2023年「父の日」に贈りたいワインギフト
5月の「母の日」に続いて、まもなく「父の日」がやって来ます。2023年の父の日は、6月18日の日曜日。ワイン好きの方はもちろん、普段はあまり飲まないけれどもこの機会にトライしたいという方にも、ぜひ楽しんでいただきたいワインギフトをご紹介します。お父さんの好きなワイン、そして、家族で楽しめるワインは、どんなものでしょう?
【今年の父の日はいつ?】
「父の日」は、毎年6月の第3日曜日に設けられています。2023年の父の日は6月18日(日)です。
そもそも父の日は、20世紀初め、アメリカ西海岸に住むドッド夫人が、男手一つで自分を育ててくれた父ウィリアムを称えて、教会で特別に礼拝をお願いしたことが始まりといわれています。
南北戦争に従軍した父不在の間、6人きょうだいの子育てをしながら家庭を支えた母は、過労で亡くなってしまいます。無事復員した父は、再婚もせず、子供のために家事に仕事に一人奔走し、6人全員が成人するのを見届けてから息をひきとりました。
そんな父の愛に包まれて育った末娘のドッドは、父への感謝の気持ちを込めて、ウィリアムの誕生月にあたる6月に「父の日」を提案しました。そして、彼女が、父の好きだったバラの花を墓前に供えたことから、アメリカでは、父の日に感謝の意味を込めてバラを贈る習慣が定着しました。
なお、イタリアやスペインなどのカトリック諸国では、3月19日の「聖ヨセフ(キリストの父)の日」を「父の日」としています。
【父の日ギフトになぜワインをおすすめするのでしょう?】
日本最大級のオンラインギフトサービスを運営する株式会社ギフトモールの調査(子供がいる40~69歳の既婚男性162人が対象)によると、父の日に最も欲しいギフトの1位は「お酒・ビール」。27.5%、即ち4人に1人以上のお父さんがお酒を挙げています。
「子供も独立したので、一緒にお酒を飲みたいから」とか、「日々の疲れを癒すために欠かせないから」などの声が上がっています。
他の調査でも、お酒は常に上位にランクイン。贈って間違いのない、父の日の定番ギフトといえるでしょう。そんなお酒をギフトに選ぶなら、普段とはちょっと違うスペシャルなものを選んでみてはいかがでしょうか。
【おすすめのワインとシャンパン15選】
では、どんなワインやシャンパンをギフトに選べばよいのでしょうか。お父さんの好みやタイプ別に、スペシャル感を演出できるおすすめを挙げてみました。
★旅行が好きなアクティブなお父さんに
コロナ禍で海外旅行は思うようにできませんが、異国のワインを味わって、旅気分を楽しんでもらいましょう。近年急速に実力を伸ばしている旧東欧系のワインがおすすめです。クロアチア、チェコ、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアの5か国からご紹介します。長い歴史をもち、その土地ならではの土着ブドウの味わいを生かしたワインが多く、お父さんも興味をもってくれるはずです。
《クロアチアから》
イロチュキ・ポドゥルミ / グラシェヴィーナ・セレクテッド
スパイシーさがアクセントの辛口白。魚介類によく合います。
イロチュキ・ポドゥルミ / カピストゥラニ・ツルニ・セレクテッド
綺麗な赤い果実の旨味が濁らずに凝縮。タンニンも なめらかで絹のような舌触り。上品なクロアチアの赤ワインです。ソーセージなど肉料理向き。
《チェコから》
ジョージ・ウヘレク ネロネット2018
豊かな果実味にチョコレートの味わいが加わった赤。牛肉の煮込み料理に合いそう。
《ポーランドから》
アドリア・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール
ワイナリー当主はこの地にほれ込んだ米国人。栽培北限地のクリーンなピノをお試しあれ。
《ハンガリーから》
パンノンハルミ・アパーチャーギ・ピンツェーセト パンノンハルミ・トリコリシュ・ホワイト
世界遺産の修道院周辺の素晴らしい自然環境の中で造られるリッチな味わいの辛口白。郷土のパプリカ料理を用意して旅の気分を盛り上げましょう。
