知っておきたいスパークリングワインとシャンパンの違い
スパークリングワインとシャンパンの違いについて説明します。
スパークリングワインと、手頃な価格帯のシャンパン、それぞれのおすすめ商品を絞って紹介します。
目次
1.スパークリングワインとシャンパンの違い
2.スパークリングワインの種類
3.おすすめスパークリングワイン7選
4.お手軽で美味しいシャンパン5選
スパークリングワインとシャンパンの違い
「スパークリングワインとシャンパンの違い」はご存知でしょうか?もしかすると、発泡性のワインは全てシャンパンのことと認識している方も多いかもしれませんね。
しかし、全てシャンパンという考えの認識には誤りがあります。こちらの記事では、スパークリングワインとシャンパンの違いを詳しく解説していきます。
スパークリングワインとは?
スパークリングワインは、発泡性ワイン全般を指す呼び名です。二酸化炭素による泡が特徴で、泡の量が少なくガス圧が低いものを弱発泡性ワイン、微発泡性ワインと呼ばれ、二酸化炭素の含有量が強いものを強発泡性ワインと呼びます。
一般的に非発泡性のワインは「スティルワイン」と呼び、発泡性があるワインのことを「スパークリングワイン」と呼びます。
スパークリングワインという名称はあくまでワインのカテゴリーの一つであり、国ごとによって名称が変わります。
シャンパンとは?
シャンパンは、カテゴリとしてはスパークリングワインという位置づけです。シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインです。
発泡性のワインなら、何でもシャンパンと呼びたくなると思いますが、それは間違いです。シャンパンは「シャンパーニュ製法」という作り方をしています。
シャンパーニュ製法とは、アルコール発酵をさせて出来たワインに酵母と糖を加えて瓶詰めして、さらにもう一度アルコール発酵を行う「瓶内二次発酵」という製法です。瓶内二次発酵を行うと、瓶内できめ細やかな泡がワインに溶け込み、味わいがクリーミーでエレガントになります。
様々な行程が必要になるシャンパンは、たくさんの時間が必要になるため経費がかかります。ですので、ワインの価格がどうしても高くなってしまいます。しかし、シャンパンを飲んでみると価格が高いのも頷けます。
香り、味わいの全体的なバランスが非常良く、品質の高さにおいて世界中のワイン愛好家を長年魅了しているのも分かるでしょう。
スパークリングワインの種類
スパークリングワインは国によって名称が変わり、様々な味わいや香りのワインが作られています。
では、スパークリングワインはどのような種類があるのでしょうか?詳しく紹介していきます。
1.フランス
スパークリングワインを語るのであれば、フランスは絶対に外すことはできないでしょう。フランスにはシャンパン以外にもおいしいスパークリングがあります。
フランスにおいてシャンパン以外で代表的なスパークリングは『クレマン』『ヴァンムスー』『ペティヤン』の3つです。
『クレマン』
クレマンはフランスのみで用いられているスパークリングワインです。シャンパン同様に法律によって定められており、クレマンを名乗ることが許されているのは「ブルゴーニュ」「ボルドー」「ロワール」「ジュラ」「リムー」「ディ」「サヴォワ」の8つです。
クレマンの最大の特徴はコストパフォーマンスとワインのクオリティの高さにあります。シャンパンと同じく瓶内二次発酵が義務付けられているため、泡のきめ細やかさやエレガントな香り、複雑な味わいを兼ね備え、1000円台から楽しむことができる素晴らしいワインです。
また、有名な生産者が作る高価なクレマンは、クオリティの高さがずば抜けており高級シャンパーニュにも負けないほどに素晴らしいスパークリングワインです。
『ヴァン・ムスー』
フランスでは、シャンパーニュやクレマン以外で造られたスパークリングワインのことを「ヴァン・ムスー」と呼びます。フランス語でヴァンはワイン、ムスーは泡という意味です。
ヴァン・ムスーは、日常的に飲まれていることが多くシャンパ―ニュやクレマンよりも安心価格で購入することができます。クオリティに関しても決して低いわけではなく、グイグイと飲みやすいタイプが多いです。
『ペティヤン』
ペティヤンはスパークリングワインの中でも炭酸が抑えられていて、強い炭酸が苦手な人にもおすすめできる穏やかで優しい微発泡ワインです。
フランスのロワール地方を中心に生産されています。価格も全体的にリーズナブルなものが多いのでワインショップで見かけても気軽に購入しやすいワインです。
