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Vol 11 スペイン、ポルトガル

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バラエティに富んだワインを生産しているスペインは、世界一のブドウ栽培面積を誇る国としても知られています。ワイン輸出量も世界第1位であり、かつて無名だったワイン産地もいまや世界的に注目を浴びています。また、スペインと国境を接するポルトガルは酒精強化ワインの銘産地としても有名です。

この回では、スペインとポルトガルのワイン産業における歴史や気候風土、主なブドウ品種、ワイン法と国内各地の特徴について解説します。

目次
1.スペイン
2.ポルトガル

スペイン

ヨーロッパ南西部、イベリア半島の大変を占めるスペインは、北のピレネー山脈を挟んでフランスと、半島西側のポルトガルと国境を接しています。2018年のワイン用ブドウの栽培面積は約96万haと世界第1位で、EU内の全ブドウ畑面積の約30%を占めており、17の自治州全てでブドウ栽培が行われています。ワイン生産量は、世界第3位で約4,440万ℓとなっており、その内約49.3%をカスティーリャ・ラ・マンチャ州が占めています。赤ワイン生産国というイメージが強いですが、白ワインの生産量は全体の48.9%に及んでおり、大きな差はありません。

2019年7月現在で96のD.O.P.があり、68D.O.、2D.O.Ca、7V.C.、19V.P.が認定されています。スティルワインは北部のリオハや内陸部のリベラ・デル・ドゥエロ、スパークリングワインのカバは大半が北部地中海側のカタルーニャ州で生産され、酒精強化ワインでは南部アンダルシア州のヘレス(シェリー)が世界的に知られています。また、近年は地元の品種を生かしたワインや外来品種を取り入れた高品質なワインが数多く産出されており、2018年には世界第1位のワイン輸出量となりました。栽培面積、生産量だけではなく、品質の面でもワイン大国の名に相応しい産地です。

スペインワインの歴史


多様な民族の侵略や支配を受け続けた歴史を持つスペインは、地方ごとに異なる言語や方言があり、さまざまな文化が交接している国です。

ワイン造りも時の支配者により盛衰を繰り返してきました。紀元前1100年頃、フェニキア人が大西洋岸の町、現在のカディスに到達し、ブドウ栽培を持ち込み、紀元前200年頃にスペインへやってきたローマ人がワイン造りを盛んにし、スペイン各地で生産したワインをローマ帝国各地に送っていました。711年にアフリカから来たイスラム教徒のムーア人によるイベリア半島侵略が始まり、支配を受けましたが、一部のブドウ栽培とワイン造りは継続され、彼らによって蒸留技術が伝えられました。

イスラム教徒の征服直後からキリスト教徒のレコンキスタ(国土回復運動)が始まり、11世紀後半頃から北部のキリスト教王国にキリスト教徒の再殖民が行われ、また修道院が建設され、ブドウ畑の復興とともにワイン生産も再び活気を取り戻しました。1492年にレコンキスタの成就と同時にアメリカ大陸が発見されて大航海時代が始まり、新大陸に領土を拡大していったスペインから遠洋航海に出る船に、シェリーやカナリア諸島のワインなど、船の出発点や中継地のワインが大量に積まれ、ワインの輸出が盛んになりました。
19世紀末から20世紀初めに、フィロキセラによる甚大な被害を受けましたが、同じ頃に接ぎ木をする対処法が発見されたため、スペインのブドウ畑は早く復興しました。また、フィロキセラ被害を受けたフランスの生産者や業者がワインを買い付けたり、ワイン生産を始めたりしました。20世紀に入ると、二度の世界大戦、世界恐慌、スペイン国内の内戦などが続き、ワインの輸出は大幅に落ち込みます。しかし1950~1960年代に各地に協同組合が興され、1970年代に入るとそれまでの独裁政権から立憲君主制に戻りました。民主化の道を歩み始めて半鎖国的経済状況方脱し、ワイン産業も復興を果たしました。特にEUに加盟した1986年以降の革新は目覚ましく、新世代による新しいスペインワインの潮流が生まれてきています。

スペインの気候風土


スペインはスイスに次いでヨーロッパ大陸の中で山脈が多く、平均標高は660mあります。山岳地帯だけでなくメセタと呼ばれる中央台地など様々な地形、変化に富んだ自然があります。

一般的に日照時間が長く降水量が少ない気候ですが、年間降水量が1,500mmを超える大西洋岸にある北西部のガリシアのような地域もあれば、逆に200~300mmと乾燥した南東部の地中海沿岸のムリシア地方のような地域もあります。北東部の地中海沿岸のカタルーニャ州などの比較的穏やかな気候と、寒暖差が激しく乾燥した内陸部の大陸性気候のように、気候条件は地域によって大きく異なります。

スペインの主なブドウ品種


スペインで生産されるブドウ品種は現在約160品種あり、スペイン固有の品種が多いのが特徴です。栽培面積の約52%は黒ブドウ品種が占め、その中でも栽培面積の21%を占めるテンプラニーリョは、リオハの主要品種であると同時に多くの地域でも栽培されているため、各地で独自の名前を持っています。

リオハでTempranilloテンプラニーリョと呼ばれる品種は、リベラ・デル・ドゥエロではTinto Finoティント・フィノもしくはTinto del Paísティント・デル・パイス、生産量が多いラ・マンチャではCencibelセンシベル、カタルーニャではUll de Llebreウル・デ・リェブレ、トロではTinta de Toroティンタ・デ・トロ、マドリッドではTinta de Madridティンタ・デ・マドリッドと呼ばれます。

黒ブドウ品種は、その他にGarnacha Tintaガルナッチャ・ティンタ、Bobalボバル、Monastrellモナストレル、Cariñenaカリニェナ、Mencíaメンシアなどがあります。白ブドウ品種は、Airénアイレン、Macabeoマカベオ、Pardinaパルディーナ、Cayetana Blancaカイェタナ・ブランカ、Verdejoベルデホ、Palominoパロミノ、Pedro Ximénezペドロ・ヒメネス、Moscatelモスカテルなどがあります。

また、1980年代後半から注目を集めているのはAlbariñoアルバリーニョやGodelloゴデーリョです。さらにカベルネ・ソーヴィニョンやメルロ、シラー、プティ・ヴェルド、ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランなどの外来品種も栽培されるようになっています。

主要品種については教本の表をしっかりチェックしておきましょう。

《教本参照》

スペインのワイン法と品質分類


スペインのワイン規制は特別法という形で18世紀に始まりました。1926年にリオハ地方が国内で最初に原産地保護を目的とした統制委員会(Consejo Reguladorコンセホ・レグラドール)を設立し、1932年に国として「ワイン法」を制定しました。これに基づいて1933年に原産地呼称制度ができ、リオハ、マラガ、ヘレスなどの伝統的産地が認定されました。フランスのA.O.C.(原産地統制呼称)が生まれた1935年よりも早いです。

その後原産地呼称制度は確立され、さらに2009年8月に発効されたEU規則にのっとって原産地呼称保護(D.O.P.)と地理的表示保護(I.G.P.)に分類されることになりました、2019年7月現在、96のD.O.P.をEUが認定し、登録しています。

