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これを読めばフランスワインが分かる!

ワインの基礎知識

フランスの地図・産地・品種と特徴のみをピックアップして分かり易く説明していきます。
最後にフランスワインの産地特徴がでていて、お値段お手頃なおすすめを産地ごとに各1種類合計7アイテムを紹介していきます。

1.フランスワインを地図からまず学ぼう!


フランスはワイン大国と呼ばれるほど、ワインの生産が活発な国です。まずは地図を見て、大まかにワインの産地を確認していきましょう。

北部

パリがあるのもこのエリアです。緯度が高く、冷涼な気候であるこのエリアにはシャンパーニュ地方、ロワール地方、アルザス・ロレーヌ地方が含まれております。
3つのエリアとも、その冷涼な気候を活かし、キレイな酸味のある白ワインの産地として有名です。今でこそ名産地として名を馳せておりますが、フランス北部はもともとワイン産地として恵まれてはおりませんでした。より良いワインを造るため、生産者たちは試行錯誤を重ねた結果、有名生産地としての地位を得ることができました。

西部・南西部

ボルドー地方、南西地方が該当します。ボルドーはもちろんのこと、ボルドー以外も赤ワインに産地として有名で、例えば南西地方のカオールはマルベックを使ったワインの名産地です。現在ではマルベックを使ったワイン産地としてアルゼンチンが有名ですが、元々はフランスの人気品種でした。ボルドーから南西地方までのこのエリアでは、果実味豊かで渋味のあるワインが造られます。

東部・南東部

ジュラ・サヴォワ、ブルゴーニュ・ボージョレ、ローヌと個性派ぞろいのエリアです。世界一高級なワインと言われるロマネコンティや、日本でもお馴染みのボージョレ・ヌーヴォーが生まれたのもこの産地です。ジュラ地方ではヴァンジョーヌと呼ばれる黄色ワインが個性を発揮しており、ブルゴーニュは気品溢れるエレガントなワインの銘醸地です。ローヌでは黒コショウを想わせるスパイシーなワインが生み出され、ボージョレではフルーティーなワインが主に生産されます。

南部

地中海の影響で年間を通じて温暖で快適な気候です。そのため、ニースやコートダジュールなど、世界的に有名なリゾート地があります。このエリアには、プロヴァンスとラングドック・ルーション地方が位置します。その恵まれた環境を活かしワイン造りが行われ、プロヴァンスでは世界生産量の6%を占めると言われるほどのロゼ大国でもあります。そしてラングドックは、フランスNo.1のワイン生産地です。デイリーワインを楽しみたいならこのエリアのワインは外せません。

2.主要産地を学ぼう!産地別ワインの特徴


フランスは国内にいくつもの産地がありますが、いずれも異なる個性を有しております。
フランスワインは一部の例外を除き、ワインボトルにブドウ品種を表記しません。産地によって使用されるブドウ品種が決まっているからです。
産地の土壌や気候に適したブドウ品種が長い時間をかけて選ばれてきました。産地の傾向を捉えることできれば、ワイン選びは難しいと感じていた方も、ワイン選びの楽しさを知ることができると思います。
これからフランス国内にある、ワイン産地の特徴解説していきたいと思います。

シャンパーニュ(北部)

シャンパーニュとは、誰もが一度は耳にしたことががあるほど有名です。産地のことであり、またそこで造られるスパークリングワインのことでもあります。スパークリングワインの中で、最も有名で、最も高級です。
ただ、ワインの産地としてはあまりに冷涼で不安定な気候の為、収穫されるブドウの質が安定しません。そのため、その年に収穫されたブドウだけでなく、それまでに収穫されたブドウから造られて貯蔵されていたワイン(リザーブワイン)をブレンドして造られます。シャンパーニュは、その優美に立ち上る泡が特に注目されますが、実は異なる収穫年のワインをブレンドすることによって造られていることも特徴の一つに挙げられます。使われるブドウ品種は主に3つで、シャルドネ、ピノノワール、ムニエ。寒冷なエリアでこそ真価を発揮するブドウ品種です。この3つのブドウを組み合わせ、最高のワインに造り上げるのです。

アルザス(北部)

ドイツとの国境沿いにあるワイン産地です。アルザス語と呼ばれる独自の言語を話し、固有の文化を持つエリアです。産地の西側にあるヴォージュ山脈が大西洋からの湿った風を遮るので、日照量は国内平均を上回り、天候は安定しています。
土壌はモザイクと言われるくらい多様な為、その土壌に合わせていくつものブドウ品種が育てられおります。そのため、ワインボトルに産地だけが表示されていてもワインのタイプが判断できないため、フランスのワイン産地の中では例外的にボトルにブドウ品種の記載が認められております。
このエリアで絶対に外せない品種がリースリングです。そのポテンシャルの高さゆえに甘口から辛口、そして若くフレッシュな味わいから熟成させるタイプまで、さまざまな味わいのワイン生み出します。そしてそれを可能にしているのも土壌の多様性です。

