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金原亭馬太郎さんの人物紹介

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金原亭馬太郎さんは、金原亭馬生門下の二ツ目です。
2019年に前座修業を終え二ツ目になったばかりの、まだまだこれからの落語家です。
とはいえ弟子の育成に優れた馬生師匠の門下だけあり、さっそく腕達者なところを見せている、期待の若手です。

目次
金原亭馬太郎はこんな落語家
金原亭馬太郎の歩み
金原亭馬太郎の名前について

金原亭馬太郎はこんな落語家

金原亭馬生一門の落語家には、明確な共通項があります。
目先のギャグに走らず、そして急がず焦らず、先人から引き継いだ古典落語をじっくり組み立てていく人ばかりです。
師匠と似ていない弟子も世間に多数みられる中で、金原亭はいずれも師匠譲りです。
落語界では、現代ギャグを多数入れ込んだ破天荒な古典落語が流行っています。
落語ブームを牽引するそうしたスタイルに比べると、金原亭のスタイルは、いささか地味に思えるかもしれません。ですが、さまざまなスタイルがあるからこそ、落語は楽しいのです。
一見地味な落語は聴き飽きませんし、刈り込まれて邪魔になる部分が少ないため、聴き手が世界から脱落してしまう危険も少ないのです。
演者のスキル次第で、落語の世界は無限の広がりを見せるのです。
馬太郎さんは、馬生一門の中でもとりわけ、抑制された話術を持つ人です。極めてフラットに噺を進めていき、余計なアクセントをほとんど付けずにさらさらっと語っていきます。
そういった落語はマニア向けで、初心者には難しいものでしょうか。
確かに、古今東西多くの落語を聴きなれた通のファンにとっては、徹底的に抑制した馬太郎さんのスタイル、むしろ響きやすいものです。ですが初心者にわかりにくいかというと、そんなことはまったくありません。
馬太郎さんの落ち着いた語り口によって、落語を聴いて間もない人でも、古典落語本来の味わいを濃厚に感じ取ることができることでしょう。
それに落ち着いた語り口でも、噺の中で飛び回る、素っ頓狂な登場人物はしっかり描けるのです。
演者がフラットに進める中で、頭のネジの緩んだ登場人物が活躍する、そんな情景も落語では描くことができるものです。
落語の世界では古来より、高座から演者自身が消えてしまい、落語の情景だけが映し出されている状態が、ひとつの理想とされます。
馬太郎さんの落語は、この理想の状態に非常に近いものです。

金原亭馬太郎の歩み

金原亭馬太郎さんは、1990年生まれで、2020年現在、30歳です。
師匠である、当代金原亭馬生に入門したのは2014年1月です。
2015年5月に前座となりました。当時の名前は駒六です。
駒六は、馬生の六番弟子であることから付けられたものでしょう。
前座になったのは、先に入門した兄弟子、金原亭小駒さんと同時です。
小駒さんと同様、最近の噺家としては長い見習い期間を務めています。このあたりは師匠の考え方なのでしょう。
4年弱の前座修業を開けて、2019年2月には二ツ目に昇進しました。この際に馬太郎と名を替えています。
前座時代は楽屋仕事が本業ですが、二ツ目に昇進した今後は、自分で会を開くなど、活躍の場をどんどん広げていく必要があります。
俗に二ツ目貧乏といって、楽屋仕事から解放されて二ツ目になった直後の時期が落語家にとってはもっとも大変なのです。ですがそんな中で、馬太郎さんがあちこちで活躍している様子、すでに見えてきています。
これから賞レースで、ライバルたちと戦っていく機会も増えていくでしょう。

金原亭馬太郎の名前について

金原亭の一門は、「馬」「駒」の付く名前が多いです。
これは一門の開祖、初代金原亭馬生にまでさかのぼるものです。馬生から出ているグループを「馬派」と呼びます。
「鈴々舎馬風」や「蝶花楼馬楽」など、一門から外に出た名前もまた、馬派から出ているものです。
馬の字と同様に、金原亭でよく用いられるのが「駒」の字です。駒はもともと馬の子の意味で、「若駒」などという言葉もあります。
駒の字を金原亭で名前に用いる際は、絶対ではないものの、比較的若い噺家に名づけることが多いようです。
馬太郎さんは、前座時代は駒六で、二ツ目に昇進して馬太郎です。駒から馬に出世した、金原亭の典型例といえます。
馬生一門の名前の変遷を見ても、このルールはわかります。

・馬生(小駒⇒馬治⇒)
・馬治(駒丸⇒)
・馬玉(駒介⇒馬吉⇒)
・三木助(駒春⇒三木男⇒)
・馬久(駒松⇒)

兄弟子の小駒、弟弟子の駒介(前座)を含めて、駒の字からスタートし、馬の字が付くと出世というルールがあるようです。字の意味からするとぴったりです。
馬太郎さんの前名である駒六についても見ておきましょう。この名前は、過去にはなかったようです。
「五」や「七」に比べると、数字の「六」が付いた落語家の名前は決して多くはありません。名跡である雷門助六が目立つ程度です。
ただ六のついた落語家の身近な例があります。
古今亭の先輩で現在人気の高い、古今亭文菊師匠は、二ツ目時代に菊六でした。もっともこの人は故・古今亭圓菊の十三番弟子なので、数字は序列から来ているわけではありません。
さらに馬太郎さんの師匠・馬生の兄弟子であった「鈴の家馬勇」(故人)という人が、二ツ目時代に「馬六」を名乗っていました。一門として六の字には比較的なじみがあったのかもしれません。
二ツ目になって改名した馬太郎ですが、この名前もまた、多くの先輩が名乗っている出世名です。
なにしろ、大師匠である十代目馬生のさらに師匠であり、父でもある昭和の名人、古今亭志ん生がかつて名乗った名前のひとつです。
後に馬生(七代目)も名乗った志ん生が、初めて金原亭を名乗り、その亭号の下に付いた名が馬太郎なのです。
志ん生は三遊亭でプロになったのですが、四代目古今亭志ん生門下に移った際に、金原亭馬太郎に改名しています。
志ん生は生涯にわたって名前を変え続けたことでも有名ですが、数多く名乗ったその名前も、空いているものばかりではありません。
馬太郎が空いていたのは幸いでした。出世名を名乗る馬太郎さん、名前からも今後の活躍が期待できます。
馬太郎の名はその後、志ん生の弟子の八代目古今亭志ん馬も、二ツ目時代に名乗っています。
その次は、2019年に亡くなった五代目金原亭馬好が二ツ目時代、「馬太呂」と一字変えて名乗りました。馬好は馬太郎さんの師匠、馬生の兄弟子に当たります。
馬太郎さんは4人目、または3人目の馬太郎となりますが、二ツ目名前の場合は「○代目」と代数を付けては名乗らない習慣があります。
さて出世名をもらった馬太郎さん、まだまだ先ですが、真打になったときの名前を想像するのも楽しいものです。
このまま馬太郎で真打の可能性もありますが、おそらく空いている金原亭の名を名乗るのではないかと思われます。

弁天小僧

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日頃はクレジットカード、キャッシング、カーシェア等を専門に執筆しているライターです。 落語が趣味で、週1回寄席や落語会に出向いています。

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