スペインの原産地呼称法のカテゴリーは次のとおりです。

次に熟成規定についても見ておきましょう。樽での熟成期間によって分類されます。

Crianza
クリアンサ
赤は合計24ヶ月(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)、白とロゼは合計18ヶ月(そのうち6ヶ月は樽熟成)の熟成を経ている。
Reserva
レセルバ
赤は合計36ヶ月(そのうち12ヶ月以上は樽熟成)、白とロゼは合計24ヶ月(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)の熟成を経ている。
Gran Reserva
グラン・レセルバ
赤は合計60ヶ月(そのうち18ヶ月以上は樽熟成)、白とロゼは合計48ヶ月(そのうち6ヶ月以上は樽熟成)の熟成を経ている。

教本で品種と栽培面積についてまとめてありますので、しっかりチェックしておきましょう。

《教本参照》

スペインワインの各生産地域とその特徴


スペインのワイン産地は北部、大西洋、地中海、内陸部、南部の5つの地方と、バレアス諸島、カナリア諸島の2つの島部に分けられます。

北部地方
リオハD.O.Ca.1991年スペインで最初のD.O.Ca.を獲得したスペインを代表する産地。エブロ川支流のオハ川(スペイン語でRío Ojaリオ・オハ)がリオハの名の由来。 19世紀後半にはフランスから来た生産者たちの影響を受け醸造技術が向上し、そしてボルドーに留学したリスカル侯爵が小樽に詰めて熟成させるスタイルをスペインに持ち込んだ。 南西のデマンダ山脈がメセタからの夏の熱波を、北のカンタブリア山脈がビスケー湾からの冷たい北西風を遮るため、気候は穏やか。全栽培面積の50%を占めるリオハ・アルタは最も西部にあり、鉄分の多い粘土質や沖積土壌を持つ。 2019年のD.O.委員会データによるとワイン生産量は3,173,106hl、ブドウ栽培面積は65,326ha、約88%を赤ワインが占める。 主要ブドウ品種は、白:Viuraビウラ、Garnacha Blancaガルナッチャ・ブランカ、Malvasíaマルバシア、黒:Tempranilloテンプラニーリョ、Garnachaガルナッチャ、Mazueloマスエロ、Gracianoグラシアノ。 D.O.Ca.Riojaは上記の品種を使い赤、ロゼ、白、泡を産出する。 地方料理と食材はChuletillas de Cordero Lehcal チュレティーリャス・デ・コルデロ・レチャル(剪定した枝であぶり焼きした仔羊肉)、Pimientos Rellenos(赤ピーマンの肉詰め)。
ナバーラ州ピレネー山脈の麓に近い州都パンプローナ市郊外から、南のエブロ川右岸の平地まで広がり、バスク州、ラ・リオハ州、アラゴン州と接する。1950年代にロゼワインの輸出が成功し認知されるようになった。近年の固有品種ブームでガルナッチャを再評価し、高品質ワインの生産に取組んでいる。 北部は海洋性気候、南部は大陸性気候、中部は地中海性気候とひとつの州に多彩な気候がある。泥灰土や粘土質、シルト・ロームなど土壌は多様。生産量の60%は赤ワイン、30%はロゼワイン、9%は白ワイン、1%は甘口ワイン。 主要ブドウ品種は、白:Garnacha Blancaガルナッチャ・ブランカ、Viuraビウラ、Malvasíaマルバシア、Chardonnayシャルドネ、黒ブドウのTempranilloテンプラニーリョ、Garnachaガルナッチャ、Cabernet Sauvignonカベルネ・ソーヴィニヨン。 主要なD.O.ワイン、D.O.Navarra(赤、ロゼ、白、VDL)、他V.P.が3つ: Pago de Arínzano V.P.(赤、白)、Pago de Irache V.P.(赤のみ)、Pago de Otazu V.P.(赤、白)。 地方料理と食材はIdiazabalイディアサバルやRoncalロンカル(D.O.P.チーズ)。
アラゴン州ピレネー山脈の麓からメセタの東側まで広がり、州都はサラゴサ。サラゴサとテルエルなどにイスラム文化に影響を受けたムデハル様式の建築群(ユネスコ世界遺産登録)がある。農業は州全体の経済の4.3%であり、ワイン産業は協同組合が主導している。 夏は暑く乾燥し、冬は寒さが厳しい。土壌は石灰質。 2019年のD.O.委員会データによるとワイン生産量は1,176,137hl、ブドウ栽培面積は27,187ha。 主要ブドウ品種は、白:Viuraビウラ、Malvasíaマルバシア、黒:Garnachaガルナッチャ、Cariñenaカリニェナ。 地方料理と食材はJamon de Teruelハモン・デ・テルエル(D.O.P.認定のテルエルのハモン・セラーノ=生ハム)。 主要D.O.ワインは、D.O.Campo de Borjaカンポ・デ・ボルハ(赤、白)、D.O.Cariñenaカリニェナ(赤、白、ロゼ、泡、VDN、VDL)、D.O.Calatayudカラタユド(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Somontanoソモンターノ(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、Pago Aylés V.P.パゴ・アイレス(赤、ロゼ)。
バスク州スペイン北部、ピレネー山脈の西に位置し、北部はビスケー湾に面し、南部はエブロ川が流れ、スペインの中で最も経済が発展している州。 19世紀後半から20世紀初頭にかけ、リオハワインの輸出ふぁビルバオ港から行われていたこともあり、リオハの生産者にはビルバオの裕福な実業家が多い。 海岸沿いのなだらかな丘の斜面にあるブドウ畑は、風通しを良くするためにエンパラードと呼ばれる棚仕立てが主。 主要ブドウ品種は、白:Hondarrabi Zuriオンダラビ・スリ、黒:Hondarrabi Beltzaオンダラビ・ベルツァ。 地方料理と食材はMarmitakoマルミタコ(マグロとジャガイモの煮込み)、Pinchosピンチョス(楊枝で刺した一口つまみ)、Idiazabalイディアサバル(D.O.P.チーズ)。 主要なD.O.ワインはD.O.Chacolí de Getariaチャコリ・デ・ゲタリア(赤、白、ロゼ、泡、遅摘み甘口)、D.O.Chacolí de Bizkaiaチャコリ・デ・ビスカイア(赤、白、ロゼ、泡、遅摘み甘口)、D.O.Chacolí de Álavaチャコリ・デ・アラバ(赤、白、ロゼ、泡、遅摘み甘口)。
大西洋地方
ガリシア州スペイン北西部に位置し、南はポルトガルと、東はアストゥリアス州とカスティーリャ・イ・レオン州と接し、西から北は大西洋とカンタブリア海に面している。州都はサンティアゴ・デ・コンポステラで、ケルト文化の影響が今も色濃く残る。 9世紀にサンティアゴ(聖ヤコブ)の遺骸が発見され、サンティアゴ・デ・コンポステラはキリスト教三大聖地のひとつになった。 海洋性気候で年間を通して穏やかな気候であり、年間降水量も豊富である。土壌は変成岩と花崗岩が中心。 主要ブドウ品種は、白:Albariñoアルバリーニョ、Treixaduraトレイシャドーラ、Godelloゴデーリョ、黒:Mencíaメンシア。 地方料理と食材はPulpo a Feiraプルポ・ア・フェイラ(茹蛸とジャガイモに赤トウガラシとオリーヴオイルをかけた屋台料理)、Cardo Gallegoカルド・ガジェゴ(キャベツやジャガイモの入ったスープ)、Embanadaエンバナーダ(ひき肉や野菜、チーズなどを入れたパイ)。 主要D.O.ワインは、D.O.Rías Baixasリアス・バイシャス(白、赤、泡)、D.O.Valdeorrasバルデオラス(赤、白、泡)、D.O.Ribeira Sacraリベイラ・サクラ(赤、白)、D.O.Monterreiモンテレイ(赤、白)、D.O.Ribeiroリベイロ(赤、白)。
地中海地方
カタルーニャ州スペイン北東部、ピレネー山脈の南に位置し、州都はバルセロナ。 フェニキア人やギリシャ人がブドウ栽培をもたらし、ローマ帝国時代にワイン栽培が盛んになった。カバの大部分を生産する重要な産地。 沿岸部から中央盆地にかけては地中海性、より内陸では大陸性の影響を受けた地中海性、ピレネー山脈に近づくと山岳性気候となる。ブドウ畑は中央盆地にあるペネデス地方に多く、温暖な地中海性気候である。 主要ブドウ品種は、白:Macabeoマカベオ、Parelladaパレリャーダ、Xarel-loチャレッロ、黒:Garnachaガルナッチャ、Tempranilloテンプラニーリョ、Cariñenaカリニェナ、Monastrellモナストレル。 主要D.O.ワインは、D.O.Ca.Priorato(赤、白、ロゼ、へネロソ、VDL)、D.O.Penedés(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Montsat(赤、白、ロゼ、VDL)、D.O.Tarragona(赤、白、ロゼ、VDL)、D.O.Cataluña(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Costers del Segre(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Conca de Barberá (赤、白、ロゼ)、D.O.Terra Alta(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Empordà(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Alella(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Pla de Bages(赤、白、ロゼ、泡、VDL) 地方料理と食材はZarzuelaサルスエラ(魚介類の煮込み)、Pan con Tomateパン・コン・トマテ(トマトを塗りオリーブオイルをかけたパン)。
バレンシア州東は地中海、北はカタルーニャとアラゴン、西はカスティーリャ・ラ・マンチャ、南はムルシアの各州に接し、州都はバレンシア。 19世紀にオレンジや米などの農作物と共にワイン生産が盛んになり、ブドウ畑面積も拡大した。 地形はさまざまで、地中海性気候から内陸に行くと大陸性気候となる。 主要ブドウ品種は、白:Moscatel de Alejandríaモスカテル・デ・アレハンドリア、Airénアイレン、Macabeoマカベオ、黒:Bobalボバル、Monastrellモナストレル、Tempranilloテンプラニーリョ。 地方料理と食材はPaellaパエリャ(鶏、ウサギの肉、カタツムリ、トマト、パプリカなどの野菜を入れサフランで色付けし炊き込んだ米料理)、Turrónトゥロン(アラブ由来のアーモンド菓子)。 主要D.O.ワインは、D.O.Valemcia(赤、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Alicante(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Utiel-Requena(赤、白、ロゼ、泡、VDL)。
