ワインのおつまみにぴったりな缶詰をソムリエが厳選しました

日本人のこだわりがこもったワインにあう缶詰をソムリエが厳選。赤ワイン、白ワイン、スパークリングに合わせたそれぞれの缶詰を紹介します。缶詰が買えるネットショップや、缶詰に一手間加えて劇的に美味しくなるアレンジ方法も紹介。
目次
1.定番の缶詰に合わせるワインを紹介
2.赤ワインのおつまみになる缶詰
3.白ワインのおつまみになる缶詰
4.スパークリングワインに合わせる缶詰
5.ワインに合う缶詰のアレンジレシピ
6.缶詰専門店5選
定番の缶詰に合わせるワインを紹介
10年ほど前から缶詰のグルメ化が止まりません。ワインをはじめとするお酒にぴったりの「おつまみ缶詰」も登場して、その進化は留まるところを知りません。進化するグルメ缶詰の中でもおなじみの定番缶詰が存在します。この章では不動の定番缶詰とそれに合うワインをご紹介します。
サバ缶×ワイン

カルシウムが豊富で骨まで丸ごと食べられることから、栄養面からも人気のサバ缶。バリエーションとしては水煮、味噌煮、蒲焼き、オイル漬け、カレー味などがあります。定番の水煮に合わせたいワインは、ヴェルメンティーノを使用した白ワイン。かんきつ類やハーブのような爽やかさな香りと、ナッツのようなふくよかさを持ちあわせたワインを生み出すブドウ品種です。サバ独特の魚臭さを打ち消してくれます。海に囲まれたフランス・コルシカ島、イタリア・サルディーニャ島産のワインがおすすめです。
イワシ缶×ワイン

魚の缶詰はとれたて新鮮な魚を調理して缶に詰め、高温で殺菌することで製品にします。イワシといえば新鮮さが重要視される魚。そんなイワシ缶の定番といえばオイルサーディンの名前で知られるオイル漬け。合わせたいワインは海沿いのスペイン西部リアス・バイシャス産のアルバリーニョの白ワイン。どことなく海の印象をもったワインをイワシに合わせてみましょう。
カニ缶×ワイン

あらかじめほぐしてあるので、缶詰を開けた瞬間から楽しめるカニ缶の水煮。カニの甘い香りが食欲をそそります。カニ缶に合わせたいのは南アフリカのシュナン・ブラン。辛口でもどことなく甘みを感じる果実味がカニの旨味を引き立ててくれます。
焼き鳥缶×ワイン

炭火で焼いた焼き鳥のおいしさが缶詰で味わえるとは何とも不思議なものです。ガーリックペッパーや塩、レモン味と様々な味の焼き鳥缶が世に出回っていますが、一番人気は定番のタレ。鳥のゼラチン質がタレと相まってゼリー状に旨味が凝縮しているのはたまりません。合わせたいワインはフランス・ボージョレ地区のムーラン・ナヴァン。ガメイのもつ生き生きとしたベリーのような果実味とうまくマッチします。
ホタテ缶×ワイン

ホタテ水煮は身だけではなく、漬かっていた汁も活用したい缶詰。応用レシピがたくさん思いつきます。合わせたいワインオーストラリアのシャルドネ。比較的涼しいジーロングや西部のマーガレットリヴァーのものが良質でおすすめです。
サンマの蒲焼き缶×ワイン

サンマ自体は脂ものってしっかりとした肉質。合わせたいワインもしっかりめだけれど、魚の風味を生かすことができるものを選びましょう。おすすめはオーストリアのブラウフレンキッシュを使用した赤ワイン。カシスやベリーを凝縮させたような果実味と、黒胡椒やクローブといった力強い香辛料のニュアンスも感じられ好相性です。
赤ワインのおつまみになる缶詰

味付けのしっかりとした缶詰には、赤ワインにぴったりのおつまみになるものがたくさんあります。この章では赤ワインのおつまみになる缶詰について解説します。
ミートソース缶

パスタのソースとしておなじみミートソース缶です。パスタだけではなく、パンやクラッカーを用意するだけで簡単おつまみに変身。ディップしていただきましょう。おすすめのワインはイタリア・トスカーナのサンジョベーゼを使用したワイン。テーブルワインクラスのものを少し冷やしても気軽に飲むのもいいですね。心地よい酸味がトマトソースと、軽やかな果実味がひき肉とマッチします。
牛肉のしぐれ煮缶

