ますます注目!「オレンジワイン」ってなんだろう
淡いオレンジ色のワインはどうやって造るのか。そのワインはなぜ注目されているのか。
ジョージアのアンバーワインが発祥とされることから、その正体を解説。
また最適なグラスや合わせる料理など楽しみ方についても検証します。
目次
- オレンジワインとは?その発祥のルーツは?
- 分類は白ワイン?ロゼワイン?
- オレンジワインはナチュールワイン(自然派ワイン)なのか
- 最適なグラスとお料理
- オレンジワインという新しいジャンル
オレンジワインとは?その発祥のルーツは?
ここ近年ナチュールワインの人気と共に注目され続けている「オレンジワイン」。
そもそも発祥のルーツは?どんなぶどうから、どうやって醸造してあの綺麗な色と味わいが生まれるのか?
美味しいだけじゃない「オレンジワイン」の魅力について解説します。
オレンジワインは南コーカサスにある小さな国「ジョージア」が発祥のワインです。
長い歴史を持つオレンジワインは、白ブドウを使用して造られるワインで、
白ワインを造る時、多くの場合は絞った後の果汁のみを醸造するのに対し、オレンジワインは白ブドウの果汁に果皮や種も加え一緒に醸造する、という赤ワインのような方法で造ります。
果皮や種が加わることによって、皮に含まれる色素成分がワインに溶け出し、名前の通りの美しいオレンジ色になります。
ジョージアではオレンジワインを「アンバーワイン」とも呼ぶそうです。
ワイン発祥の地として広く知られるようになったジョージアですが、
古くから行われてきた伝統的なワインづくりは、政治的な混乱などの様々な影響を受け、
近代化が進むのと同時に徐々にその姿を消しつつありました。
オレンジワインの復活のきっかけとなったのは、1990年代に、ある醸造家がジョージアで伝統的につくられてきたオレンジワインの製法に注目し、その手法を他の醸造家とともに世界中に広めたことです。
さらに、2017年に発表された研究結果で、約8000年前頃の遺跡からワイン醸造の痕跡が発見されたことが明らかになり、この発表によって、ジョージアは世界最古のワイン産地として一躍有名になりました。
分類は白ワイン?ロゼワイン?
近年では赤、白、ロゼに次ぐ第4のワインと呼ばれるオレンジワインですが、使うブドウは白ブドウです。
通常白ワインは、収穫後すぐに果汁を絞り、果皮や種は取り除いた後で果汁のみを醗酵させますが、
オレンジワインの場合は、赤ワインと同様に果汁と果皮、種を一緒に漬け込みます。
作り方は赤ワインの方法で造られるので、「醸した白ワイン」と呼ばれることもあるようですが、
現在では「オレンジワイン」や「アンバーワイン」という新しいジャンルが一般的になってきています。
オレンジワインはナチュールワイン(自然派ワイン)なのか
赤ワインと同様に果皮接触させたオレンジワインには、果皮や種子が持つフェノール化合物(タンニン)が溶け出します。
抗酸化作用を持つフェノール化合物が含まれることで、酸化防止剤を不使用、使用したとしても量を最小限に抑えられるというメリットがあり、この方法が自然派の醸造家の目に留まり、世界中に広まった事でオレンジワインはブームとなりました。
オレンジワインを造っている生産者の中で、他の生産者や消費者に大きな影響を与えるような有名生産者は自然派の傾向にありますが、オレンジワインが全てナチュールワインかというとそういう訳では無いようです。
伝統的な製法で造る生産者は必然的に自然派となりますが、オレンジワインを造る生産者が増えた現在では、自然派以外の生産者もオレンジワインを造っているので、オレンジワイン=ナチュールワインとは限りません。
最適なグラスとお料理
オレンジワインの人気の秘密は、その美しい琥珀色のほかに、いろいろなお料理に合わせやすいという点です。 品種による味わいも様々ですので、ほんの一例を紹介します。 好みに合わせてチョイスしてみてください。
- 爽やかな香り、華やかな香りを楽しめる品種 ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカ、ゲヴュルツトラミネールなどの芳香性の高い品種
- 柔らかで繊細な味わいを楽しめる品種 シャルドネ、トレッビアーノなど、クセのない香り・味わいを持つ品種
- 飲み応えのあるオレンジワインを飲みたい時におすすめの品種 リボッラ・ジャッラ、ムツヴァネなど、オレンンジワインを代表する品種
オレンジワインに使用されるブドウは良質な酸を多く含み、芳香性のある品種が良いとされています。 酸味とオレンジワインの持つコクを味わうためにおすすめのグラスの形状をご紹介します。
- 小型ボルドーグラス 赤ワイン用グラスよりも小ぶりで、低めの温度で飲みたい時に。 どんな味わいのオレンジワインにもマッチします。
- ブルゴーニュグラス 大ぶりなブルゴーニュグラスは、少し高めの温度で楽しみたい時に。 ワインの繊細な香りと味わいを余すところなく堪能させてくれます。
- ローヌグラス 口がすぼまっているので、香りが飲み口に集まり、繊細なオレンジワインの香りを十分に楽しめます。 大ぶりなボウル部分はオレンジワインのコクを十分に引き出してくれます。
白ワインのような清涼感と、赤ワインが持つ渋みの両方を持つオレンジワインはどんなお料理とも相性が良く、 いろいろなお料理とのペアリングが楽しめるのも人気のひとつです。 お料理と合わせるときのポイントひとつに、ワインのボディとお料理の味の濃さで合わせるという方法があります。 軽くてフルーティーなタイプのオレンジワインなら、あっさりとしたシンプルな味付けのお料理と、 渋みもあるしっかりとした味わいのオレンジワインであれば、少しこってりとしたお料理と。
- 軽くてフルーティーなオレンジワイン ゲヴュルツトラミネールなどの芳香性の高い品種から造られるオレンジワインは、 スパイスとの相性が良く、エスニック料理ともよくマッチします。
- 柔らかなで繊細なオレンジワイン 繊細さの中にボディのあるオレンジワインは幅広く合わせられ、和食とも好相性です。
- 飲み応えのあるオレンジワイン 渋みも感じられるオレンジワインは、一般的に赤ワインにマッチするお料理とも好相性です。
おすすめのお料理:カレー、ナシゴレン、カオマンガイ 等 エスニック料理
おすすめのお料理:揚げ出し豆腐、肉じゃが、鴨のロースト、さっぱりとした味付けの魚料理
おすすめのお料理:濃厚なチーズソースを使ったお料理、うなぎの蒲焼、お肉料理
意外なほどいろいろなお料理にマッチしてくれるオレンジワイン。 タイプを問わず、野菜料理とも相性が良いとされています。 ぜひお気に入りの組み合わせを探してみてくださいね。
オレンジワインという新しいジャンル
瞬く間に世界中に広まり、大人気となったオレンジワイン。
人気が高まっている一方で、「オレンジワイン」という名称については専門家の間で議論がされていますが、レストランのワインリストも、赤、白、ロゼ、の次に「オレンジ」が追加され、すっかり一般的になりましたよね。
今では世界中の生産者が、シャンパーニュやデザートワインなどでもオレンジワインの生産を試みています。
最初のブームから時間が経った今でも、自然派ワインとして更に注目されているオレンジワインを
改めてお気に入りワインとして取り入れてみてはいかがでしょうか?