ムルシア州スペイン南東部、地中海に面しており、州都はムルシア。 カルタゴ人によってカルタへナの港に地中海交易の拠点が置かれた。 州の面積の65%が丘陵や産地で、地中海性気候、ヨーロッパ最大の海水湖マール・メノールがある。 主要ブドウ品種は、白:Airénアイレン、Mersegueraメルセゲラ、黒:Monastrellモナストレル。 地方料理と食材はArroz de Calasparraアロス・デ・カラスパラ(D.O.P.人種のカラスパラの米)、Paellaパエリャ(炊き込み米料理、様々な具材を入れるレシピあり)。 主要D.O.ワインは、D.O.Bullas(赤、白、ロゼ)、D.O.Yecla(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Jumillaフミーリャ(赤、白、ロゼ)。
内陸部地方
カスティーリャ・イ・レオン州スペイン一広大な面積を持ち、州都は定められていないがバリャドリッドに州政府と議会がある。州名のカスティーリャは「城」の意味。 大河のドゥエロ川がソリアの山中から西のポルトガル国境まで流れ、その川沿いに代表的ワイン産地がいくつかある。大陸性気候で春と秋が短く、「夏と冬しかない」と称されるほど。花崗岩質やスレートなどの土壌がある。 主要ブドウ品種は、白:Verdejoベルデホ、Godelloゴデーリョ、黒:Tempranilloテンプラニーリョ(Tinto Fino、Tinta del Pais、Tinta de Toro)。 地方料理と食材はCocido Maragatoコシード・マラガト(レオン地方の豆と豚肉の煮込み)、Cochinillo de Segoviaコチニーリョ・デ・セゴビア(セゴビアの子豚の丸焼き)、Queso Zamoranoケソ・サモラーノ(D.O.P.チーズ)。 主要D.O.ワインは、D.O.Ribera del Dueroリベラ・デル・ドゥエロ(赤、白、ロゼ)、D.O.Cigalesシガレス(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Ruedaルエダ(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Toroトロ(赤、白、ロゼ)、D.O.Bierzoビエルソ(赤、白、ロゼ)、D.O.Tierra de Leónティエラ・デ・レオン(赤、白、ロゼ)、D.O.Arlanzaアルランサ(赤、白、ロゼ)、D.O.Tierra del Vino de Zamoraティエラ・デル・ピノ・デ・サモラ(赤、白、ロゼ)、D.O.Arribesアリベス(赤、白、ロゼ)。
マドリッド州スペインの首都マドリッドがあるマドリッド県のみからなる自治州で、スペインのほぼ中央に位置する。スペイン王国誕生後、16世紀にマドリッドに王宮が置かれた。 主要ブドウ品種は、白:Arbilloアルビーリョ、黒:Tempranilloテンプラニーリョ、Garnachaガルナッチャ。 地方料理と食材はCocido Madrilenoコシード・マドリレーニョ(肉や腸詰類にひよこ豆を入れた煮込み)、Churrosチュロス(細長い揚げパン)。 主要D.O.ワインは、D.O.Vinos de Madridビノス・デ・マドリッド(赤、白、ロゼ、泡)。
カスティーリャ・ラ・マンチャ州スペインの中央から南に位置し、州都はトレド。「マンチャ」はアラビア語の「水のない土地」を意味し、ラ・マンチャ地方はマドリッドより南に広がるメセタ上の乾燥した大平原にある。 16世紀に小麦挽きのための風車小屋が建てられ、この風景を取り入れて当時の社会を描いたミゲル・デ・セルバンテスの「ドン・キホーテ」の名著が生まれた。 ブドウやオリーヴ、穀物などの農業が盛んで、一地方のブドウ栽培面積では世界最大であり、スペインのワイン生産量の49.3%を占める。 主要ブドウ品種は、白:Airénアイレン、Macabeoマカベオ、黒ブドウのCencibelセンシベル(Tempranillo)、Garnachaガルナッチャ。 地方料理と食材はPisto Manchegoピスト・マンチェゴ(野菜の煮込み)、Gachasガチャス(ベーコンやチョリソの細切れを入れアルモルタの粉を溶いて煮詰めた粥状の料理)、Sopa de Ajoソパ・デ・アホ(ニンニクと食べ残しのパンを炒め煮たスープ)、Queso Manchegoケソ・マンチェゴ(D.O.P.チーズ)。 主要D.O.ワインは、D.O.La Manchaラ・マンチャ(赤、白、ロゼ、泡)、D.O.Valdepeñasバルデペーニャス(赤、白、ロゼ)、その他のD.O.産地:Méntridaメントリダ(赤、白、ロゼ)、Mondéjarモンデーハル(赤、白、ロゼ)、Uclésウクレス(赤、白、ロゼ、泡)、Manchuelaマンチュエラ(赤、白、ロゼ)、Ribera del Júcarリベラ・デル・フーカル(赤、白、ロゼ)、Almansaアルマンサ(赤、白、ロゼ)。
エクストレマドゥーラ州スペイン南西部に位置し、西はポルトガルと接している。首都はメリダ。ローマ帝国時代にはルシタニアの属州にあり、大航海時代にはピサロ、コルテス、バルディビアなど大勢のコンキスタドール(植民地支配者)を輩出した。 デエサと呼ばれる広大な森林に放牧されるイベリコ豚などの養豚、オリーヴ、オリーヴ・オイルなどの農業以外に主たる産業がなく、スペインで最も貧しい州といわれる。 主要ブドウ品種は、白:Alarijeアラリヘ、Pardinaパルディーナ、黒:Garnachaガルナッチャ、Tempranillloテンプラニーリョ。 地方料理と食材はJamon Chorizo de Ibericoハモン/チョリソ・デ・イベリコ(イベリコ豚の生ハムやチョリソ類)、Torta del Casarトルタ・デル・カサル(D.O.P.チーズ)。 D.O.Ribera del Guadianaリベラ・デル・グアディアーナ(赤、白、ロゼ)が唯一のD.O.。
南部地方
アンダルシア州スペイン南部に位置し、南は地中海、ジブラルタル海峡を経て大西洋に面している。州都はセビーリャ。 紀元前1000年から文明が栄え、ローマ帝国植民地の後、ヴァンダル族支配時代にバンダルシア、イスラム時代にアル・アンダルスと呼ばれたのが、アンダルシアの由来といわれている。711年から約8世紀の間、イスラム王朝の支配を受け、1492年グラナダ陥落によりスペイン王国に統一。イスラムの影響が文化や言語にも色濃く残り、アルハンブラ宮殿などユネスコの世界遺産がある。 主要ブドウ品種は、白:Palominoパロミノ、Pedro Ximénezペドロ・ヒメネス、Moscatelモスカテル、黒:Garnachaガルナッチャ、Tempranilloテンプラニーリョ、フランス系品種。 地方料理と食材はGazpachoガスパチョ(トマトを主体にパン、キュウリ、ニンニク、オリーヴオイルとヴィネガーで作る夏の冷製スープ)、Pincho Morunoピンチョ・モルーノ(モロッコ風串焼き肉)。 主要D.O.ワインは、D.O.Condado de Huelvaコンダード・デ・ウエルバ(赤、白、VDL、へネロソ)、D.O.Jeres-Xérès- Sherry y Manzanilla-Sanlúcar de Barramedaへレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャ・サンルーカル・デ・バラメーダ(へネロソ)、D.O.Málagaマラガ(白、VDL)、D.O.Sierras de Málagaシエラス・デ・マラガ(赤、白、ロゼ)、D.O.Montilla Morilesモンティーリャ・モリーレス(白、へネロソ、VDL)、M.O.Granadaグラナダ(赤、白、泡、VDL)。
諸島
バレアレス諸島地中海西部、スペイン東岸の沖合に位置し、マヨルカ、メノルカ、イビサ、フォルメンテラの4島と小島や岩礁からなる。 ローマ帝国、ヴァンダル、ビザンチン、イスラム教徒などに支配され、中世にはアラゴン王国に属し、メノルカ島は18世紀にはイギリス領だった時代もある。本土のカタルーニャ文化の影響を受け、カタルーニャ語が用いられる。 主要ブドウ品種は、白:Mollモル、黒:Manto Negroマント・ネグロ。 地方料理と食材はCaldereta de Langostaカルデレタ・デ・ランゴスタ(ロブスターの煮込み)、Sobrasadaソブラサーダ(黒豚のソーセージ)、Cocaコカ(薄いピザ状のもの)。 主要D.O.ワインは、D.O.Binissalem-Mallorcaビニサレム-マヨルカ(赤、白、ロゼ、泡)、Pra i Llevantプラ・イ・リェバン(赤、白、ロゼ、泡、VDL)。
カナリア諸島スペイン本土から約1,000㎞、大西洋のモロッコ沖約100kmに浮かぶ。東側からランサローテ、フエルテベントゥーラ、グラン・カナリア、テネリフェ、ラ・ゴメラ、ラ・パルマ、エル・イエオの7つの島からなる。カナリアの語源はローマ人によってグラン・カナリア島が「犬の島」と呼ばれていたことにあり、また鳥のカナリアの原産地。 ブドウ栽培とワイン造りはフェニキア人やローマ人の時代から行われていたが、特にポルトガル人によって15世紀にテネリフェ島にブドウの木が植えられ、ブドウ栽培が広まったとされる。 カスティーリャ王国原産のリスタン・プリエトは、カナリア諸島を経由し、中南米へ運ばれ、チリではパイス、アルゼンチンではクリオージャ・チカ、メキシコやカリフォルニアではミッションと呼ばれるようになった。カナリア諸島ではフィロキセラの侵入がないため、接木せず自根のまま栽培されている。 主要ブドウ品種は、白:Marvasíaマルバシア、Moscatelモスカテル、Listán Blancoリスタン・ブランコ、黒:Listán Negroリスタン・ネグロ、Negramollネグラモル。 地方料理と食材はPapas Arrugadasパパス・アルガダス(塩茹でしたジャガイモ)、Mojo Picónモホ・ピコン(ニンニクとパプリカやクミン、柑橘類の果汁、オリーヴオイルで作る辛味のあるソース)、 Mojo Verdeモホ・ベルデ(モホ・ピコンにコリアンダーなどのハーブを加えたソース)。 主要D.O.ワインは、D.O.Lanzaroteランサローテ(赤、白、ロゼ、泡)、D.O.La Palmaラ・パルマ(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Tacorote-Acentejoタコロンテ・アセンテホ(赤、白、ロゼ、泡、VDL、VND)、D.O.Valle de la Orotavaバリェ・デ・ラ・オロタバ(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Ycoden-Daute-Isoraイコデン・ダウテ・イソーラ(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Abonaアボナ(赤)、D.O.Valle de Güímarバリェ・デ・グイーマル(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.El Hierroエル・イエロ(赤、白、ロゼ、泡、VDL)、D.O.Gran Canariaグラン・カナリア(赤、白)、D.O.La Gomeraラ・ゴメラ(赤、白、ロゼ、泡、VDL)。

