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ヌーボーだけじゃない!秋に楽しむ世界の新酒

トピックス

毎年特に日本ではワインラバーをにぎわせている、フランス ボジョレー地方の新酒「ボジョレー・ヌーボー」。新酒はヌーボーだけじゃない!秋にはワインやその他さまざまな新酒が出回ります。でも世界にはどんな新酒があるのでしょうか?

新酒とは

新酒とはその土地ごとで造られた最も新しいお酒のことを指します。

ワインでいえばボジョレーヌーボー、日本なら日本酒などです。

世界にはさまざまなお酒があり、国によって出荷時期や定義など大きな違いがあります。

日本の新酒はワインと定義が違う?

新酒の定義は国ごとに決まっています。

日本の新酒の定義とワインの定義にどのような違いがあるのでしょうか。

ここではそれぞれの新酒の定義についてご紹介します。

日本の新酒の定義

日本の新酒の定義は毎年7/1~翌年6月30日の酒造年度内に醸造されたものを指し、年度内に出荷されたものに関しては全て新酒に当たります。

また日本の新酒は定義があいまいな部分もあり「年度内に取れた米で一番に作られたお酒である」や「醸造してから火入れを行っていないお酒。またその年度に取れた米で醸造して、春に出荷するお酒のこと」などがあります。

ワインの新酒の定義

ワインの新酒といえばボジョレーヌーボーと考える方がほとんどなのではないでしょうか。

ボジョレーヌーボーはフランスのブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区で作られた新酒のことです。

他のワインとは醸造法が違っており、ブドウは潰さずに専用のタンクに投入し発酵させる「マセラシオン・カルボニック法」という製造方法を用いています。

タンクに大量のブドウを入れてブドウの重みだけで果汁を溜め自然発酵を起こし、炭酸ガスがタンク内に充満します。

炭酸ガスが充満したタンクの上部には潰れていないブドウが残っていますが、発生したリンゴ酸によって少しづつ分解されアルコールが生成されます。

使用されるブドウ品種は赤ワインであればガメイ、白ワインであればシャルドネの使用とAOCによって定められています。

赤ワインにはピノノワールの使用も認められていますが、現在はほとんど使用されることはありません。

世界の新酒と解禁日

ワインは世界各国で作られているお酒ですが、フランスと同じようにボジョレーヌーボーと呼ばれることはありません。

また解禁日もそれぞれ違いがあります。ここでは世界の新酒の特徴と解禁日についてご紹介します。

フランスの新酒【ボジョレーヌーボー】

新酒といえば「ボジョレーヌーボー」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ボジョレーヌーボーはフランスのボジョレー地区のみで作られているワインのことで、解禁日は第3木曜日となっています。

ボジョレーヌーボーは当初11月15日と決められていましたが、土日祝日に当たってしまうとワイン運搬業者が休みになってしまうため、1985年から改定された背景があります。

2021年のボジョレーヌーボー解禁日は11月18日(木)となっています。

イタリアの新酒【ヴィーノ・ノヴェッロ】

イタリアの新酒は「ヴィーノ・ノヴェッロ」と呼ばれ、イタリアで作られた新酒ワインのことを指します。

2011年までは11月6日が解禁日でしたが、2012年8月13日にイタリアで新しいワイン法が発効されたことによって10月30日0時1分に変更されました。0時1分となっているのは、ノヴェッロと称するための申請が10月30日の0時までとなっているためです。

ボジョレーヌーボーと違う点は、産地や品種が定められていない点です。イタリアには土着品種を入れると数えきれないほどのブドウ品種があるといわれています。そのためさっぱりとした飲み口のタイプやコク深いものまで、さまざまな味わいのワインを楽しめます。

ヴィーノ・ノヴェッロは「D.O.C.G」「D.O.C」「I.G.T」のみで作られていることを認められており、醸造開始から10日以内の期間で醸造しなければならず瓶詰は収穫した年の12月31日までに行う必要があります。

また炭酸ガス浸漬法で造ったワインが40%以上含まれていなければいけなく、アルコール度数は11%以上、残糖分10g/L未満と決められています。

スペインの新酒【ピノ・ヌエボ】

スペインの新酒は「ピノ・ヌエボ」と呼ばれており、解禁日は11月11日の「聖マルティンの日」と呼ばれる祝日の日と定められています。基本的にブドウ品種は定められておりませんが、ガルナッチャ・テンプラニーリョなどを使われることが多いです。

解禁日は収穫祭が行われ、ピノ・ヌエボを楽しむ日とされています。しかし地方によっては収穫祭は12月に行われる場所もあります。

ドイツの新酒【デア・ノイエ】

ドイツの新酒は「デア・ノイエ」と呼ばれており、解禁日は11月1日です。デア・ノイエは格付けもされており、ヴィンテージの表示義務・ブドウ品種の表示が可能となっています。

使われるブドウ品種に決まりはありませんが、ドイツでは白ワインが主流となっておりミュラー・トゥルガウを使われることが多いです。

しかし温暖化の影響で黒ブドウの熟すスピードが早くなったことから、赤ワインのデア・ノイエも造られる機会が多くなっています。

オーストリアの新酒【ホイリゲ】

オーストリアの新酒は「ホイリゲ」と呼ばれており、1年未満のワインの新酒のことを指します。また提供できる居酒屋のこともホイリゲと呼ばれています。

解禁日はピノ・ヌエボと同じく聖マルティンの日の11月11日です。現地ではワイングラスではなく1/4リットルのジョッキで飲む人が多く、ハムやベーコンなどの軽食で楽しまれています。

オーストリアは主に白ワインが主流となっており「ゲミシュター・サッツ」というブドウ品種が使われることが多いです。また赤ワインでもホイリゲが造られており、「ツヴァイゲルトトレーヴェ」が使われる機会が増えています。

日本の新酒【山梨ヌーボー】

日本ワインでも新酒が造られているのをご存じでしょうか。造っているのは日本ワインの銘醸地でもある山梨県で「山梨ヌーボー」と呼ばれています。

山梨ヌーボーの解禁日は11月3日と定められており、2008年に山梨県ワイン酒造組合によって山梨県産ワインの普及を目指すために設けられました。

山梨ヌーボーで使われているブドウ品種は、白ワインが甲州、赤ワインはマスカット・ベーリーAなど日本固有の品種を使われています。

季節の旬ワインを楽しもう

世界にはさまざまな種類の新酒があります。違う環境で育てられた新酒は土地土地で違う味わいのワインを飲めるでしょう。

今年の収穫年はどんな特徴なのかを期待させる、季節を感じる様々な新酒を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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ワイン大好き37歳です!イタリア・フランスは勿論、南アフリカやアルゼンチンなど生産地を問わずに大好きです。 高級ワインはめったに飲めないので、1000円台の...

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