流通量は多くはありませんが、フランス各地で良質なものが造られていて料理にも合わせやすいと近年注目を浴びております。
2.スペイン
『カヴァ』
スペインで造られているスパークリングワインといえば「カヴァ」です。スペインのワインを語るうえで絶対に外すことができないほどに有名で、年間で2億本以上が販売されている世界3大スパークリングワインの一つです。
カヴァの魅力は、何といってもシャンパンと同じく瓶内二次発酵方式で造られており品質はシャンパンにも劣らないほどに高く、価格もリーズナブルで1000円台でも高品質なスパークリングワインを楽しむことができます。
3.イタリア
『プロセッコ』
イタリアで造られているスパークリングワインで人気が高いのが、ヴェネト州で造られているブドウ品種「グレーラ」を使用したプロセッコです。
プロセッコには、「プロセッコ D.O.C.」、「コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネ・プロセッコ・スペリオーレ D.O.C.G.」、「コッリ・アゾラーニ・プロセッコ D.O.C.G.」の3種類があります。
プロセッコは「密閉式タンク方式(シャルマ方式)」という製法で造られており、ブドウ本来の味わいが十分に引き出されていて、フレッシュな香りが楽しめみながら飲めるスパークリングです。
プロセッコの販売数量はシャンパンを上回り、価格もお手頃ということもあり気軽に飲むことができるスパークリングワインとして非常に人気が高いです。
イタリアでは発泡性ワインのことをスプマンテと呼びます。スプマンテは、プロセッコ以外にも「アスティ」「フランチャコルタ」「ランブルスコ」「オルトレポー・パヴェ―ゼ」といった種類があります。
スプマンテは世界中のワイン通から愛されていて、リーズナブルな価格で気軽に飲めて、色々な料理にも合わせやすい、良いとこだらけのワインです。
4.ドイツ
『ゼクト』
ドイツのスパークリングワインは、ゼクトと呼ばれています。あまり耳にする機会が少ないかもしれませんが、ゼクトはシャンパンと同じ瓶内二次発酵で作られていてドイツ国内では絶大な人気を誇るワインです。
シャンパンにも負けないほどのきめ細やかな泡、味わいです。ドイツワインといえば甘口と思われている方が多いのですが、ゼクトは辛口が基本です。気になる価格帯は非常に幅広く、数百円~数千円と高価なものまで販売されています。
高品質なものはシャンパンにも劣らないほどに美味しいですが、安くても美味しく飲めるのがゼクトの魅力の一つです。
おすすめスパークリングワイン7選
スパークリングワインは華やかな香りや素晴らしい味わい特徴的で、その魅力に取りつかれているワイン通も少なくありません。しかし、ワインのことをこれから勉強していきたいという方は、どんなスパークリングワインを選べば良いのか迷うのではないでしょうか。
ここでは、一度は絶対に飲んだ方が良いおすすめのスパークリングワイン7選を紹介致します。
1.「ルー・デュモン クレマン・ド・ブルゴーニュ ブラン・ド・ブラン 泡白」
フランスで活躍する日本人醸造家の仲田晃司さんが造り出す、クレマン・ド・ブルゴーニュです。泡が非常にきめ細やかで美しく、太陽を一杯に浴びた柑橘系フルーツの香りが印象的です。
全体的にバランスが良いだけでなく、余韻の長さと奥行きのある深い味わいで食前酒だけで飲むのは勿体ないと感じるほどに優れた一本です。
2.「ヴァン・ムスー・シャルドネ」
コクがある風味に、まろやかでクリーミィな果実味、全体的な深みが素晴らしく美しい泡が立ち上る瓶内二次発酵で造られた素晴らしいヴァンムスーです。
3.「フレシネ コルドン・ネグロ」
1000円台前半にも関わらず瓶内2次発酵で造られたコストパフォーマンスに優れたカヴァです。スパークリングワインのカテゴリーでは世界一の生産量を誇るブランドです。
果実味、酸味、香りのバランスが非常に高く、どんな料理にも合わせやすい一度は絶対に試していただきたいスパークリングです。
4.「コンデ・デ・カラル カヴァ ブリュット」
こちらのワインは淡い麦わら色のワインであるため、非常にきらびやかな泡が立ち上る美しいスパークリングです。白い花や柑橘系の爽やかで優しい香りで、口当たりはクリーミーで長い余韻を感じることのできる素晴らしく美味しいワインです。
シンプルながら繊細でバランスの取れた味わいを楽しむことができるプロセッコです。