ロワール(北部)

フランス最長のロワール河流域にある産地です。全長1000㎞に及ぶ河川流域に、王侯貴族が建てた古城が点在し、景観の美しさから「フランスの庭園」と呼ばれる観光地としても有名です。原産地呼称が認められたAOCワインの生産量はフランス第3位。産地が広大な為、ワインのタイプも幅広いです。そのエリアの個性を発揮するため、特に白ワインは上流域、中流域、下流域で育てられている品種は異なります。上流域ではソーヴィニヨンブラン、中流域ではシュナンブラン、下流域はミュスカデです。いずれもそのフレッシュでキレイな味わいは共通しています。

ボルドー(西部)

ブルゴーニュと並び、フランス二大産地と称される産地がボルドーです。ワインを飲んだことがある人なら一度は、ボルドーワインという言葉を聞いたことがあると思います。ブルゴーニュと異なり、複数のブドウ品種をブレンドしてワイン造りを行います。ブレンドすることで生産者はその土地の個性をより表現できると考えているのです。そして他のエリアと異なり、ワインに格付け制度があります。ただ、もちろん格付けされていないワインでも秀逸なワインはたくさんあります。
ボルドーでは圧倒的に赤ワインの生産量が多く、育てられているブドウ品種は赤ワイン用の黒ブドウばかりです。使用されるブドウ品種は主に、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフランです。それらはボルドー品種と呼ばれております。
特にカベルネソーヴィニヨンは、国際品種とも呼ばるくらい世界中で育てられております。ただ、同じカベルネソーヴィニヨンを使って造られたワインでも、個性は様々で、熟成を重ねたワインでボルドーワインに敵うものはないかもしれません。
ボルドーは海洋性気候で温暖の為、果実味と渋味があり、重厚感ある味わいですが、酸味もあるためエレガントとも評されます。

ブルゴーニュ(東部)

フランスを代表する産地であり、世界一高いワインとして有名な「ロマネコンティ」はこの地方のワインです。世界的に人気の産地であり、かつ小規模生産者が多いため、ロマネコンティ以外にも入手困難で超高級なワインも多いです。他の産地と異なり、複数品種をブレンドしません。赤ワイン用ではピノノワール、白ワイン用品種ではシャルドネを使用します。生み出されるワインは赤白ともに多くの人を魅了し、感動させてきました。ワイン産地として別格とも言えるほど圧倒的な産地です。

ローヌ(東部)

黒ブドウの生産に向いている産地であり、生産されるワインの8割以上がロゼ・赤ワインです。北部と南部に分かれており、それぞれ個性が異なります。ローヌ川上流に位置する北部は、季節の違いがはっきりした気候で、シラー単体でワイン造りを行います。酸味と渋味のバランスのよいワインができ、長期熟成能力があります。南部は地中海の影響を強く受け、その温暖な気候のおかげで、凝縮感のある果実味とアルコール分の高いワインができます。南部ではシラーだけでなく、グルナッシュやムールヴェードルといった豊かな果実味が特徴のブドウが育てられており、ブレンドしてワイン造りを行います。

プロヴァンス(南仏)

フランス最古のエリアです。年間を通して温暖で乾燥している為ワイン造りに最適な産地です。その恵まれた天候を活かした、質より量のデイリーワインの産地でもありました。しかし近年では、恵まれた天候頼みの生産だけでなく、その土地の個性をしっかりと発揮できるワイン造りを行う生産者も増えており、高級ワインの産地として歩み始めております。

3.産地×品種 おすすめ6選!フランスワインを知るならまずはこのワイン


フランスワインは生産地ごとに使用されるブドウ品種が決められております。そしてフランスワインで使用されるブドウ品種の多くは国際品種と呼ばれ、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドなど世界中の銘醸地で主要な品種の地位を築いております。つまり、フンラスのワイン産地を知ることは、世界中のワイン産地を知ることにつながるのです。産地×品種でワインを楽しんでいきましょう♪

フィリップ・グラヴィエ(シャンパーニュ地方×シャルドネ)

シャルドネだけで造るシャンパーニュです。冷涼な気候で育てられたシャルドネの最大の魅力は、そのキレイな酸味にあります。シャルドネは世界中で、そしてフランス国内の至るところで育てられております。しかし、その中でもフランス北部で造られるシャルドネの評価は揺るぎないものがあります。シャルドネの個性は「個性がない」ことであるとも言われております。しかし裏を返せば個性がないとは、バランスに優れているということでもあります。その圧倒なバランスの良さがシャルドネの魅力でもあります。フィリップ・グラヴィエのシャンパーニュはシャルドネの個性を完全に引き出しております。シャルドネの生まれ故郷、ブルゴーニュを思わせるその力強い味わいをご堪能ください。


