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金原亭馬久氏の人物紹介

ワイン寄席

オンラインワイン寄席に登場の落語家、金原亭馬久氏をご紹介します。
東京の落語家で、二ツ目と呼ばれる階級の人に対しては、「師匠」「師」という敬称はつけられないので、「氏」としています。
氏では固いので、以下馬久さんとします。二ツ目・前座身分の落語家に実際に声を掛けるときも、さん付けがいいでしょう。

目次
1.金原亭馬久はこんな落語家
2.金原亭馬久の歩み
3.金原亭馬久夫人について
4.金原亭馬久の落語を聴く

金原亭馬久はこんな落語家

落語協会に所属する金原亭馬久さんは、2010年入門です。
2020年現在、キャリア10年です。定年のない落語界では、まだスタートしたばかりだといっていいでしょう。
大きな口の個性的な顔立ちは、落語の世界では有力な武器になりそうです。ですがその武器には頼らず、馬生一門らしい本格派の道を進んでいます。
即物的なウケを狙わず噺をしっかり語り込み、落語本来の面白さを引き出して聴かせてくれる、若手ではなかなか貴重なスタイルです。
馬久さんの真の武器は、低くて渋い、いい声にあります。
落語界では一般的に、高く抜ける声が幅を利かせていますが、低くて官能的な馬久さんの声も貴重です。
基礎を徹底して積んできている人なので、今後真打昇進に向けて、ますます腕を伸ばしていくことでしょう。

金原亭馬久の歩み

金原亭馬久さんは、金原亭馬生門下で上から数えて4番目の弟子です。
兄弟子は、金原亭馬治、金原亭馬玉、桂三木助といずれも真打です。
弟弟子には、金原亭小駒、金原亭馬太郎という二人の二ツ目と、前座の駒介がいます。
こうして並べてみると、師匠を含めた一門のカラーというものが間違いなく浮かび上がってきます。馬久さんの芸風にも、兄弟弟子たちとの強い共通点が見られます。
一門とは、疑似家族だということがよくわかります。血縁関係のない人が集まって、実の親子・兄弟のように似ていくものなのです。
ファミリーには固有の遺伝子があって、その上に個人の個性が乗るわけです。
2010年入門の馬久さんが、落語協会の前座になったのが翌2011年です。当時の名前は「駒松」。
二ツ目に昇進したのは2015年です。この際に現在の名前に改めました。
同期の噺家には、林家つる子(正蔵門下)、入船亭遊京(扇遊門下)、林家扇兵衛(木久扇門下)がいます。二ツ目にも、全員一緒に昇進しました。
同期はみなユニークです。
新作を含む面白落語に定評があって美人のつる子、京大卒のイケメン遊京、超巨体の扇兵衛という個性に囲まれると、馬久さんは、世間へのわかりやすいアピールに若干欠けて見えるかもしれません。
ですが馬久さんのそんな姿もまた、本格派の馬生一門らしいのです。
落語界というところには、ロールモデルが無数にあります。つる子さんのように派手な顔芸で笑わせる芸にも、落語本来の面白さをしっかり語り込む馬久さんにも、それぞれの明るい未来が待っています。
馬生一門全体の活躍を見たとき、馬久さんの未来を推測するのは容易です。
馬久さんを含む同期が真打に昇進するのは、順調に行けばあと5~6年程度先と思われます。
芸の真価が出てくるのは、その先10年20年かもしれません。落語家は、それだけ長い期間にわたって活躍するのです。

金原亭馬久夫人について

個性豊かな同期に囲まれつつ、本格落語家への道を堂々と進む馬久さんですが、私生活のほうでは落語ファンをアッと言わせました。
2018年に、同じ落語協会所属の女流落語家、春風亭一花さんと結婚したのです。
非常に珍しい、業界では二組目の夫婦落語家の誕生です。
一花さんは馬久さんと同じ二ツ目の身分で、2年後輩であり、2歳下です。
女流の落語家も随分と増え、今や当たり前の存在になっていますが、一花さんはその中でもすでに実力を認められている人です。
さらに落語ファンの人気を集めているのが、女流落語家ユニット「おきゃんでぃーず」。
林家あんこ、林家つる子という先輩たちと組んでいるアイドルトリオで、余興の目玉となっています。
俳優の中井貴一に似ているというのが一花さんの売り物。
一花さんは春風亭一朝門下です。ここの一門からも、春風亭一之輔をはじめとする、上手い人が次々登場しています。
今後は仲睦まじい家庭を築くとともに、家庭内にも強力なライバルと競い合うことになります。
実際、若手の登竜門として定評のあるさがみはら若手落語家選手権で、予選を通過したのは奥さんの一花さんのほうでした。
優勝の下馬評も高かったのですが、2020年はコロナの影響で決勝戦を行わず中止となっています。

金原亭馬久の落語を聴く

実際に馬久さんの落語を、2020年7月31日に開催された地域寄席、「堀船せんべえ寄席」からご紹介します。
北区堀船、地元出身の林家扇兵衛さんが主催するこの会には、先に名前を挙げた同期4人全員が顔を揃えました。
冒頭の4人のトークではあまり口を開かない馬久さんですが、時間と客席の盛り上がりをもっともよく見ていて、締めに掛かったのはこの人でした。こんなところも、金原亭らしさがうかがえます。
そして落語の出番は、仲入り休憩後です。前の二人が熱演で時間が押し気味なので、馬久さんが調整をします。
落語はひとり芸ですが、会をトータルで見てもらうチームプレイが求められるのです。
軽めの噺をという意図でしょう、「富士詣り」に入ります。かなり珍しめの噺です。
江戸時代に流行った、講を組んでの、信仰としての富士登山を描いたもの。現代でも人気の「大山詣り」と比べると、頻度は相当に少ない噺です。
登山中、急に天気が悪化したため、山の神の怒りを鎮めるため、今までおこなった悪事の懺悔をする一行。
悪事といっても、たいそうなものではないのが落語らしいところ。
実は、間男の懺悔を語る、艶笑落語でもあります。
艶笑落語は、特に若手にとっては難しいもの。ですが馬久さんは堂々と語ります。
語りに企みがなく、そして露骨さを追求しない馬久さん。二重の意味でいやらしくない、実にいい一席でした。
あくまでも、全体を楽しんでもらうためにあえて地味な噺を持ってきたのだと思いますが、だからこそというか、結果的にこの会でもっともいいデキだったと感じました。
筆者が過去に聴いた馬久さんの高座にはなかった、新たな魅力に触れることができました。
若手の落語家はどんどん成長していき、そして新たな味が付け加わってきます。その成長を味わうのも、落語の楽しみです。

弁天小僧

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日頃はクレジットカード、キャッシング、カーシェア等を専門に執筆しているライターです。 落語が趣味で、週1回寄席や落語会に出向いています。

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