「ヴィノテラス オンライン ライブセミナー(イタリア編)」へ潜入取材!(2020年5月21日開催)
ヴィノテラスのサイト内にある「ワインイベント一覧」のページでご紹介しているイベントに、「LIVE配信」のタグが付いたものがズラリと並ぶようになってきたことにお気づきでしょうか。
前回(5月14日開催)のフランス編に続きまして、ヴィノテラスのコラム投稿ライター・椿れもんが、話題沸騰のZoomを使用したワインセミナーに参加させて頂きました。
公式取材レポートとして潜入取材した感想や印象など、今回もたっぷりとお伝えいたします。また、セミナー中の質問&回答やアンケート結果も合わせて掲載していきます。
目次
1.イベント内容&おおよその参加人数
2.取材者がイベントに参加した印象&感想
3.セミナー中の参加者から主催者側への質問&回答
4.あとがき
イベント内容&おおよその参加人数
「ヴィノテラス オンライン ライブセミナー(イタリア編)」は、ワインを飲むのが好きな方、もっと楽しみ方や知識を身につけたいと考えている方向けに、主催者のヴィノテラスが企画したもの。2020年5月21日(木)19時より、Web会議システムZoomを使ってのライブ配信スタイルで開催されました。
会場は、東京都千代田区にあるアズマコーポレーション本社。オフィス内に作られた特設スタジオで、明るいライトに照らされてマイクに向かうのは、メイン講師&MCを務めるヴィノテラス店長・ダニエル佐々木氏です。そして、この日はもう一人サブ講師(?)として、アズマコーポレーションのイタリアバイヤーである平岡さんが大阪から遠隔参加。平岡さんが今回のイタリア編を監修されたそうで、ダニエルさんは終始「平岡先生」と呼びかけられていて、どことなく前回よりも少し緊張されているように見えたのは、私だけでしょうか。
■前回のフランス編の様子を知りたい方は、こちらからどうぞ
⇒ https://vnts.jp/topics/5436
この日、Zoomの画面上に全国各地から集まった参加者の皆さんは、私を含め何と55名。ダニエルさんが、さっそくZoomの挙手機能を使って、「前回のフランス編に参加していたかどうか」を質問されます。約3分の1の方が挙手されました。なかなかのリピート率です。
しかも、この時点で既に6月4日開催のイタリア編2回目も満席になっていたので、改めてオンライン ライブセミナーの反響の大きさを感じました。
リピーターさんにはすっかりおなじみとなったダニエルさんの自己紹介の後は、セミナーの進行についての説明タイム。Zoomならではの双方向スタイルを活かして、チャット機能はもちろん、声を出しての質問や顔を出しての参加がOKな人は、ぜひ出してほしいと呼びかけがあり、数名の方がお顔の見える形で参加されていました。
今回のセミナーは、イタリアワインの基礎知識と産出エリア・主要品種の特徴を学べる内容で、初心者でも気軽に参加できる親しみやすいイベント。90分間のセミナーは2部構成になっていて、前半はイタリアの20州の中から、ワインの生産量が多く、日本になじみのある7つの州(ピエモンテ州、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州、トスカーナ州、カンパーニャ州、プーリア州、シチリア州)の気候や地形・主要なブドウ品種の解説、後半は各エリアの代表的なワイン6種類(白3種類・赤3種類)のテイスティングと質疑応答タイムです。
参加者には、セミナー開催前日までに、セミナー資料とテイスティング用のワイン6種類(白3種類・赤3種類、各100ml)一式がクール便で届けられます。前回のレポートにも書きましたが、ミニボトルがとっても素敵! 集めて愛でたくなるほどにかわいらしくて、ちょうど良いサイズなんです。
今回のイタリアワインは、こちらの6種類でした。
<白ワイン>
①ヴェネト/ソアーヴェ
品種:ガルガーネガ/トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ
②マルケ/ヴェルディッキオ・ディ・マテリカ
品種:ヴェルディッキオ
③バジリカータ/ビアンコ・バジリカータ・IGT
品種:マルヴァジア/フィアーノ
<赤ワイン>
④ピエモンテ/ランゲ・ネッビオーロ
品種:ネッビオーロ
⑤トスカーナ/キャンティ・コッリ・セネージ
品種:サンジョヴェーゼ
⑥プーリア/アンギウリ・プリミティーヴォ
品種:プリミティーヴォ
6種類のワイン全てが、テイスティング用には十分すぎる100mlずつ入っています。セミナー中に半分飲んだとして、後日お料理と合わせて飲んで復習が可能な量です。さらに、期間限定で1回限り利用可能な20%OFFクーポンも付いているので、気に入ったワインをお得に購入できます。これだけ至れり尽くせりで、参加費は3,000円(税込)だなんて、どう考えてもお得すぎます。
取材者がイベントに参加した印象&感想
講師のダニエルさんが「食事と一緒に気軽に楽しめるのがイタリアワインの魅力。今回は、品種の詳しいことやアカデミックなことよりも、普段なじみのあるどんな料理に合うかといった話題を中心にお伝えしていきたい」と話された通り、初心者でも安心して楽しめる親しみやすいお話でした。
ダニエルさんの「月に何本くらいイタリアワインを飲んでいますか」という質問に対して、参加者の皆さんがチャットで書き込んだ数字は、5本、10本という方も一部いらっしゃったものの、概ね1~2本という回答が多かったです。
一方、「普段ワインを飲む時に、どんなイタリア料理を合わせていますか」という質問には、カプレーゼ、生ハムサラダ、鶏肉のトマト煮込み、アクアパッツァ、ラザニア、ジェノベーゼパスタ、リゾット、ボロネーゼ、マルゲリータ、アラビアータ等々、たくさん挙がってきます。
私自身もイタリア料理が大好きなので、頷きながら聞いていました。イタリア料理は、日本人にとても馴染みがあるんですね。
やや専門的な解説の部分は、「平岡先生」の出番です。
・「アマローネ」と「ヴァルポリチェッラ」の違いについて、同じ土着品種で仲間だけれど製法が異なるため、アルコール度数や味わいに違いが出ること
・「ランブルスコ」は、品種とワインの名前の両方で、10種類くらいの品種があり3つが特に高品質であること
など、ポイントをわかりやすく解説してくださり、興味深かったです。
また、今回のワインの選定理由についても触れられました。特に「ランゲ・ネッビオーロ」が、いかに素晴らしいワインであるかを熱く語られる様子は、まさに「Zoomの中心で “推しワイン”への愛を語る平岡先生!」と表現したくなるほど。ダニエルさんも「いいワインだと思う」と共感されていました。
ダニエルさんと平岡先生のやり取りが、まるで情報番組の司会者とゲストコメンテーターのようで、お二人の役割分担は見ていて微笑ましかったです。
もし、ヴィノテラスの皆さんお一人ずつの「推しワイン&おすすめ料理総選挙」みたいなイベントがあったら面白そうですね。ぜひZoomで生プレゼンを観戦してみたいです。
そして、おすすめ料理を提携店からケータリングできたら最高だなぁとも思いました。
個人的な思いつきですが、実現してくださると嬉しいです。
私が特に気に入ったワインは、3番の「ビアンコ・バジリカータ・IGT」。紅茶のような香りが特徴的とのことで、家にあったレモンバター風味のクッキーを紅茶感覚で合わせてみたのですが、なかなか相性が良いように感じました。
セミナー中の参加者から主催者側への質問&回答
セミナー中は、Zoomのチャット機能を活用して、参加者の皆さまから素朴な質問、マニアックな質問など、活発に書き込みされました。質疑応答を、Q&Aスタイルでご紹介いたします。
Q1. ヴェルディッキオ・ディ・マテリカは苦味があるのですが、土壌由来でしょうか?
A1. 苦みやナッツの風味はヴェルディッキオの品種特性になります。品種の個性をしっかりと感じられているようです。
Q2. 生のお刺身にはどのワインを合わせますか?