出典:エノテカ

ヒューゲル リースリング(アルザス地方×リースリング)

アルザスワインで、もっとも名を馳せている一本。名門ワイナリー「ヒューゲル」ワインです。リースリングはアルザスを代表する品種であり、高評価のワインには必ずこのブドウが使われております。レモンを思わせるキレイな酸味を持ちながらも、「酸っぱい」と思わせないその果実感には驚かされます。もともとはドイツの品種ですが、アルザスではよりドライで、すっきりとした味わいに仕上げます。ドイツやアルザス以外でも、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドと世界中で育てられております。ポテンシャルの高さゆえに、産地ごとに味わいが全く異なります。世界中の生産者を魅了しているこの品種は、きっとあなたも虜にするでしょう。

出典:ジェロボーム

パスカル・ジョリヴェ(ロワール地方×ソーヴィニヨンブラン)

ロワール地方のサンセールで造られるワインです。品種はソーヴィニヨンブラン。アロマティック品種とも呼ばれ、ソーヴィニヨンブランの香りは唯一無二の個性として挙げられます。柑橘類、特にグレープフルーツを思わせる香りと、その香りを裏切らない酸味とコクのある苦みは秀逸です。シャるドネやリースリングとは異なり、フレッシュな味わいを楽しむべきワインです。ヴィンテージが若いうちに飲みましょう。
個性が強いゆえにワインだけでも十分に楽しめますが、個性が強い分料理とも相性が良いのです。料理に振りかけるレモンや、かぼすの代わりとして、またサラダに入れる柑代わりりとして合わせてみてはいかがでしょうか。

シャトー・ラネッサン(ボルドー地方×カベルネソーヴィニヨン)

シャトーラネッサンは格付けされているワインではありません。しかし、もし現在格付けをし直すとすれば、格付け確実と評されるワインです。
カベルネソーヴィニヨン主体で造られます。ボルドーではワインを単一品種だけで造らず、メルローやカベルネフランとブレンドしてワイン造りを行います。ブレンドすることでその土地の個性を引き出せると考えているのです。
カベルネソーヴィニヨンを数値で評価するとすれば、とてもハイスペックです。ポリフェノール含有量(色素や渋味)、フルーツとしての酸度、果実味など数あるブドウ品種の中でもトップクラスです。そのためボルドーでは熟成を重ねることで、口当たりがよくなり、タンニン、酸、果実味が溶け込み味わいも良くなります。カシスとも例えられるその味わいがカベルネソーヴィニヨン最大の特徴です。
ハイスペックなブドウゆえに、あらゆる地域で育てられ結果を出している品種です。ヨーロッパ以外では特にアメリアのカリフォルニアが高品質のワインとして高評価です。産地ごとの飲み比べも楽しめる品種でしょう。

出典:モトックス(モットワイン)

ルイ・ラトゥール マルサネ(ブルゴーニュ地方×ピノノワール)

ルイ・ラトゥールはブルゴーニュで最も有名な生産者であり、ブルゴーニュらしさを体現している造り手でもあります。そしてブルゴーニュの中でも親しみやすいマルサネ産のワインは、初めて飲むにはうってつけです。
ピノノワールはカベルネソーヴィニヨンと並び、代表的な黒ブドウ品種です。カベルネソーヴィニヨンと同様に、最高級ワインを生み出す品種として認識されております。しかし同時に、気難しい性格の品種ゆえに産地を選び、フランス以外で成功している産地は世界中に数えるほどしかありません。
もしあなたが真価を発揮したピノノワールを口にしたとき、その芳醇な香りと、ビロードのようなと当たりに驚かれること間違いなしです。

シャトー・ド・サン・コム(ローヌ地方×シラー)

ローヌ北部で造られるシラーは「スパイス」と「血」のニュアンスを持つワインです。赤ワインには多かれ少なかれそのニュアンスは感じますが、この産地で造られるシラーから得られる感覚は別格です。例えるならば、牛のブロック肉に、黒コショウをまぶし焼き上げ、滴る血とともに食べる。噛み応えのあるワイン。液体であるはずのワインに、そのような感覚をつい持ってしまいます。そして熟成を重ねるとまた違った顔を見せてくれるのもこの品種の素晴らしさです。ぜひご自身でお試しあれ。

出典:エノテカ

いかがだったでしょうか?
是非参考にして頂いて色んなフランスワインにふれてみてください!

千葉 陽介

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29歳のフリーライター。ワインとカクテルが大好きです。宅飲みよりお店で飲むことを楽しむタイプです。 ワインの奥深い魅力や、さまざまな専門知識をお伝えできるよ...

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