スペインワインのD.O.P.およびD.O.Ca.、D.O.、V.P.、V.C.の各の品種は教本の表を見ながら地方別に覚えていきましょう。

《教本参照》

Cavaカバ


Cavaカバは瓶内二次発酵で生産されるスパークリングワインのD.O.で、カタルーニャ語の「洞窟」を意味しています。生産量の95%はカタルーニャ州に集中しており、その内85%が同州バルセロナ県サン・ドゥルニ・デ・ノヤで生産されています。

主要ブドウ品種は、白ブドウのMacabeoマカベオ、Xarel・loチャレッロ、Parelladaパレリャーダです。その他の認定品種に白ブドウのシャルドネなどの数品種があり、主要3品種主体で造られるワインのブレンドのカバに使用されています。2008年からピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールのカバが生産可能となりました。

熟成表示はレセルバ(瓶貯蔵・熟成期間15ヶ月以上)、グラン・レセルバ(瓶貯蔵・熟成期間30ヶ月以上)、カバ・デ・パラヘ・カリフィカード(瓶貯蔵・熟成期間36ヶ月以上)に分かれます。

Sherryシェリー


Sherryは、Andalucíaアンダルシア州Cádizカディス県のJerez de la Fronteraヘレス・デ・ラ・フロンテラとその周辺で生産される酒精強化ワイン(D.O. Jerez-Xérès-Sherry y Manzanilla-Sanlúcar de Barramedaヘレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャ・サンルーカル・デ・バラメーダ)です。Sherryの生産地域はMarco de Jerezと呼ばれ、9都市が含まれますが、シェリー三角地帯(トライアングル)を形成する3都市(Jerez de la Fronteraヘレス・デ・ラ・フロンテラ、Sanlúcar de Barramedaサンルーカル・デ・バラメーダ、El Puerto de Santa Maríaエル・プエルト・デ・サンタ・マリア)で熟成された製品だけが原産地呼称シェリーを名乗ることができます。

畑はなだらかな丘状で、大西洋から吹く低温高湿のポニエンテという風と、内陸から吹く高温低湿のレバテという風が、ブドウの成熟、ワインの熟成に影響しています。また、アルバリサという炭酸カルシウムの含有量が高い真っ白な土壌が特徴です。現在のように熟成タイプを規定する手段として酒精強化が使われ、クリアデラとソレラの熟成システムが確立されたのは、イギリスをはじめとする諸外国への輸出が盛んになった19世紀のことでした。2018年末現在、シェリーの市場は、国内市場が38%で最も大きく、次いでイギリス28%、オランダ14%、ドイツ6%となっています。

Sherryの主要品種は3つの白ブドウ品種のみで、その内約95%をパロミノが占めています。

・辛口:Palomino(Fino)パロミノ(・フィノ)

・甘口:Moscatelモスカテル、Pedro Ximénezペドロ・ヒメネス

製法
○辛口シェリー
パロミノを除梗破砕、搾汁、22~26℃で発酵し、アルコール11~12%の辛口ワインを造ります。11月末以降まで保持し、気温の低下と共に澱を沈ませ安定させます。その間にワインの表面に産膜酵母(Florフロール)が発生し、その状態で官能検査を行い、デリケートさのあるワインはフロールの膜のもとで酸化せずに熟成させるフィノへ、ボディがしっかりしたワインはフロールを消して酸化熟成させるオロロソへと、2つのグループに分類します。ピュアなグレープアルコールを使い、フィノは15%まで、オロロソは17%以上に酒精強化し、Sobretablaソブレタブラと呼ばれる、熟成システムに入るのを待つ状態に入ります。

○甘口シェリー
モスカテルとペドロ・ヒメネスという品種から造られる同名タイプのワインです。いずれもパロミノより糖度の高いブドウですが、さらに収穫後、1~2週間天日干しして水分を蒸発させて、果汁の糖度を上げます。果汁を搾り、発酵させ、途中で酒精強化して発酵を止め、ブドウ果汁が持つ天然の甘さを残します。これを辛口シェリーと同方式で樽熟させます。

熟成
熟成は600ℓ入りのアメリカン・オーク材の樽を使用し、新樽は使わず、修理しながら何十年も使用します。ワインは500ℓしか入れず、上部に空間を保ち、フィノの場合はフロールが膜を形成する表面積を確保し、オロロソの場合は酸化を促します。熟成は、クリアデラとソレラのシステム(Sistema de Criaderas y Solera)で行います。

タイプ

特別なカテゴリー
以下のカテゴリーはいずれも長期熟成期間を経たワイン認定であり、フロールのもとで熟成されるタイプには適用されず、統制委員会規定の条件に適合したワインのみが認定されます。

・熟成期間認定シェリーVinos de Vejez Calificada
平均熟成期間20年以上のものはVOS(英:Very Old Sherry)、平均熟成期間30年以上のものはVORS(英:Very O;d Rare Sherry)の認証を受けることができる。

・熟成年数表示シェリーVinos con Indicación de Edad
平均熟成期間12年のもの、もしくは15年のものも認証を受けることができる。

・シングルヴィンテージ・シェリーAñada
クリアデラとソレラのシステムの熟成ではなく、単一収穫年のワインを同じ樽で長期間熟成したもの。

ポルトガル

ポルトガルは、イベリア半島の西端に位置し、スペインと国境を接しています。国土は日本の約1/4、人口は日本の約1/10と比較的小さな共和制国家ですが、250種を超える固有品種やテロワールの違いによって個性豊かな様々なワインが生産されています。特に酒精強化ワインの銘産地で、ポートとマデイラはスペインのシェリーと共に世界三大酒精強化ワインと称されています。

ポルトガルには、ユネスコ認定の世界遺産に登録された自然遺産が1件、文化遺産が14件あります。オリーブ、小麦、ワインなどに代表される農業が主要産業の国で、特にコルクはポルトガルの主要な輸出製品の一つです。世界のコルクの約半分がポルトガルで生産されており、世界最大のコルクメーカー、アモリン社の拠点があります。

ポルトガルワインの歴史


ポルトガルワインの歴史は、紀元前600~500年頃にフェニキア人によって始まりました。8~11世紀までは、イスラム支配を受けてワイン造りは停滞しますが、ローマ教皇の裁定によりサモラ条約が結ばれた1143年にポルトガル王国が誕生し、この頃からポルトガルワインはイギリスに輸出されていました。

その後、大航海時代にエンリケ航海王子により海外進出が本格化し、アメリカ大陸の植民地化が進み、後のヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路発見はポルトガルに莫大な富をもたらしました。後に、ポルトガルは日本に到達し、日本との南蛮貿易が始まり、織田信長等の大名の保護のもと南蛮文化が栄えました。織田信長が好んで飲んだといわれる「珍陀酒(ちんたしゅ)」はポルトガルの赤ワインで、ヴィーニョ・ティントが珍陀に変わって伝わったといわれています。

1703年に英国との通商条約であるメシュエン条約が締結し、英国がポルトガルワインへの関税を引き下げたことで輸出が拡大します。その後、独立戦争などの影響で他国から孤立し、ワイン業界を取り巻く環境が他国に対して遅れていきましたが、この間に多くの固有品種が発達しました。その後、1986年にEU加盟を果たすとポルトガル復興政策としてワイン産業は莫大な投資を受け、急速に品質が向上しました。2000年代に入ると、世界的なコンペティションで上位に選出されるワインを数多く生み出しています。

ポルトガルの気候風土


ポルトガルは南北に560㎞、東西に160㎞と小さな国でありながら、多彩な気候や土壌を持ちます。北西部は比較的涼しい海洋性気候、南に下るにつれて温暖な地中海性気候の影響が強くなります。南北ともに西の海沿いから東の内陸にかけて乾燥した大陸性の気候に変化します。年間平均気温は北部の丘陵地帯で約10度、南部の平地では17.5度を超えます。

