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ハンガリーワイン特集 Vol.3(産地)

東欧ワイン

全4回に分けてハンガリーワインを特集しております。
第3回目は、ハンガリーのワイン産地についてご紹介します。

目次
ハンガリーのワイン産地
 ◆トカイ地方 Tokaj
 ◆北ハンガリー地方 Felső Magyarorság(Upper Hungary)
 ◆ドナウ地方 Duna
 ◆パンノン地方 Pannnon
 ◆北パンノニア地方  Felső Pannnon Borregió
(Upper Pannonia)

 ◆バラトン地方 Balaton

執筆 澤辺小友美

執筆者紹介記事はこちらから

ハンガリーのワイン産地

◆トカイ地方 Tokaj


1.【トカイ Tokaj】

主要ブドウ品種
◎フルミント ◎ハールシュレヴェリュ ◎シャールガムシュコターイSá rgamuskotály(イエローマスカット)

ハンガリー北西端、スロバキアとの国境に位置する、世界三大責腐ワインの産地です。
トカイ・エッセンシアは、ハプスブルク帝国の女帝マリアテレジアやナポレオン、ヒ°ョートル大帝など、世界の王侯貴族を虜にし、ルイ14世に‘‘王のワイン、ワインの王”と称された逸話が有名です。1737年に世界最初に原産地呼称統制を導入し、2002年にはそのブドウ畑の文化的景観が世界遺産登録されました。
葡萄畑の面租は5,816ha、年間平均気温は11. 2℃ 、年間降水量は640mm。土壌は流紋岩,安山岩質凝灰岩,黄土が中心で、この地質の影響により、極めて個性豊かなワインが造られます。この地域の最南端に聳える成層大山のトカイ山の麓がボドログ川とティサ川の合流点で、地形と気候の影響により、秋の日夜の寒暖差に起ち上がる霧が貴腐菌(ボトリティス菌)を発生させます。また、最近では甘口ワインだけでなく辛口の白ワインやスパークリング
ワインも積極的に造られています。

●トカイ地方で認められているワインタイプ

  • スティルワイン:辛口、甘口
  • 遅摘みワイン:甘口
  • サモロドニ:甘口、辛口
  • アスー:収穫された年から数えて3年目の1月・1日より前に発売してはならず、18ヶ月以上(以前は2年間)の樽熟成を経たものでなくてはなりません。
    →樽熟成と瓶熟成を合わせて3年以上の熟成期間が必要となります。
  • 残糖度:120g/ℓ以上(以前は3プットニョシュ60g/ℓ、4プットニョス90g/ℓ、5プットニョシュ120g/ℓ、6プットニョシュ150g/ℓ、180g/ℓ以上はアスー・エッセンシアと等級分けされていました)
  • アルコール度数19%以下
  • 酒石酸:6g/ℓ以上
  • アルコール度:9% abv 以上
  • エキス分:35g/ℓ 以上
  • 揮発酸 9% abv 2.1g/ℓ以下

https://www.tokajtoday.com/2014/06/10/new-tokaj-product-specification-published/

  • エッセンシア:残糖度450g/ℓ以上
  • フォルディターシュ及びマーシュラーシュ:甘口

https://www.tokajtoday.com/2016/12/08/tokaj-product-spec-amended-anew/

  • スパークリングワイン

◆北ハンガリー地方 Felső Magyarorság(Upper Hungary)


2.【ビュック Bükk】

主要ブドウ品種
◎ツヴァイゲルト ◎ケークフランコシュ ◎レアニカ ◎ゼニット

ブドウ栽培面積は1,015ha 、年間平均気温10℃ 、年間降雨量は550mm。エゲルとミシュコルツの街の間のビュック山脈の南の区域に拡がるワイン産地で、14世紀にはブドウ栽培が行われており、18世紀にはミシュコルツの街に1500ものワインセラーが立ち並んでいた歴史のある産地です。
ビュック山脈の山麓丘陵地帯で、ビュック連峰が南南西の斜面のブドウ畑を北風から守ります。主な土壌は流紋岩、凝灰岩、黄土、砂。

3.【エゲル Eger】

主要ブドウ品種
◎ケークフランコシュ ◎カベルネ・ソーヴィニヨン ◎メルロー ◎レアニカ

ブドウ栽培面積は5,724ha 、年間平均気温10.6℃ 、年間降雨量は592mm。首都ブダペストから北東約140kmに位置する、バロックと、“エグリ・ビカヴェール”に代表されるワインで有名な町。エゲルのワインセラーの大部分は、街の南部の、流紋岩、凝灰岩お岩盤を刳り抜いて何十キロと繋がる地下通路網にあります。