白ご飯が食べたくなる缶詰の代表格、牛肉のしぐれ煮缶。醤油とショウガでしっかりと味付けされたこの缶詰はシラーを使用した赤ワインに合わせてみましょう。おすすめはフランス・ローヌ地方北部のシラー100%のサンジョセフやクローズ・エルミタージュ。スパイシーさもありつつエレガントさも残された繊細な和食に合う赤ワインです。
ウナギの蒲焼缶

もう一つ赤ワインに合う和食缶詰を。ウナギの蒲焼缶です。初めはそのまま、次にご飯に混ぜてひつまぶしに。最後には出汁をかけてお茶漬け風にしていただきましょう。三度おいしいウナギの蒲焼に合わせたいのは、フランス・南西地方のマルベックを使用したカオール。別名黒ワインと呼ばれるほどしっかりとした色合いで、ウナギ独特の風味や山椒にも好相性です。
ミックスオリーブ缶

手軽なおつまみとしてすでによく知られているオリーブ。グリーンオリーブ、ブラックオリーブ、唐辛子入りなど様々な味が楽しめます。またオリーブ缶を選ぶときは、産地と品種にも注目してみましょう。イタリア産、スペイン産、ギリシャ産とそれぞれの個性があることに気づかされます。合わせたいワインはギリシャのアギオルギティコを使用した赤ワイン。美しい深紅色を呈して、赤い果実味が凝縮したフルーティーなワインです。
おでん缶

和食缶詰でオススメしたいのは、おでんの缶詰。自動販売機でも販売されていて、かつて話題になったこともありましたね。おでんに合わせたいのは、オーストリアのツヴァイゲルト種を使用した、ボディ軽めのフルーティーな-赤ワイン。酸もタンニンも控えめであっさりとしており、出汁がきいたおでんにオススメです。
イナゴ甘露煮缶
イナゴ、と聞いてびっくりするかもしれません。しかし実際に食べてみると甘露煮の味でうまく調理されており臭みもありません。見た目にはびっくりしますが美味しいおつまみとなります。合わせたいワインはチリのカベルネ・ソーヴィニヨンのワイン。チリワインの特徴である味がしっかりとしていながらも親しみやすく飲みやすいところが、シャクシャクとイナゴを食べるのにマッチしますよ。
白ワインのおつまみになる缶詰

白ワインに合わせるおつまみ缶詰を探すときは、薄めの色合いの食材や味付けのものを探してみましょう。色のトーンでワインを選ぶのも一つのコツです。この章では白ワインにあるおつまみ缶詰について解説します。
コーン缶

食材として親しまれているコーン缶ですが、開けてすぐに手軽に楽しめるおつまみとなります。合わせたいワインはチリのシャルドネの白ワイン。ラベルにレゼルヴァやグランレゼルヴァの表記がある、比較的長期間熟成させた樽の風味がきいているものがコーンのうまみにマッチします。
なめこ缶

ヌルヌルとした触感が魅力的ななめこ。旨味がたっぷりで白ご飯があると食が進みますね。一緒に合わせたいワインはフランス・アルザスのピノ・グリを使用した白ワイン。アルザスのピノ・グリはほんのりと甘みが感じられ、黒ブドウであるピノ・ノワールが親戚であることを思い出させるようなボディの強さもあるので、なめこがもつ旨味と触感によく合います。
クラムチャウダー缶

アサリが入ったクラムチャウダー缶は温めていただくと、身体が温まる手ごろなおつまみとなります。合わせたいワインがアメリカ・カリフォルニアのシャルドネ。カテゴリーとして2000円くらいのカジュアルに飲めるシャルドネを選びましょう。程よくきいた樽熟の影響によるふくよかさが好相性です。
ウィンナー缶

ウィンナー缶は生産国もメーカーも多く選ぶのに悩ましいところです。日本産のウィンナー缶も多いですが、ワインに合わせるとしたら外国産のものを選んでみましょう。お勧めはウィンナー王国ドイツ産のもの。白いソーセージとして有名なヴァイスブルストはいかがでしょうか。合わせたいワインは同じくドイツのミュラー・トゥルガウのワイン。癖がなく飲みやすいのが特徴で、気軽なワインタイムにオススメです。
グリーンカレー缶