土壌は主に北部と内陸部が花崗岩や片岩、粘板岩で、南部と海岸では石灰質や粘土、砂質です。場所によっては沖積土や大理石、火山岩などもあり変化に富んでいます。

ポルトガルの主なブドウ品種


ポルトガルには250種を超える固有品種があり、1haあたりの固有品種数は世界最多です。白ブドウで最も多く栽培されているのがFernão Piresフェルナォン・ピレスで、Maria Gomesマリア・ゴメスの呼称でも知られています。その他、AlvarinhoアルヴァリーニョやLoureiroロウレイロ、Arintoアリントなどがあります。

黒ブドウでは、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナルがポルトガルを代表する品種です。その他に最近注目度が上がっているTouriga Francaトウリガ・フランカやTinta Rorizティンタ・ロリス、Bagaバガ、Castelãoカステラォンなどがあります。

ポルトガルのワイン法と品質分類


1986年のEU加盟に伴ってワイン法が整備され、原産地統制名称ワインD.O.C.と産地限定上質ワインI.P.R.、地理的生産地表示テーブルワインのVinho Regionalヴィーニョ・レジョナル、Vino de Mesaヴィーニョ・デ・メサの4階層が制定されました。その後、2008年のEUワイン法改訂に沿って、現在は原産地呼称保護D.O.P.と地理的表示保護I.G.P.、そして地理的表示のないVinhoヴィーニョの3つに区分されています。

また、D.O.C.ワインに使われる呼称として、アルコール度数が地域の法定最低度数より0.5%以上高いこと、ガラス瓶に詰められていること、官能検査を通過することなどの厳しい条件を満たしたワインには、Reservaを表記することができます。