A2. ご紹介した3種類の白からでしたら、ソアーヴェとバジリカータの白が合うと思います。ただし、白身魚でシンプルに塩やあっさりとポン酢などで。お醤油を付ければ赤ワインも合うと思います。
Q3. どれもフレッシュな印象ですが、3つともマロラクティック発酵はなしですか?(少し専門的ですみません)
A3. 一般的にフレッシュなタイプの白ワインではマロラクティック発酵を行うことは少ないです。基本的に3アイテムともしていないと思われます。
Q4. 樽香が一番取れたのが何番のワインでしょうか?
A4. 今回の6アイテムで樽が使われているのは、4番ネッビオーロと5番キアンティの2アイテムのみです。しかしながら、共に大樽のため樽香は非常に弱いと思いますが、どちらかと言えばネッビオーロかと思います。
Q5. ぶどうは同品種で樽熟成した場合とコンクリートやステンレス熟成した場合、テイストはどう変化しますか?
A5. コンクリートタンクの場合、全体的にはまろやかな感じに、ステンレスタンクなら果実感が全面に出たフレッシュな味わいとなります。
Q6. 還元香に似た香りがあるのは何の香りなのでしょう?
A6. 開けたてのワインには見られる傾向もありますが、空気に触れさせればしばらくして抜けることもあります。時間をおいて試してみて下さい。
Q7. 熟成がステンレスかコンクリートか樽かは、ワインを買う時にわかるのですか?
A7. 購入時にはわかりません。輸入元のテクニカルシートで判断するしかないかと思います。
Q8. プリミティーヴォは、イタリアではプーリア州でしか使わないんですか?
A8. プーリア州がメインになりますが、バジリカータ州とカンパーニャ州の一部のDOCで使用が認められています。
Q9. 6番のプリミティーヴォには、チーズだと何を合わせるのがおすすめでしょうか?
A9. ゴルゴンゾーラがおすすめです。フレッシュな白ワインにはフレッシュタイプのチーズ、濃厚な白にはセミハードタイプ、青かび系や少々クセの強いチーズには赤ワインがいいかと思います。
Q10. プリミティーヴォと、元が同じと言われるカリフォルニアのジンファンデルとの味わいの違いは?
A10. 一般にプーリア州のプリミティーヴォの方が、やや酸味が高いと言われています。
Q11. 今後スペイン編は無いのです?やってほしいです!
A11. スペイン編も現在検討しております。決まり次第お知らせします。
Q12. ソアーヴェは作り手?の差が大きい気がします。何が違うのでしょうか
A12. ソアーヴェの栽培エリアは広く、土壌や標高も幅広いです。また、作り手も多く、様々なスタイルで作られていることが味わいの差に繋がっています。
Q13. サンジョヴェーゼをブラインドテイティングで当たるコツは何でしょうか
A13. サンジョヴェーゼは造り手によって味わいが大きく変わるので難しいですが、共通するのは酸味の強さ、そしてタンニンの滑らかさなので、その2点を意識してみてはいかがでしょうか?
Q14. 今、2巡目を飲んでいるのですが、好きなワインは?と聞かれた時に、第一印象が良かったワインと、飲み進めていくうちに美味しいなぁと思うワイン、どちらが好きというべきでしょうか。もしよろしければ教えてほしいです。
A14. 第一印象を大切にしてみてください。香りを取り味見をして第一印象が良いワインは、2巡目もさらに美味しくなると感じるものが多いです。
発酵の仕方など製法に関する内容について、即答できないような鋭い質問も飛び出し、ダニエルさんと平岡さんが連携して、ひとつずつ丁寧に回答してくださいました。
あとがき
潜入取材というミッションを遂行すべく、フランス編、イタリア編と2週連続でオンラインセミナーの公式取材をするという貴重な機会をいただき、たくさんの学びと気づきがありました。
参加者の皆さんから、今後もスペイン編、ドイツ編、ポルトガル編、ギリシャ編など開催してほしいとのリクエストが続々と書き込まれていましたが、私も同感です。
私はもともと好奇心旺盛な性格ですが、楽しい、美味しいという体験がきっかけとなって、もっと知りたい、学びたいという知的好奇心が、さらに高まっていくんだなぁと痛感しています。取材のお役目がなくても、ぜひまた受講したいです。
このレポート記事が、オンラインセミナーに興味があって受講を迷っていた方、満席で申し込めなかった方に少しでも参考になれば嬉しく思います。