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デキャンタとは?デキャンタ―ジュの効果と上手に移す方法も伝授します!

ワインの基礎知識

レストランや高級ワインなどで見るデキャンタ。ワインをデキャンタに移す作法を「デキャンタ―ジュ」と呼ばれますが、そもそもデキャンタとは?デキャンタ―ジュでワインの味わいは変わるのでしょうか?成功する作法の秘訣とは?

デキャンタ・デキャンタージュとは

デキャンタとは、卓上で使用されるワインを入れる容器のことです。
お手頃な価格で手に入りやすい「ソーダガラス製」のものや、おしゃれで高級感のある「クリスタルガラス製」、ホットワインにも利用できる「耐熱ガラス」で作られたものもあります。
素材だけでなく、形も縦長のものから横に広がった形状のものまで用途によってたくさんの種類があります。少人数で楽しめる200〜400mlのものからワインボトル2本分を注げる大きなサイズまであるので、自宅で楽しむデキャンタを選ぶ際には、いつも飲む量を基準にして少し大きいサイズを選びましょう。

デキャンタにワインを移し替えることをデキャンタージュといいます。
デキャンタージュすることでワインの味わいが変化し、よりワインを楽しめます。
次の章では、デキャンタージュの効果やデキャンタの選び方について解説します。

デキャンタージュの効果と必要性

デキャンタは熟成期間の短い「若いワイン」や「年代物のワイン」をより美味しく飲むために利用します。
同じデキャンタージュでもワインによって目的が違うため、デキャンタも使い分けましょう。
デキャンタージュをする目的と効果は主に以下の3つです。

香りが良くなる

デキャンタを使うことで香りの少ない「閉じた」状態のワインを開き、本来の華やかな香りにします。本来、赤ワインの熟成はワインの成分を化学変化(酸化)させる必要があり、好ましい味わいにするには適度な酸素が必要です。
熟成が不足している若いワインをデキャンタージュすることで、飲む直前に酸素を含ませてワインの熟成が最適な状態の香りに近づけられるのです。

加えて、ワインによってはボトルでの保管時に酸素が少なくて熟成が不足してしまい、還元臭が発生してしまう場合があります。
還元臭はゆで卵や傷んだ玉ねぎのような臭いで好ましいものではありません。
還元臭もデキャンタージュすることで酸化が進み、還元臭を抑えることができるのです。

味をまろやかにする

熟成された赤ワインは渋みの元であるタンニンを多く含んでいます。タンニンは酸素と結合(酸化)することで味わいがまろやかになります。
酸素と結合させるために効果的なのがデキャンタージュです。
ワインの中には、ボトルから直接グラスに注ぐだけではワインの風味が硬いものがあります。デキャンタに注ぐことで十分に空気に触れさせ、本来の味わいを存分に味わえます。

澱を取り除く

澱(おり)とは、ワインが熟成している間にできる固形物です。主にポリフェノールなどの色素成分やタンパク質、酒石などの成分で酸素の介在など、いくつかの条件が重なることで大きな物質へ結合しています。
熟成されたワインや自然派ワインには澱が多く入っていることがあります。光に反射するとキラキラしてキレイなのですが、下に触れるとザラっとして口当たりが悪いため取り除くのが一般的です。

その澱を取り除くのにデキャンタが役立ちます。時間を置いてボトルの底に澱を沈殿させて、ゆっくりデキャンタにワインを移すことでキレイに澱を取り除けるのです。

用途ごとにデキャンタも使い分けよう!

デキャンタを使うことで熟成期間が短いワインが持つ本来の味わいを引き出したり、熟成させることで沈殿してしまった澱を取り除けます。つまり、よりワインを味わい深くしたり、飲みやすくできるのです。

同じデキャンタージュでも目的が違うのでデキャンタも使い分けると良いでしょう。
熟成期間が短いワインには空気に触れる面積が広い横に広がったタイプ(ウルトラ型と呼ばれる)で酸化を促します。
澱の多いワインは熟成がされているのであまり多く酸化させたくはありません。なので縦長のデキャンタを利用して空気に触れる面積を最小限にしつつ澱を取り除きましょう。

注意したいのは、全てのワインにデキャンタージュが必要ではないことです。
一般的には白ワインやスパークリングワインは繊細な酸やフレッシュさが揮発してしまうこともあるのでデキャンタージュには向きません。赤ワインでも繊細な味わいや香りを持つピノ・ノワールのような品種や、すでに飲み頃のワインはそのまま楽しみましょう。

ウイスキーもデキャンタを使うことで効果が!?

ワイン用のデキャンタが一般的ですが、ウイスキーにも「ウイスキーデキャンタ」があります。
ウイスキーも酸素に触れることで味わいが変化しトゲトゲしさがなくなるのですが、ウイスキーデキャンタはを使う目的はワインとは若干異なります。

ワインのように香りを引き出したり、味わいを変化させるためというよりも、ウイスキーをデキャンタに移し替えることで揮発した香りを楽しんだり、キレイな琥珀色を見て楽しむためでもあるのです。
ウイスキーのデキャンタはデザイン性にこだわったものが多く、蛇口をひねるとウイスキーが出てくる仕組みのものもあり、より優雅でおしゃれにウイスキーを楽しみたい時におすすめです。

ただし、ウイスキーデキャンタは保管には向きません。
ウイスキーをデキャンタージュしたら早めに飲み切るようにしましょう。

ワインのポテンシャルを上手に引き出そう!

デキャンタージュは用途によってやり方が若干違います。この章ではワインのポテンシャルを引き出すためのデキャンタの使い方について解説します。

味わいを引き出すデキャンタージュ

熟成期間が短いワインをデキャンタージュする場合には、横に広がったデキャンタを使います。
ある程度角度をつけ、ワインを内側に沿わせるように注ぎます。
デキャンタージュしても香りがまだ開かない若いワインの場合は、スワーリング(デキャンタを回す)で空気を含ませましょう。

飲む目安はワインによりますが、目安として30分から60分ほど置いてから楽しむのがおすすめです。

澱を取り除くデキャンタージュ

熟成されて澱が多く入ったワインをデキャンタージュするためには準備が必要です。
ワインを飲む数日前からボトルを立てて保管しておき、澱をボトルの底へ沈めておきます。

澱が舞わないようにボトルを揺らさないように抜栓しましょう。
デキャンタージュはライトやキャンドルの明かりでワインボトルのネック部分を下から照らし、澱が飛び散らないように注意しながら静かにボトルを傾けます。
デキャンタもボトル側に傾け、澱がボトルのネック部分に留まるようにしながら静かに移します。
ワインにもよりますが、ボトル下3cmくらい残してデキャンタージュ終了です。

熟成がされているワインはすぐに飲み頃となる場合が多いので、すぐに飲み始めても問題ありません。

まとめ

デキャンタ―ジュは時短で熟成をすすめ最適な状態にします。より一層ワインを美味しく楽む為にもちょっと手間がかかりますが、最適な味わいを味わうのもまた楽しいひと時です。

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