ポルトガルの各生産地域とその特徴


ポルトガルのワイン産地は、北部、中部、南部、諸島に大別されます。それぞれの特徴を解説します。

北部
ミーニョポルトガル北西部に位置し、スペインとの国境となるミーニョ川一帯に広がる。ポルトガルのブドウ収穫量の1/8、栽培面積の14%を占める。現在ワインのブランド数は約2,000あり、ここ10年程で輸出量も約2.5倍に増えている。 西は大西洋の影響を受けた海洋性気候だが、北と東に高い山々があるためより大陸的な気候。サブリージョンによって気候や降水量は異なり、ワインのタイプやスタイルも多種多様。 主要ブドウ品種は、白:Alvarinhoアルヴァリーニョ、Avessoアヴェッソ、Arintoアリント、Azalアザル、Loureiroロウレイロ、Traijaduraトラジャドゥーラ、黒:Amaralアマラル、Alvarelhãoアルヴァレリャオン、Borraçalボラサル、Vinhãoヴィニャン。 地方料理や食材はCaldo Verdeカルド・ヴェルデ(刻んだケールとスモークソーセージのスープ)、Lampreiaランプレイア(ヤツメウナギ)。 主要なD.O.C.ワインはVinho Verdeヴィーニョ・ヴェルデ(赤、白、ロゼ)。
トランスモンターノミーニョ地方の東からスペイン国境との間に広がり、温泉やミネラルウォーターの源泉としても有名。 土壌は主に片岩だが花崗岩や石灰質も一部見られる。厳しい大陸性気候で、長く暑い夏の後、氷点下まで下がる酷寒の冬が来る。 主要ブドウ品種は、白:Côdega de Larinhoコーデガ・デ・ラリーニョ、Fernão Piresフォルナォン・ピレス、Gouveioゴウヴェイオ、Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、Rabigatoラビガト、Síriaシリア、Viosinhoヴィオジーニョ、黒ブドウのBastardoバスタルド、Tinta Rorizティンタ・ロリス、Touriga Francaトウリガ・フランカ、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル、Trincadeiraトリンカデイラ。 地方料理や食材はPorco Bísaroポルコ・ピザロ(豚の希少品種)、Alheiraアリェイラ(家禽類とパンのスモーク腸詰)。 主要なD.O.C.ワインはTras os Montesトラス・オス・モンテス(赤、白)。
デュリエンセポルトガルの中で際立って美しく、ブドウ栽培では類まれな環境条件をもつ。ポートの産地としか知られていなかったが、近年は酒精強化されていないドウロワインによって急速にその名声を築いている。 産地の範囲はドウロ川の上流100㎞のバルケイロスからスペイン国境に位置するバルカ・タルヴァまでのドウロ川流域。栽培地の約半分が勾配30度以上という急な斜面に段々畑が広がり、土壌は片岩や花崗岩が多く、大陸性気候である。 ポルトガル第2の都市ポルトは、ドウロ川河口に位置し、世界遺産に登録されている。 主要ブドウ品種は、白:Viosinhoヴィオジーニョ、Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、Gouveioゴウヴェイオ、Rabigatoラビガト、Esgana Cãoエスガーナ・カォン、黒:Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル、Tinta Rorizティンタ・ロリス、Touriga Francaトウリガ・フランカ、Tinta Barrocaティンタ・バロッカ、Tinta Cãoティンタ・カォン、Tinta Amarelaティンタ・アマレラ、Tinta Franciscaティンタ・フランシスカ、Sousãoソウザォン、Castelãoカステラォン。 地方料理や食材はPorco Bísaroポルコ・ピザロ(豚の希少品種)、Alheiraアリェイラ(腸詰)、Tripasトリパス(臓物の煮込み)。 主要なD.O.C.ワインはPortoポート(赤、白、ロゼ、トウニー)、Douroドウロ(赤、白、ロゼ)。
中部
テラス・デ・システルテラス・デ・システルは「シトー派の地」という意味で、シトー派の修道士達がワイン造りを始めたことに由来する。 大陸性気候で、土壌は花崗岩と片岩。平均標高が550mで、昼夜の気温差により、瓶内二次発酵によるスパークリングワインに適したブドウが産出される。 主要ブドウ品種は、白:Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、Cercialセルシアル、Gouveioゴウヴェイオ、黒:Aragonezアラゴネス、Tinta Barrocaティンタ・バロッカ、Touriga Francaトウリガ・フランカ、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル。 地方料理や食材はTrresmosトレズモ(脂肪の付いた豚の皮部分を素揚げしたもの)、Bolasボーラス(熟成生ハム、イワシ、干し鱈、Vinha d’Alhosなどをパン生地に挟んで焼いたスナック)。 主要なD.O.C.ワインは Távora-Varosaタヴォラ・ヴァローザ(泡)。
テラス・ド・ダォン  V.R.テラス・ド・ダォンは、ダォン北部、ラフォインス東部、D.O.CC.ダォン、D.O.C.ラフォインスをカバーしている。幅の狭い古い段々畑と石垣の伝統的なブドウ栽培地は、地方中部において世界遺産として保護されている。 大陸性気候で、秋と冬が低温のためワイン醸造に適している。土壌は花崗岩と片岩。 主要ブドウ品種は、白:Encruzadoエンクルザード、Bicalビカル、Cercial Brancoセルシアル・ブランコ、Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、黒:Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル、Alfrocheiroアルフロシェイロ、Jaenジャエン、Aragonezアラゴネス、Rufeteルフェッテ。 地方料理や食材はSopa da Beiraソッパ・ダ・ベイラ(野菜とスモークソーセージのスープ)、Arroz de patoアローシュ・デ・パト(米と鴨肉、その他の肉を重ねてローストした料理)。 主要なD.O.C.ワインはDãoダォン(赤、白)、Lafões ラフォインス(赤、白)。
ベイラ・アトランティコゴールデンビーチ南からモンテゴ川河口、フィゲイラ・ダ・フォスまで広がり、東はV.R.テラス・ダ・ベイラとの境界線となるゼゼレ川までの新たなV.R.エリア。 ポルトガル第3の都市コインブラは大学と結びついて発展してきた。コインブラ大学は、多くの政治化や文化人を輩出しており、大学として使用されているアルタ地区とソフィア地区は2013年に世界遺産に登録された。 ブサコ国立公園内にある宮殿ホテルでは、ダォンとバイラーダ産のワインを選び抜き、伝統的な手法で独自に熟成させており、古いヴィンテージのものはポルトガルの最もよいテーブルワインの1つとされている。 バイラーダは比較的湿度の高い穏やかな海洋性気候。粘土石灰質と砂質が主な土壌で、良質のワインを生みやすい。 主要ブドウ品種は、白:Maria Gomesマリア・ゴメス、Bicalビカル、Arintoアリント、Cercialセルシアル、黒:Bagaバガ、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル、Tinta Rorizティンタ・ロリス。 地方料理や食材はChanfanaシャンファーナ(子山羊か仔羊を赤ワインとニンニクで数時間蒸し煮した料理)、Migas  de Lousãミガス・デ・ロウザァ(豆、トウモロコシパンのフレーク、カブの輪切りを重ね、オリーブオイルをまぶした料理)。 主要なD.O.C.ワインはBairradaバイラーダ(赤、白、泡)。
テラス・デ・ベイラポルトガル本土で最も高いエストレーラ山脈の影響で、大陸性気候。日中高温だが、夜間の寒さがブドウの成熟を遅らせ、約700mに達する標高や花崗岩土壌とのコンビネーションにより、この地方独特のワインスタイルを形成している。 主要ブドウ品種は、白:Síriaシリア、Fonte Calフォンテ・カル、Malvasiaマルヴァジア、Fornão Piresフォルナォン・ピレス、黒:Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル、Alfrocheiroアルフロシェイロ、Tricadeiraトリンカデイラ、Touriga Francaトウリガ・フランカ、Rufeteルフェッテ、Bastardoバスタルド、Tinta Rorizティンタ・ロリス。 地方料理や食材はMorcelaモルセーラ(血の腸詰)、Farinheiraファリニェイラ(小麦粉を使った腸詰)。 主要なD.O.C.ワインはBeira Interiorベイラ・インテリオール(赤、白、ロゼ、泡)。