4.【マートラ Mátra】

主要ブドウ品種
◎オラスリズリング ◎スルケバラート ◎ケークフランコシュ ◎シャスラ

ブドウ栽培面積は6,604ha 、年間平均気温10.5℃ 、年間降雨量は630mm.。マートラ山脈の南側の麓に拡がるワイン生産地域で、13世紀の憲章にはこの地域のブドウ園についての記述があります。マートラ山脈の麗の丘陵地帯の気候は穏やかな大陸性で、マートラ山脈の山並みが南斜面のブドウ園を北風から守る有利な局所気候です。地質は火山性岩石、安山岩と流紋岩の凝灰岩、砂質粘土、黄土。

◆ドナウ地方 Duna


5.【チョングラード Csongrád】

主要ブドウ品種
◎ケークフランコシュ ◎チェルシェギ・フューセレッシュ ◎イルシャイ・オリヴェール

ブドウ栽培面積は1,025ha 、年間平均気温10.6℃ 、年間降雨量は475mm。ハンガリー南部、ティサ川下流右岸に拡がるワイン産地で、軽めのロゼや白ワインが造られます。
極端な大陸性気候で乾燥しており、日照良好、夏は高温。冬は極端に過酷です。土壌は主に、ドナウ川が起源の黄土が混ざった石灰質の風成砂。

6.【ハヨーシュ・バヤ Hajós-Baja】

主要ブドウ品種
◎ケークフランコシュ ◎カベルネ・ソーヴィニヨン ◎チェルセギ・フューセレッシュ

ブドウ栽培面積は1,848ha 、年間平均気温11.5℃ 、年間降雨量は475mm。ドナウ川とティサ川に挟まれた黄土の少ない台地の西の区域。ハヨーシュには、1300のプレスハウスが立ち並び、ヨーロッパ最大の連結したセラー地区でもあります。気候はとても乾燥しており、夏は暑く冬は過酷。土壌は黄土と砂。

7.【クンシャーグ Kunság】

主要ブドウ品種
◎チェルセギ・フューセレッシュ ◎ケークフランコシュ ◎シャールフェヘール

ブドウ栽培面積は21,000ha 、年間平均気温11.2℃ 、年間降雨量は475mm。ドナウ川とティサ川に挟まれた、ハンガリー南部の大平原に広がる、全国を通して最大のワイン生産地域。極端に大陸的で、夏は暑く、冬は極めて寒く、乾燥した気候です。主な土壌タイプは石灰質砂。

◆パンノン地方 Pannnon


8.【ペーチ Pécs】

主要ブドウ品種
◎オラスリズリング ◎シャルドネ ◎リズリング・スィルヴァーニ
* ハンガリーで唯一、Cirfandli(Ziafandlerツィアファンドラー) が栽培されている産地です。

ブドウ栽培面積は636ha 、年間平均気温10.7℃ 、年間降雨量は600mm。ヴィッラーニと並びハンガリーで最も暖かいワイン産地で、亜地中海性気候。夏は暑くて日照が多く、冬は温和。土壌は、赤色砂岩と三畳紀の石灰岩質岩石で、砂や頁岩、石灰岩。南斜面は黄土(レス)とアドービ粘土土壌。

9.【セクサールド Szekszárd】

主要ブドウ品種
◎ケークフランコシュ ◎カダルカ ◎メルロー ◎カベルネ・ソーヴィニヨン

ブドウ栽培面積は2,308ha 、年間平均気温11.3℃ 、年間降雨量は598mm。エゲル地方の“エグリ・ビカヴェール”が有名ですが、この産地でケークフランコシュ、カダルカ等をブレンドして造られる‘‘セキサルディ・ビカヴェール”も有名です。この地域のブドウ栽培を示す最古の追跡はローマ時代の11トンの大理石の石棺で、側面のパネルに二重聖杯から生えて房をつけたブドウの樹が描かれています。
穏やかな大陸性気候で、夏暑く、冬は温和で、秋は比較的暖かく乾燥しています。土壌は主にレス土壌。

10.【トルナ Tolna】

主要ブドウ品種
◎ケークフランコシュ ◎シャルドネ  ◎ツヴァイゲルト ◎ゾルド・ヴェルトリーニ

ブドウ栽培面積は2,433ha 、年間平均気温11.8℃ 、年間降雨量は590mm。穏やかな大陸性気候。地質学的構成はセキサールドとほぼ同じ、粘士と砂、黄士。

11.【ヴィッラーニ Villány】

主要ブドウ品種
◎カベルネ・ソーヴィニョン ◎ケークオポルトー(ポルトギーザー) ◎カベルネ・フラン

ブドウ栽培面積は2,467ha 、年間平均気温11℃ 、年間降雨量は700mm。大陸性気候と亜地中海性気候が混ざり、夏は暑く冬は温和で基本的には乾燥地帯です。土壌は石灰岩、白雲石、アドービ粘土黄土、褐色土壌。

