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金原亭小駒さんの人物紹介

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金原亭馬生一門の二ツ目さん、金原亭小駒さんをご紹介します。
この一門らしく端正ながら、明るく華やかな個性を持つ、今後が楽しみな若き落語家です。
二ツ目なので、敬称を「さん」にしています。師匠と呼ぶのは、真打昇進後を待ちましょう。
抜擢でもあれば別ですが、真打昇進まではあと10年ぐらいです(2020年現在)。

目次
1.金原亭小駒の評価
2.金原亭小駒は落語家の家系
3.金原亭小駒の経歴
4.金原亭小駒の名前について

金原亭小駒の評価

落語の上手さは、「口調」「テンポ」「トーン」、そして落語の編集力などに求められます。
小駒さんの落語は流れるような、そしてメリハリの利いた口調で、客をじわじわ高揚させていきます。
基礎力抜群の小駒さん、今後は編集力に磨きをかけて、独自の小駒落語を作っていくはずです。もっともこの一門らしく、いきなり派手なところは狙わずに、通をうならせていくことでしょう。
東京都主催の「アートにエールを」プロジェクトの一環で作ったショートムービー「青空らくご」で、現在の小駒さんの落語の一端に触れることができます。
さらに、子役時代を彷彿とさせる演技も楽しめます。

金原亭小駒は落語家の家系

金原亭小駒さんは、本人の個性・属性を語る前にどうしても、その血統から語らないわけにはいきません。
小駒さんの母方の祖父が、十代目金原亭馬生です。これはすなわち、曾祖父が五代目古今亭志ん生です。
落語界は、血縁で継ぐことが多いと思い込んでいる人もいるでしょうが、決してそんなことはありません。
歌舞伎や能狂言のように、幼少の頃から厳しい稽古に励んで一人前になるような芸能ではないのです。落語家の家に生まれたから後を継ぐというルールもなく、外から入門する人が圧倒的に多数派を占める業界です。
身内に関係者がいることで、業界のしきたりがある程度わかっているメリットはあるでしょうが、それが芸に直接プラスになるかどうかは別の話です。
とはいえ、祖父の十代目馬生自身が志ん生の息子であるように、親と同じ仕事を選ぶ人は昔から(少ないながら)いましたし、今もいるのです。
必要以上に期待されてしまいますし、だからといってアドバンテージもさしてありません。大変な決意が必要なことでしょう。
ただし小駒さんのように、一代置いて孫が同じ業界に入ってきたという例はそれほどは多くありません。小駒さんの前には、先代柳家小さんの孫である柳家花緑、それから三代目桂三木助の孫である、五代目桂三木助(小駒さんの兄弟子)ぐらいでしょう。
小駒さんを含めた3人に共通するのは、「名人の娘の子」だということです。
花緑師の場合は祖父に弟子入りしたのですが、小駒さんの場合、生まれたときは祖父である先代馬生はすでに鬼籍に入っていました。
これは三木助師も同様で、本人が祖父の高座を直接観ていたわけではありません。
それでも、祖父の一門に入門するというのは、小駒さんにとり自然な選択肢だったのかもしれません。
小駒さんのお母さんは、先代馬生の次女で、馬生のマネージャーを務めていました。現在は「江戸落語普及会」というイベント会社や、日本文化推進企画という一般社団法人を運営されています。
ちなみにお母さんの上のお姉さんが、女優の池波志乃さんです。
先に挙げた花緑、三木助という人たちの環境が小駒さんと違うのは、一代開いてはいるが叔父(母の弟)が落語家である点です。とはいえ小駒さんも、芸能界で活躍する伯母さんがいるという点は似ています。
小駒さんには子役俳優としての実績もあり、映画「20世紀少年」他、数本の映画に出演しています。

金原亭小駒の経歴

金原亭小駒さんは、曾祖父の名前を継ぐ当代、十一代目金原亭馬生門下です。
高校在学中に入門し、2015年に落語協会の前座となっています。前座になるまでの1年半の見習い期間は、現在では長いほうですが、師匠なりの考えがあるのでしょう。
2018年には、3年半の前座期間を終え、二ツ目に昇進しています。
前座は寄席の開口一番として一席務めます。これはお客のためでなく落語家の修業の一環であり、寄席の料金には入っていません。
それでも、上手い前座は自然とお客を引き寄せます。
前座は自分自身のことなど、余計な情報は高座で喋りません。前座離れした高座を務めていた小駒さんも、自分の血統について語ることは当然ないのですが、次に上がる二ツ目さんがしばしば、小駒さんの素性をお客にバラしていました。
「上手い前座だな」と思って聴いていたお客が、その前座がサラブレッドだったと知ってびっくりするわけです。
修業中のご本人も、思わぬところで注目を浴びて複雑な思いがあったかもしれませんが、認められているからこその扱いでもあるでしょう。
血統が本来関係のない落語界とはいえ、お客は知っている落語家の一族が入門してきたと知れば嬉しいものです。
さて現在の小駒さん、二ツ目は誰でもそうですが寄席の出番は少ないので、寄席の外で活躍しています。
小駒さんも、一門の先輩や、修業時代の仲間たちと一緒に多くの会を開いています。

金原亭小駒の名前について

金原亭小駒というのは、師匠の当代馬生が前座時代に名乗った名前です。
ですから出世名です。
小駒という名前は、師匠の後で二人の、金原亭の落語家が名乗っています。
初音家左橋師匠が、次に金原亭龍馬師匠が、それぞれ前座・二ツ目時代に名乗りました。
師匠・馬生は二ツ目になって「馬治」になりましたが、現在この名は小駒さんの兄弟子が名乗っています。
小駒さんは二ツ目になっても名前がそのままなので、真打昇進時に替えることは間違いありません。
どんな名前を名乗るのか、それもまた楽しみです。

弁天小僧

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日頃はクレジットカード、キャッシング、カーシェア等を専門に執筆しているライターです。 落語が趣味で、週1回寄席や落語会に出向いています。

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