リスボン大西洋沿岸に広がる地域で、ポルトガルの中でも大規模な産地のひとつで、最も多くのD.O.C.を有する。 美しい山岳地帯で、全体として温暖な海洋性気候。モンテジュンド山脈より海側は海風によって清涼なブドウ畑が保たれている。 V.R.リスボンのエリアには4つの世界遺産がある。 主要ブドウ品種は、白:Arintoアリント、Fernão Piresフェルナォン・ピレス、Malvasiaマルヴァジア、Rabo de Ovelhaラーボ・デ・オヴェーリャ、Vitalヴィタル、黒:Aragonezアラゴネス、Castelãoカステラォン、Ramiscoラミスコ、Tinta Miúdaティンタ・ミウーダ、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル。 地方料理や食材はCaldeirada Rica de Peixeカルディラーダ・リカ・デ・ペイシュ(ブイヤベース)、Nozes de Cascaisノーゼス・デ・カスカイス(卵とアーモンドをカラメルでコーティングしたスイーツ)。 主要なD.O.C.ワインはAlenquerアレンケール(赤)、Arrudaアルーダ(赤)、Bucelasブセーラス(白)Carcavelosカルカヴェロス(色不明)、Colaresコラーレス(赤、白)、Encoatas d’Aireエンコスタス・ダイレ(赤、白)、Lourinhãロウリニャア(ブランデー)、Obidosオビドス(赤、白)、Torres Vedrasトーレス・ヴェドラス。
テージョテージョ川流域に広がる産地で、闘牛やポルトガル式レースの競走馬の産地としても有名。 D.O.C.テージョは、この地域をタグス川(テージョ川)が横切っていることから名づけられた。 主要ブドウ品種は、白:Fernão Piresフェルナォン・ピレス、Tringadeira-das-Pratasトリンガデイラ・ダス・プラッタス、黒:Aragonezアラゴネス、Castelãoカステラォン、Moretoモレット、Negra Molネグラ・モル、Rufeteルフェッテ。 地方料理や食材はSopa da Pedraソッパ・ダ・ペドラ(野菜、ニンニク、ジャガイモ、生ハム、腸詰などが入った具だくさんのスープ)、Magustoマグスト(パンとキャベツのソテー)、牛肉料理(闘牛の肉)。 主要なD.O.C.ワインはTejoテージョ。
南部
ペニンシュラ・デ・セトゥーバルテージョ川を挟んでリスボンと対岸にあるセトゥーバル半島は、行楽地としても親しまれている。 多様なスタイルのワインが、ポルトガル品種、国際品種を含め多くの品種から造られている。 大西洋の影響を受けた地中海性気候で温暖。平野は砂質、標高が上がると石灰質や粘土石灰質が主体の土壌となる。 主要ブドウ品種はセトゥーバルでは、白:Antão Vazアンタォン・ヴァース、Arintoアリント、Fernão Piresフェルナォン・ピレス、Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、Moscatel Galego Brancoモスカテル・ガレゴ・ブランコ、Moscatel de Setúbalモスカテル・デ・セトゥーバル、黒:Aragonezアラゴネス、Bastardoバスタルド、Castelãoカステラォン、Touriga Francaトウリガ・フランカ、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル、Trincadeiraトリンカデイラ、Moscatel Roxoモスカテル・ロッショ。 パルメラでは、白:Alvarinhoアルヴァリーニョ、Antão Vazアンタォン・ヴァース、Arintoアリント、Fernão Piresフェルナォン・ピレス、Loureiroロウレイロ、Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、Moscatel Galego Brancoモスカテル・ガレゴ・ブランコ、Moscatel de Setúbalモスカテル・デ・セトゥーバル、黒:Alicante Bouschetアリカンテ・ブーシェ、Aragonezアラゴネス、Bastardoバスタルド、Castelãoカステラォン、Tinta Miúdaティンタ・ミウーダ、Tinto Cãoティント・カォン、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル、Trincadeiraトリンカデイラ。 地方料理や食材はSardinhasサルデーニャス(鰯)、牡蠣、松の実。 主要なD.O.C.ワインはSetúbalセトゥーバル(赤、白)、Palmelaパルメラ(赤)。
アレンテジャーノテージョ川の向かい側という意味を持ち、ポルトガル南部の大部分を占め、赤ワインの重要な産地である。ブドウ栽培面積は地方全体のわずか5%。世界有数のコルク産地としても知られている。 大陸性気候と地中海性気候双方の影響を受けて、夏は高温である。土壌は花崗岩や片岩、石灰質、ピンク大理石など多様。気候や土壌は北部と南部とで大きく異なる。 主要ブドウ品種は、白:Arintoアリント、Antão Vazアンタォン・ヴァース、Roupeiroロウペイロ、Fernão Piresフェルナォン・ピレス、黒:Aragonezアラゴネス、Trincadeiraトリンカデイラ、Castelãoカステラォン、Alfrocheiroアルフロシェイロ、Alicante Bouschetアリカンテ・ブーシェ。 地方料理や食材はEncharcadaエンシャルカーダ(シロップに鶏卵そうめんを和えたシナモン風味のスイーツ)、黒豚。 主要なD.O.C.ワインはAlentejoアレンテージョ。
アルガルヴェD.O.C.は4つあるが、優れたワインはV.R.アルガルヴェを採用する傾向にある。現在の首都ファーロは、ポルトガルにおけるイスラム勢力が終焉を迎えた場所で、今もその影響が色濃く残る。 地中海性気候で、日照時間も長い。土壌は砂質や石灰質、粘土質など土壌は多様。 主要ブドウ品種は、白:Siriaシリア、Arintoアリント、Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、黒:Negra Moleネグラ・モール、Trincadeiraトリンカデイラ、Castelãoカステラォン。 地方料理や食材はCataplanaカタプラーナ(シーフード、肉、野菜を鍋に入れて密封加熱調理したもの)、Xerémシェレン(アラブ起源のトウモロコシ粉のおじや)。 主要なD.O.C.ワインはLagosラゴス、Portimãoポルティマン、Lagoaラゴア、Taviraタヴィラ。
諸島
テラス・マデイレンセスマデイラ諸島は、リスボンから南西に1,000㎞離れた大西洋上に浮かび、エンリケ航海王によって開発された楽園、マデイラ島を中心とした島々で構成されている。15世紀からワインは生産されており、18世紀になってから酒精強化が始まった。約4,000万年前から続く原生林が残っており、マデイラ島の照葉樹林は世界遺産に登録されている。 温暖で湿度の高い亜熱帯で、カビの被害が問題となる。降水量は海面に近い場所と標高の高い場所とで大きな差がある。土壌は玄武岩が主体。 主要ブドウ品種は、白:Verdeihoヴェルデーリョ、Malvasia Finaマルヴァジア・フィナ、Sercialセルシアル、Malvasiaマルヴァジア、Folgasãoフォルガザォン、黒:Bastardoバスタルド、Tinta Barrocaティンタ・バロッカ、Tinta Negraティンタ・ネグラ、Touriga Francesaトウリガ・フランセーザ、Touriga Nacionalトウリガ・ナショナル。 地方料理や食材はBolo do Cacoボーロ・ド・カッコ(サツマイモを含んだパン)、マグロ、タチウオ。 主要なD.O.C.ワインはMadeiraマデイラ(酒精強化)、Madeirenseマデイレンセ(白)。
アソーレス同緯度のリスボンから西へ1,500㎞離れた大西洋上に浮かぶ群島で、9つの島で成り立っている。V.R.アソーレスは、フレッシュな白ワインが大半を占め、ピコ島とテルセイラ島で多く生産される。ハイブリッド種からヴィーニョ・デ・シエイロというワインが造られ、地元の人に愛されている。 16世紀初頭からブドウ栽培が行われ、19世紀のブドウの病害によりハイブリッド種への植え替えが行われたが、1980~90年代に古典品種に再度植え直された。 緯度や湾流の影響を受け、一年を通じて穏やかな中大西洋気候。火山岩の土壌が主体。 主要ブドウ品種は、白:Arintoアリント、Verdelhoヴェルデーリョ、Terrantezテランテス、黒:Aragonezアラゴネス、Castelãoカステラォン、Rufeteルフェッテ、Saborinhoサボリーニョ。 地方料理や食材はTorresmosトレズモス(豚肉の皮部分をカリカリに揚げたスナック)、Queijo do Picoケイジョ・ド・ピコ(D.O.P.チーズ、牛乳、非加熱圧搾、ピコ島産)。 主要なD.O.C.ワインはGraciosaグラシオーザ、Biscoitosビスコイトス(酒精強化)、Picoピコ(酒精強化)。