◆北パンノニア地方  Felső Pannnon Borregió
(Upper Pannonia)


12.【エチェク・ブダ Etyek-Buda】

主要ブドウ品種
◎シャルドネ ◎イリュシャイ・オリヴェール ◎ソーヴィニヨン・ブラン ◎ピノ・ノワール

ブドウ栽培面積は1,577ha 、年間平均気温10℃ 、年間降雨量は650mm。ハンガリーでは比較的新しいワイン生産地域ですが、13世紀後期のアールパード王朝時代には、ワインはブダ市民の主要な収入源でした。1887年には、この産地のブダフォクという町が“ International city of wine and sparkling wine(ワインとスパークリングワインの国際都市)” として認定され、第一次世界大戦後に設立された11のスパークリングワイン工場のうち、4社はブダフォクに誕生しました。土壌は三畳紀の白雲石と石灰岩。

13.【モール Mór】

主要ブドウ品種
◎エゼルヨー ◎キラーイ・レアニカ ◎ゾルド・ヴェルトリーニ

ブドウ栽培面積は557ha 、年間平均気温10℃、年間降雨量は625mm。この産地の、“モーリ・エゼルヨー(モールのエゼルヨー)”は、ハプスブルク家に愛飲されていたとされる、この産地を代表するワインです。適度に涼しく,風が強く、南南西斜面は好適な局所気候に恵まれています。
土壌は三畳紀の白雲石が形成し、ブドウ園では主に、砂地の上に砂質黄士、粘土砂礫褐色森林土壌。and sparkling wine(ワインとスパークリングワインの国際都市)” として認定され、第一次世界大戦後に設立された11のスパークリングワイン工場のうち、4社はブダフォクに誕生しました。
土壌は三畳紀の白雲石と石灰岩。

14.【ネスメーイ Neszmely】

主要ブドウ品種
◎シャルドネ ◎キラーイ・レアニカ ◎ハールシュレヴェリュ ◎ユファルク

ブドウ栽培面積は1,082ha 、年間平均気温10℃ 、年間降雨量は640mm。ドナウ川右岸で、スロバキア国境に接するワイン産地で、ネスメーイ一帯のワインの伝統は中世に遡ります。エステルゴム大聖堂の地下にはハンガリー全国から集められたワインが展示された博物館ができています。
温和な大陸性気候。地質は多様で、ネスメーイ地区は三畳紀の石灰岩、白雲石、白亜紀と始新生の泥炭土と頁岩、粘土と砂礫で構成され、その全てを更新生の黄土(レス)が覆います。

15.【パンノンハルマ Pannonhalma】

主要ブドウ品種
◎オラスリズリング ◎ライナイ・リズリング

ブダペストの西1000km ほどの距離にあるこの町の象徴的なパンノンハルマ修道院は、ハンガリー最古の修道院で、1996年に周辺の丘や森を含めて世界遺産登録されました。10世紀末の創設時から、ベネディクト派修道士たちがブドウを栽培しワイン造りをしてきた歴史があり、その建物は現在でも学校や修道院として使用されています。葡萄栽培面積は632ha 、年間平均気温10℃ 、年間降雨量は600mm。
穏やかな大陸性気候。ショコロー丘陵地帯の本体は後期中新世の湖水性砂と粘土で構成され、第四紀の砂礫と砂を含み、これらの地層が、ローム性黄土土壌と褐色土壌を作り出しています。

16.【ショプロン Sopron】

主要ブドウ品種
◎ケークフランコシュ ◎ツヴァイゲルト ◎カベルネ・ソーヴィニヨン

オーストリアとの国境近くのワイン産地で、およそ2000年前のローマ時代にはすでにブドウ栽培が盛んだったとされています。葡萄栽培面積は1,642ha 、年間平均気温l l .2℃、年間降雨量は600mm。土壌は石灰岩、頁岩、砂岩、スレート(粘板岩)

◆バラトン地方 Balaton


17.【バダチョニ Badacsony 】

主要ブドウ品種
◎オラスリズリング ◎スルケバラート ◎ケークニェリュ ◎ピノ・ノワール

ブドウ栽培面積は1,399ha、年間平均気温11.2℃ 、年間降雨量は640mm。ブダペストから西南に約170km。長さ約77km のバラトン湖の西北岸に隣接するカール盆地と、タポルツァ盆地から構成されるワイン産地。考古学的発掘により、ブドウ栽培は2000年前には盛んだった場所で、ローマ人によって建設されたバダチョニ山を回る道路は現在もローマ街道として使用されています。穏やかな大陸性気候と亜地中海性局所気候充分な日照、地形により北風から守られています。地質は火山性土壌で、黒い玄武岩のスレートが、日中の熱を貯めて夜に輻射熱を放射します。