《ルーマニアから》
ドメーニレ・サハティーニ ラ・ヴィ・ピノ・グリージョ
フレッシュで優しい飲み口の白。
★トレンドに敏感なダンディなお父さんに
無農薬、無化学肥料で、ワイナリーの周辺を含めた環境保全に配慮したナチュラル・ワインが市場にたくさん登場しています。
ラ・マリオーザ ウニ2017
イタリア・トスカーナ産。収穫した果実をほとんど潰さずに、自然の酵母の力で発酵させています。ジュワ―と広がる旨味が特徴。
ファットリア・ディ・ピアッツァーノ / ヴィン・サント・ビアンコ・デッレ・エンポレーゼ・DOC
★「好物はスイーツ」というお茶目なお父さんに。スイーツと相性の良い甘口ワインは、特別感があります。
イタリア・トスカーナ産。陰干ししたブドウを地元産のクリ材の樽で熟成させた極甘口。焼き菓子と一緒にどうぞ。
ヴィンツェレール / フィズィ・ミシュカ
★家族でわいわい盛り上がるのが一番という家族思いなお父さんに
国内では珍しい、ハンガリーのスパークリングワイン。スグリのような赤い果実とベリー系の甘い香り。ふんわりと口に広がる果実の甘みとキレのある酸。柔らかな泡の辛口の仕上がりです。
このワインを考案した醸造を手がけるティボル氏の兄弟が描かれています。食前酒はもちろん、豚や鶏肉などのお肉料理などと食中にも楽しまれています。
ロドリゲス・サンソ / トラス・ラ・イェスカ [2021]
ビオディナミ農法により葡萄の樹本来に活力と耐性が備わる事が判明し、数年に渡り転換作業を行ってきた事で、立枯病が治まったそうです。 自然の原点に立ち返り葡萄の自然治癒力に着目した彼は、化学的な措置を施さず、葡萄の健全化を図ったことで、この病気への耐性が葡萄樹自体に自然に備わったといいます。 このワインは、こうした背景を持つ畑の葡萄により造られ、イェスカを克服した健全な葡萄へのリスペクトの念を込め、「Tras la YESCA(イェスカの後)」という名の下に生み出されました。
農業工学技術者であり土壌分析の専門家である彼は、近代醸造研究では第一線の研究機関であるデイビス校スペインで、土壌分析装置の開発を中心となって行っていたこともあり、土壌分析と畑のマネージメントとをつなげるスペシャリスト。
健康に気遣うワイン好きのお父様に土からこだわるオーガニックのワインを。
このラベルにお父様がそっくりな方に是非!
カールユング メルロー
ノンアルコールワインを造って100年以上のドイツの老舗。タンニンもきちんと感じられ本物のワインに近い味わいで、リピーターも多いそう。
【感謝の気持ちを伝えましょう】
ワインギフトを贈る時には、感謝の気持ちを一言添えるとよいでしょう。普段なんとなく照れくさくて口にできなかった「ありがとう」という言葉も、メッセージカードを使えば素直に伝えられます。
メッセージカードはあなただけのスペシャル感があって、お父さんが感激すること、間違いありません。手元に残るので何度も見返し、宝物にするお父さんもいるでしょう。時間があれば、メッセージカードを手作りしてみるのもステキです。
メッセージを作る際は、お父さんへの感謝や尊敬の気持ち、自分の近況、今後のことなど、ポイントを絞って短く簡潔にまとめるといいですよ。
「ありがとう」「感謝しています」「心から尊敬しています」「大好き」「ゆっくり一緒に飲みましょう」「いつまでも元気で」「これからもよろしく」「お母さんと仲良くね」などの言葉を織り交ぜて、オリジナルなメッセージカードにしましょう。
【まとめ】
コロナ禍でなかなか会えない時だからこそ、父の日には、ギフトと共に、お父さんに感謝の気持ちを伝えましょう。
ライター 永峰 好美
新聞記者出身のライター/シニアワインエキスパート。80年代後半、取材で訪れたパリの「トゥール・ジャルダン」で、フランス人招待主が分厚いワインリストを手にソムリエと楽しそうに会話して選んだワインがとてつもなく美味しかったことが、ワインにはまるきっかけに。2020年末までギリシャ大使の夫に伴い、アテネ在住。宴席のワイン・日本酒セレクションの担当も。ワインを通してつながるご縁を大切にしていきたいです。