各生産地の位置は教本の地図で確認しておきましょう。

《教本参照》

PortポートとMadeiraマデイラ


ポートはマデイラとともに世界三大酒精強化ワインで、ポルトガルを代表する特産品です。

Portポート

ポートの畑はカダストロと呼ばれる土地台帳に基づくポイント制度で分類され、最高ランクのA級から下級ランクのFまで6段階に区分けされています。

1926年以降、ワインはドウロ川の河口の町ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアで熟成され出荷される決まりになっていましたが、1986年にブドウ生産地で熟成し、出荷することが認められました。

ポートは、レッド・ポート(ルビータイプ、トウニータイプ)、ホワイト・ポート、ロゼポートに分類され、その中にいくつかのスペシャルタイプがあります。アルコール度数は19度から22度までに限定され、ホワイト・ポートのみ例外的に最低16.5度まで認められています。

Madeiraマデイラ

マデイラは、マデイラ島で作られる酒精強化ワインです。マデイラ島の海岸線は切り立った断崖で、ここを段々畑に開墾してブドウ栽培が行われています。マデイラのブドウはほとんどが急斜面にPoiosポイオスと呼ばれる石垣で形成された細い段々畑で栽培されており、Levadasレヴァダスと呼ばれる灌漑用水路によって山からの水を確保しています。

17世紀、アメリカ新大陸への航路上に位置したマデイラ島で積み込まれたワインは、赤道を横切る暑くて長い航海を終えると、特有のフレーヴァーを呈することが知られるようになりました。後に、ワインの一部を蒸留し、残りのワインに加えることで貯蔵効率とともに保存性を高め、島内で加熱する工程が開発され、長い航海で得られるのと同様の風味をもたらすことが出来るようになりました。この温めて熟成させる方法がマデイラの最大の特徴です。発酵途中に添加するグレープスピリッツのアルコール度数は96度で、出来上がるワインのアルコール度数は17~22度に限定されています。

マデイラは、Sercialセルシアル(比較的冷涼な地域で栽培。白品種。酸味を生かした華やかな辛口)、Verdelhoヴェルデーリョ(涼しい北部地域で栽培。白品種。味わい豊かな中辛口)、Boalボアル(南部地域で栽培。白品種。芳醇な中甘口)、Malvasiaマルヴァジア(海岸沿いの暑い地域で栽培。白品種。濃縮感のあるリッチな味わいの甘口)、Tinta Negra Moleティンタ・ネグラ・モーレ(島のほとんどの地域で栽培され、収穫量の80%を占める。黒品種。3年熟成タイプに多く用いられ、ブレンドされることも多い。辛口から甘口まで。)、Terrantezテランテス(生産量が極めて少ない白品種。繊細で、ヴェルデーリョとボアルの中間タイプ。)の6タイプに分かれます。

河野ゆみこ

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ことばワークス代表。  建築インテリア・ライフスタイル・起業経営・地域情報などのテーマを中心に、紙媒体・WEB媒体の各種コンテンツや電子書籍原稿の執筆、取材...

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