5.「ヴィッラ サンディ プロセッコ DOC」
1000円台という低価格帯にも関わらず、イタリアで有名なグルメ専門雑誌「ガンベロ・ロッソ」で最高評価を得ているプロセッコです。青リンゴとメロンの若々しくもジューシーな香りと果実味、辛口ながらもわずかに感じる甘さがアクセントになっています。
シンプルながら繊細でバランスの取れた味わいを楽しむことができるプロセッコです。
6.「マルティーニ アスティ・スプマンテ」
マルティーニアスティ・スプマンテは、モスカート・ビアンコ種100%で造られている甘口のスプマンテです。甘口のスパークリングワインでは世界一のシェアを誇っています。
フルーティな香りと芳醇な甘みで、デザートやフルーツと一緒に合わせると更にワインの美味しさを引き立てることができるのでおすすめです。
7.「G.A.シュミット ツェラー・シュワルツ・カッツ ゼクト」
黒猫のエチケットが特徴的なドイツのゼクト「シュワルツ・カッツ」はきめ細やかな泡と、レモンのフルーティなアロマ、喉を通ると奥の方で余韻をしっかり楽しめる人気のワインです。
お手軽で美味しいシャンパン5選
スパークリングワインを飲むのであればシャンパンは何があっても飲むべきでしょう。しかし、高価格帯であるシャンパンを普段飲みで試すのは非常に難しいかと思います。
ここでは、お手軽で美味しいシャンパンを5選紹介いたします。
1.『ポルヴェール・ジャック ブリュット シャンパーニュ』
シャンパンの中では真っ先に飲んでおくべきお値打ちワインがこちらです。こちらのドメーヌは350年以上の歴史を持つ老舗ワイナリーで、約2000円でシャンパーニュを購入できるという驚異の価格です。
シャンパンらしいエレガントな香り、きめ細やかな泡にバランスの良い果実味と酸味が素晴らしく余韻をしっかり長く感じることができるお値打ちシャンパンです。
2.『コンテス・ド・グラモン シャンパーニュ』
100年以上の歴史を持つドメーヌが手掛けているシャンパンです。18か月~24か月の瓶内熟成で造られていて、なんと約2000円と信じられない価格で購入することが可能です。
ブドウ品種はピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール45%、シャルドネ5%の3種類も使われており、シャンパーニュらしい華やかな香りと共に、3種類のブドウがハーモニーを奏でてくれる気品高い味わいのワインです。
3.『ニコラ・フィアット セレクション ブリュット』
フランス本国において11年連続で売り上げナンバーワンに輝いているシャンパーニュです。白い花のニュアンス、フローラルなフルーツの香り。優しい口当たりで、いきいきとしたフレッシュでクリーミーな味わいを楽しめるワインです。
ブドウ品種はピノ・ノワール40%、シャルドネ20%、ピノ・ムニエ40%をブレンドしているお値打ちシャンパンです。料理とも合わせやすく肩肘を張らずにシャンパンを楽しみたい方にピッタリの一本です。
4.『ヴーヴ・クリコ イエローラベル ブリュット』
ヴーヴ・クリコ イエローラベルを飲まずしてシャンパンを語ることはできないと言われるほどに有名な一本です。
世界中のワイン通から愛されるこのシャンパーニュはグラン・クリュ、プルミエ・クリュなど異なる畑のブドウがブレンドされています。果実味と酸味、香りのバランスが素晴らしく、安定感抜群の一度は飲むべきシャンパンです。
5.『モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアル』
シャンパンに馴染みがなかった人も、一度は聞いたことのある方が多い「モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアル」
このシャンパーニュを造っているモエ・エ・シャンドンは270年以上もシャンパーニュ地方に代表される最高級のメゾンの一つです。まさに世界で最も愛されるシャンパンと言ってよいでしょう。
多くの料理と合わせることができ、ヴィンテージに関係なく安定した味わいをいつでも楽しむことができます。安定感と、高い品質は一流のソムリエさえも唸るシャンパンです。
いかがでしたでしょうか?スパークリングワインは様々な国で造られています。しかし、高級なイメージがあると思われていた方にとっては一度試してみたいと思われる一本もあったのではないでしょうか。
これから、スパークリングも飲んでみたい!と思っている方は、こちらで紹介したワインを試して頂けると幸いです。