タイ料理の代表格、グリーンカレーも缶詰で人気の一品です。ココナッツミルクとナンプラー、唐辛子がきいた独特の味わいに負けないワインを合わせましょう。お勧めは南アフリカのシュナン・ブランを使用したやや甘口タイプ。辛口タイプも作られていますが、甘みがあるほうがココナッツミルクの甘みとマッチします。またシュナン・ブランのもつ柑橘類のニュアンスがグリーンカレーに使用されるコブミカンの葉の印象とマッチます。
エビみそ缶

日本酒を合わせたいところですが、ここはワインを合わせてみましょう。オススメはフランス・アルザスのリースリング。エビみその凝縮されたうまみと独特の風味が、アルザスのリースリングの特徴であるオイルのようなぺトロール香と不思議な相性を見せてくれます。
洋ナシ缶

ワインに合わせたいおつまみはお食事のような一品だけではありません。フルーツを甘いシロップで漬けたフルーツ缶もまたワインに合うおつまみなのです。甘口の白ワインで合わせたいのは洋ナシの缶詰。産地はハンガリーのトカイがいいですね。甘さの強いプットニョスの表記があるものではなく、自然な甘みと酸味が残された甘口タイプのソモロドニがオススメです。
スパークリングワインに合わせる缶詰

スパークリングワインは合わせる食材の守備範囲が広いです。バリエーション豊富なおつまみ缶詰とワインをご紹介します。
アヒージョ缶

鳥肉、キノコ、アサリ、牡蠣と種類豊富なアヒージョ缶詰は、いかに人気が高いかが分かりますね。アヒージョはオイリーな後味が気になるところですが、スパークリングワインの泡がお口の中をさっぱりとしてくれます。オススメはチリ産のスパークリングワイン。シャルドネとピノ・ノワールを使用してシャンパーニュ製法で造られた、質は高くても価格が手ごろなものが気軽に飲めます。
ガパオチキンバジル缶

タイ人のソウルフード、ガパオ。さわやかなバジルが食欲を誘います。合わせたいのはイタリアのプロセッコ。グレーラから生まれる爽やかな風味がバジルや唐辛子とマッチします。実際にタイ本国でもプロセッコはタイ料理に合わせるのに人気です。
いぶりがっこ缶

秋田の名産品、いぶりがっこ。大根を燻製にした漬物です。噛めば噛むほど旨味が出てきます。オススメしたいのはスパークリングワインの筆頭に上がるフランスのシャンパーニュ。燻製の力強い味に合わせて、飲みごたえがある黒ブドウを多めに使用したシャンパーニュを選んでみましょう。
タイのエビチップ缶

またもや登場のタイ産おつまみ。今回はエビでできた揚げチップです。サクサクと繊細なため缶に入れられて販売されているんですよ。合わせたいワインは南フランスのロゼスパークリングワイン。エビと色合いを合わせて桜色のスパークリングワインを合わせてみましょう。サクサクとした触感のチップと相性抜群です。
デニッシュ缶

パンもまた缶に入って売られています。開けてトーストし、バターがしみ出て、じゅわっとしたところをスパークリングワインと合わせてみましょう。オススメはフランスのクレマン・ドブルゴーニュやクレマン・ド・ボルドー。ブルゴーニュもボルドーもスティルワイン(泡のないいわゆる普通のワイン)が有名ですが、高品質のスパークリングワインも造られています。
あんみつ缶

スイーツに合うスパークリングワインももちろんあります。合わせたいのは同じく甘口のスパークリングワイン。あんみつに入っている様々な素材をまるっとまとめてくれるのは、日本生まれのマスカットを使用したスパークリングワイン。岡山県産のものが質が高くオススメです。
ダークチェリー缶

ダークチェリーにスパークリングワイン?あまり合わなさそうな印象を受けるかもしれませんが、実は合うものがあるのです。それは赤のスパークリングワイン。オーストラリアではシラーズを使用したやや甘口の赤スパークリングワインが造られていて、ブルーベリーやチェリーの印象がマッチします。
ワインに合う缶詰のアレンジレシピ

開けただけで簡単に楽しめる缶詰は、応用レシピもたくさんあります。この章では簡単にできる缶詰アレンジレシピをご紹介します。
サバ缶のフリット

サバ缶の水煮をボリュームアップさせましょう。
材料
・サバ水煮缶
・ニンニク
・醤油
・片栗粉
ニンニクを小さく刻んで醤油と混ぜ、片栗粉をまぶしたら油で揚げます。カリっと揚げてよく冷えたスパークリングワインを合わせましょう。お好みでヴィネガーにつけると南蛮漬け風が楽しめて、また違った表情が楽しめます。
イワシ缶を使ったアレンジレシピ

