は「ブショネ」について掘り下げていきます。

目次

  1. コルク栓のメリット・デメリット 他の栓で「臭」は発生する?
  2. ブショネの見分け方
  3. ブショネだったら?返品・交換について
  4. コルク栓の新たな発見

コルク栓のメリット・デメリット 他の栓で「臭」は発生する?

ワインがこぼれないようボトルを密閉するものを総称してクロージャーと呼びます。
現在ではブショネのリスクを回避するためや、良質なコルク樫の減少などの理由から、
コルク以外の素材から作られるクロージャーも多くあり、
生産者は目指すワインのスタイルによってその素材を選定しています。

クロージャーの種類
  • 天然コルク
  • 良質なコルクは弾力性があり圧縮しても元に戻るので加工がしやすく、 天然コルクの酸素透過性は還元臭を防ぐために最適とされている。 加工時に使用する塩素がブショネを発生させる原因となる。
  • 圧搾コルク(テクニカルコルク)
  • 天然のコルクに処置を施したもので、細かく砕いた天然コルクを樹脂などで形成したもの。 コルク臭の発生は天然コルクに比べて極めて低い。 安価なものは表面の樹脂が短期間で分解されるため長期熟成のワインには不向きとされている。
  • 合成コルク
  • プラスチック素材などの合成樹脂を使用したコルク型のクロージャー。 TCAによる汚染を防ぐために開発され、酸素透過性が高く安価なワインに多く用いられてきたが、 近年では長期保存に適した酸素透過性の合成コルクも開発されている。
  • スクリューキャップ
  • 汚染リスクが無く、道具がなくても開けることができる。 他の栓に比べて密閉性を高く保つことができるが、キャップの内側にライナーを入れることで 透過性を持たせることもできる。 合成コルクと同様に安価なワインに使用されるイメージがある。
  • ガラスキャップ
  • 汚染の心配が無く、ガラスの表面には欠けないように加工がしており、瓶の口に当たる部分にはパッキンがついている。 酸素の遮断性も高いが、比較的高価である。
  • プラスチックキャップ
  • 汚染のリスクが無く、スクリューキャップ、ガラスキャップと同様に道具を使わずに開けることができる。

コルク栓を使用する際の最大のデメリットはコルク臭がついてしまう可能性が高くなることですが、
天然コルクを使用しなかったとしても、ブショネのリスクが無くなる訳ではありません。

コルクが原因の場合は、コルクに含まれるフェノール化合物が塩素と接触することによってTCAが発生し、ブショネの原因となる という経路でしたが、
その他にもワイナリーで使用される木樽などの木製品にもフェノール化合物は含まれているので、
このような木製品に塩素系の洗浄剤を使用することでTCAが発生し、結果としてワインが汚染されてしまう という経路もあります。
TCA由来のにおいの被害はワインだけではなく飲料水や他の食品でも発生しており、わずかな量でもカビ臭を発生させることから、食品製造過程では細心の注意が払われていますが、発生をゼロにすることは極めて難しいと言われています。

◆合わせて読みたい記事 【クロージャー(ワイン栓)にはそれぞれの役割がある!】

クロージャー(ワイン栓)にはそれぞれの役割がある!

ブショネの見分け方

ブショネってどんな香り?その匂い、特徴、見分け方について。TCA(トリクロロアニソール)が風味を損ねる?

近年、技術の進歩によりブショネの発生は減少傾向にあるようですが、ボトルの見た目だけでは判別ができず、そのワインがブショネであるかは開けてみないとわかりません。
ブショネ特有の香りは何度か経験をすると、明らかに他の劣化とは違う香りだとわかるようになりますが、香りの感じ方には個人差があり、最初は判別するのがとても難しいです。

強く不快な臭いがするものもあれば、わずかにしか感じられないワインもあり、その程度は様々ですがブショネの場合
濡れた段ボールのような臭い、カビのような臭い と表現されることが多いです。
口に入れるのがはばかられるような印象の臭いであれば、そのワインはブショネかもしれません。

美味しさを感じ取るために香りはとても重要な要素ですので、
TCA(トリクロロアニソール)はわずかな量でもカビ臭を発生させるため、味わいにも大きな影響を与えます。
近年の研究で、TCAにはマスキング作用と呼ばれるにおいの元があってもにおいを感じさせない働きがあることがわかっています。

ブショネだったら?返品・交換について

ブショネワインに出会わないために注意する事。

レストランであれば、注文したワインは提供する前にソムリエがテイスティングをします。
ブショネだった場合、ほとんどの店では新しいワインを用意してくれるでしょう。
親切なお店であればソムリエの解説付きでブショネしたワインの味見をさせてくれるかもしれません。

レストランであれば良いですが、自宅で飲むときはそうはいきませんし、できればブショネしてしまったワインには出会いたくないですよね。
ブショネはボトルの見た目ではまず判断ができないので、ご自分で選ぶ時には天然コルクではないクロージャーを使用しているワインを選ぶようにすると、ブショネのワインと出会う確率を下げることができるかもしれませんし、
もし出会ってしまっても、返品や交換に応じてくれるワインショップで購入するようにしておくと安心です。
ワインショップによって、ブショネによる返品・交換に応じてくれるお店と、そうではないお店があるので事前に確認・相談しておくのも良いと思います。
もし「あれ?」と思った時には、楽しいひと時を台無しにしないよう、是非ソムリエに相談してみてください。

コルク栓の新たな発見

天然コルクを使用しないワインを選ぶことは、ブショネしたワインに当たらないようにするための一つの回避方法ではあります。

瓶詰されたワインはその後も息をしており、その際に出てしまうコルク臭(ブショネ)のリスクはワインにはつきものですが、
天然コルクの酸素透過率は、瓶詰後に密閉状態になると発生してしまう還元臭を抑えるのに理想的という側面や、コルクは樹皮を使用するため、樹を伐採することなく繰り返し収穫することができるエコな素材として、近年見直しがされています。

コルクの最大生産国であるポルトガルの大手メーカーからは、汚染が無いことを保証する「TCA保証付き天然コルク」が販売され、業界全体が抱える大きな問題の解決に取り組んでおり、ブショネの発生は昔に比べ減ってきていると言われています。

できれば出会いたくないブショネですが、コルク臭(ブショネ)を見分ける事は、毎日ワインに携わるソムリエやワインのインポーターにとっては必須です。
もし出会ってしまった時は、自身の知見を深めるための良い機会と捉えると、それも一つの出会いとして楽しむことができるのではないでしょうか。


佐藤

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地方都市在住 下戸のソムリエ。 お酒はあまり飲めないが、お酒が持つ歴史や雰囲気が好きで20歳からバーで勤務。 中年になりさらにお酒が飲めなくなったが日々勉強...

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