18.【バラトンボグラール Balatonboglár】

主要ブドウ品種
◎シャルドネ ◎オラスリズリング ◎メルロー ◎ケークフランコシュ

ブドウ栽培面積は3,565ha、 年間平均気温10.6℃ 、 年間降雨量は623mm。バラトン湖南岸の、バダチョニの対岸にあるワイン生産地域。歴史的には、バラトン湖北岸・南岸のワインは区別されておらず、14世紀には単にバラトン・ワインとして醗造されていましたが、19世紀後期に複数のワイン生産地区に分けられました。この産地ではスティルワインの他、スパークリングワインも多く造られています。
地質はパンノニア湖に沈積した砂質粘土質が中心で、丘陵部分には黄土、ローム、森林土壌(forest soil)。

19.【バラトンフュレド・チョパック Balatonfured-Csopak】

主要ブドウ品種
◎オラスリズリング ◎スルケバラート ◎フルミント ◎ケークフランコシュ

ブドウ栽培面積は2,019ha、年間乎均気温11.5℃ 、年間降雨量は660mm。バラトン湖北岸沿いに細長く伸びるワイン生産地域で、別荘地としても有名なティハニが含まれます。多くの記録証拠からこの地域でのブドウ栽培はローマに征服される前に始まっており、またローマの支配中に高度に進歩したと想像されます。バダチョニ同様穏やかな大陸性気候で、地質はかなり複雑です。最も古い地層はシルル紀の変性フィライト(火山性の挿入構造)という一種の片岩タイプで、その上に上二畳紀の砂岩、三畳紀の石灰質泥炭土、白雲石など。その風化した石灰質物質が土壌を白色にし、赤土と白い土壌の結びつきにより、独特の魅力のあるワインをつくりだします。

*チョパック Csopak
主要ブドウ品種◎オラスリズリング ◎フルミント
葡萄栽培面積は120ha、年問平均気温11.5℃ 、年間降雨量は650mm。Balatonfüred-Csopak (パラトンフュレド・チョパック)は、22の指定地区一つですが、この地区のうちCsopak(チョパック)OEMでは、Olaszrizling(オラスリズリング) (最高15%までFurmint(フルミント)のブレンドが許されています)しか造ることを許されないことから、厳密にはPDOでもある、という事となります。

20.【バラトン・フェルヴィデーク Balaton-felvidék】

主要ブドウ品種
◎オラスリズリング ◎スルケバラート ◎シャルドネ

ブドウ栽培面積は845ha、年間平均気温11.5℃ 、年間降雨量は650mm。バラトン湖北岸の高台にあり、バダチョニとバラトンフュレド・チョパクに挟まれた地域です。考古学的証拠から、この地域のブドウ栽培はローマ時代に遡り2000年の伝統があります。気候はバダチョニに似ており、日照良く穏やかな大陸性気候と亜地中海性局所気候。土壌は著しく多彩で、石灰岩、白雲石、泥炭土、白亜、火山性土壌。

21.【ナジ・ショムロー Nagy-Somló】

主要ブドウ品種
◎ユファルク ◎オラスリズリング ◎フルミント ◎ハールシュレヴェリュ

ブドウ栽培面積は565ha、年間平均気温10.5℃ 、年間降雨量は675mm。ショムロー丘陵はバラトン湖北側の唯一の火山性ビュートで、粘土泥炭土と砂岩が覆い、玄武岩と凝灰岩。丘陵の麓は砂質、粘土質土壌と黄土が主体。高所では玄武岩と風化凝灰岩土壌。溌剌とした酸のある、ボディのしっかりした白ワインが造られます。

22.【ザラ Zala】

主要ブドウ品種
◎オラスリズリング ◎スルケバラート ◎トラミネール ◎ライナイ・リズリング

ブドウ栽培面積は825ha、年間平均気温I0℃ 、年間降雨量は675mm。バラトン湖西部ザラ州にあるワイン生産地域で、19世紀後期まで国内の優れたワインの最大供給源の一つでしたが、フィロキセラ流行後、当地のワイン文化は急速に衰退しました。気候は穏やかで、比較的涼しく、湿度が高いです。大部分は緩やかな丘陵地帯で、その中心部は昔のパンノニア湖の砂質、粘土質沈積物で、第四紀の黄土層で覆われています。

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次回、ハンガリーワイン特集 Vol.4(EU基準に基づくワイン産地)に続く

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