イワシの水煮缶を使って簡単につみれを造りましょう。
材料
・イワシ水煮缶
・ショウガ
・ネギ
・醤油
イワシの水気を切り、つぶしたら、刻んだショウガとネギ、醤油とよく混ぜます。味が足りない時は塩をひとふり。沸騰したお湯に入れてゆでてもよし、だし汁に入れてつみれ汁にしてもよし、鍋に入れてもいいですね。油で揚げたら簡単じゃこ天も楽しめます。合わせたいワインはポルトガルの白ワイン、ヴィーニョヴェルデ。さわやかな飲み口で魚介との相性抜群です。
ホタテ缶を使ったアレンジレシピ

ホタテ缶を使って簡単に炊き込みご飯を作りましょう。
材料
・ホタテ缶
・白米
・醤油
ホタテ缶は一緒に入っている汁も旨味が出ていて、捨てずに一緒にご飯と一緒に炊き込みます。難しいレシピは不要。普段、ご飯を炊くようにホタテ缶、しょう油を足すだけで簡単に炊き込みご飯が出来上がります。ボリュームが足りないと思ったら、お好みでキノコを入れてもいいですね。合わせたいワインはイタリア・アブルッツォ州のモンテプルチアーノを使用した赤ワイン。ミディアムボディで軽やかにホタテご飯にしみ込んだ旨味と醤油がマッチします。
ホワイトアスパラ缶を使ったアレンジレシピ

ホワイトアスパラ缶を使って簡単に卵サラダを造りましょう。
材料
・ホワイトアスパラ缶
・マヨネーズ
・ヴィネガー(好みで)
・好みのサラダ用リーフ
ホワイトアスパラとよく一緒に楽しまれるのが卵のソース、オランデーズソース。卵とバターとレモン汁で造られるソースです。ただし、丁寧にソースを作るのは大変なので簡単にマヨネーズで代用しましょう。サラダは簡単にホワイトアスパラをグリーンサラダに盛ってマヨネーズを添えるだけ。マヨネーズが甘く感じるようであれば好みでヴィネガー、または黒コショウや塩を加えましょう。ワインとの相性度が増します。オススメのワインはオーストリアのグリューナー・フェルトリナー。心地よい酸味もあり、どことなく感じるアスパラの土っぽっさとマッチしてくれます。
缶詰専門店5選
今や全国中に広がっている缶詰ブーム。もうブームではなく一つのおつまみの選択肢になっていますね。種類豊富な缶詰を手に取ってワインとの相性を考えながら購入するのも楽しみ方の一つです。この章では缶詰を購入できる専門店をご紹介します。
mr.kanso 本店
全国展開する缶詰専門バーの本店です。所狭しと缶詰が並べられています。「専用の棚から好きな缶詰を選んでカウンターでお酒を注文」という何ともシンプルな利用方法。お酒の種類の多さも見逃せません。店頭での購入も可能です。
〒550-0015
大阪府大阪市西区南堀江1丁目5−26
TEL 06-6536-1333
ROJI日本橋
国内屈指の食品製造・卸販売業を営む国分株式会社が手掛ける缶詰専門店。本社に併設され、自社が手掛ける缶詰や産地限定こだわりの缶詰に出会えます。
〒103-8241
東京都中央区日本橋1-1-1
TEL 03-3276-4162
ひとかん京都本店
京都発の高級缶詰専門店です。パッケージも京都をほうふつとさせるもので手土産やお土産にもオススメです。
〒604-8035
京都府京都市中京区桜之町430-5
(寺町通六角下る)
TEL 075-746-3936
明治屋京橋ストアー
高級食材スーパーの明治屋では自社製造の缶詰も多く、スーパー店頭では多くの缶詰を取り扱っています。ワインも充実した店舗なので、缶詰に合うワインを聞いて一緒に購入できるのもいいですね。
〒104-8302
東京都中央区京橋2-2-8
TEL 03-3271-1134
魚類・肉類・フルーツなどなど、数多くの食品が缶詰となって販売されております。お気に入りの缶詰を大人買い♪味に飽きたらアレンジレシピでもう一杯。
今夜もおいしいワインが飲めそうです。