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お酒で旅する ~イタリア~

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イタリアには様々なお酒があります。食後酒のグラッパ、南イタリアの伝統酒リモンチェッロ、イタリアワインの代表格であるキャンティ、そしてあまい雰囲気の漂うリキュールのアマレット。おすすめ商品もあわせてご紹介します。

イタリアにはワインだけでなく、たくさんの種類のお酒があります。ワインで名高いのはなんといってもキャンティ。また、ワインの搾りかすから造られるグラッパは、ワイン生産国ならではの食後のお酒として有名です。食後酒を飲む習慣がありますので、グラッパ以外に、リモンチェッロやアマレットのようなあまいリキュールもポピュラーです。南北に長いイタリアは風土も多岐に渡り、お酒も様々です。そんなイタリアを旅するようにイタリアのお酒を楽しみましょう。

目次
1.イタリアの食後酒といえば「グラッパ」
2.南イタリアの伝統酒「リモンチェッロ」
3.イタリアワインといえば「キャンティ」
4.あまい雰囲気の漂う「アマレット」
5.まとめ&エンディング

イタリアの食後酒といえば「グラッパ」

グラッパは、ブドウを原料としてイタリアで作られる蒸留酒です。食後酒としてもっともよく飲まれるお酒で、その歴史は古代ローマまで遡り、庶民に親しまれています。

グラッパの製造方法


ワインを醸造する過程で、ブドウを圧搾した際に出る「搾りかす」がグラッパに使われます。搾りかすは、主にブドウの皮と種の部分で、イタリア語では「ヴィナッチャ」と呼ばれます。
赤でも白でもそのヴィナッチャからグラッパを作ることができます。ただし、そのブドウは、アルコールを含んでいる必要があるので、発酵していることが条件になります。赤ワインでは、発酵時に皮と種を一緒に漬け込みますので、その後に取り出す搾りかすにもアルコールが含まれます。白ワインは、発酵の前段階で皮と種を取り除きますので搾りかすはアルコールを含んでいません。したがって、白ブドウの搾りかすは、グラッパを製造する前に、発酵が必要です。
グラッパは、ブドウの搾りかすを加熱して、その蒸気を冷却することで作られます。アルコール度数は、40度前後。蒸留した後にそのまま瓶詰めされる無色透明のグラッパと、樽熟成を経ることによって琥珀色をしたグラッパがあります。
なお、ブランデーも、ブドウを原料とする蒸留酒ですが、ブランデーはワインを蒸留して造られます。

グラッパの飲み方


イタリアでは、グラッパは庶民的な食後酒で、デザートを食べて、コーヒーを飲んだ後、シメに飲みます。カジュアルなグラッパは、ショットグラスに入れ、クイッと飲みます。
高価なグラッパは、香りが豊かですので、大きなグラスで、香りを楽しみながら、ちびちびと飲みます。チョコレートを食べながら嗜むと、チョコレートの濃い味が、香り豊かなグラッパと最高にマリアージュします。
いずれも、ストレートで飲まれます。ストレートで飲まない飲み方は、「カフェ・コレット」で、これは、エスプレッソコーヒーの中にグラッパを少し入れて飲みます。
グラッパの発祥の地は、北イタリアのフリウリ・ヴェネツィアジュリア州。現在は、北イタリアが名産地となっています。
トレンティーノ・アルトアディジェ州にある「セニャーナ」のグラッパは、釜を蒸気で熱して蒸留します。伝統的な非連続式で蒸留されるため、ブドウ本来の香りとアロマが凝縮されています。味わい深くエレガントで、おすすめです。

南イタリアの伝統酒「リモンチェッロ」

リモンチェッロは、レモンの皮を使ったリキュールです。鮮やかな黄色が魅力的なあまいリキュールで、レモンの産地である南イタリアの伝統のお酒です。

リモンチェッロの歴史


リモンチェッロとは、14世紀には小さなレモンの名前でした。18世紀になり、レモンを使った今のようなリキュールのリモンチェッロが誕生。レモンの産地である南イタリアのカンパニア州ソレント、アマルフィ、カプリで、地元のレモンを使って生産されたのが始まりです。この地方のレモンは、皮が厚く、黄色の色がより抽出されやすいので、リモンチェッロに適しています。
現在では、イタリアを代表するお酒のひとつになり、世界中でその名が知られています。南イタリアのお土産としても大変人気があります。
レモンの皮、ホワイトスピリッツ、砂糖、水を漬け込んだお酒ですから、イタリアでは、家庭でも作られ、とてもなじみのあるリキュールです。
糖度が高いので、飲みやすいのですが、アルコール度数は30度以上あります。

リモンチェッロの飲み方


リモンチェッロは、食後に飲む食後酒で、キンキンに冷やして飲みます。レモンのさっぱりとした味わいが、食事の後の口直しにもなります。小さなグラスでサーブされるのが一般的です。
氷を入れて、カクテルのようにして飲む飲み方もあります。
老舗「モリナーリ」のリモンチェッロは、IGP(特産品保護指定)のレモンのみを使って作られ、着色料や保存料を一切使っていないおすすめのお酒です。

イタリアワインといえば「キャンティ」

キャンティは、イタリアを代表する赤ワインです。トスカーナ州で作られるこのキャンティは、世界に名を馳せ、イタリアワインの代名詞になっているともいえます。

キャンティとキャンティ・クラシコ


キャンティ地方が産地のキャンティワインには、「キャンティ」と「キャンティ・クラシコ」があります。「キャンティ・クラシコ」は、1716年にトスカーナ大公コジモ3世が定めた地区で、フィレンツェとシエナの間にあります。20世紀になり、キャンティワインの生産が増え、周りの地区でもキャンティと名乗るワインが生産され始めました。そこで、1932年に、もともとのキャンティと、後から広がったキャンティを区別するために、前者が「キャンティ・クラシコ」、後者が「キャンティ」と定められたのです。
現在はどちらも、格付けの一番上のDOCG(統制保証原産地呼称)に指定されています。キャンティ・クラシコには、キャンティ・クラシコ協会のロゴである「黒の鶏」マークが付いていますので、それで区別することもできます。

キャンティワインの味わい


キャンティも、キャンティ・クラシコも、サンジョヴェーゼ種を主体とするワイン。サンジョヴェーゼは、比較的酸味のあるブドウ品種です。この酸味が、料理と非常に合わせやすいため、毎日の食事と一緒に楽しむワインとして歴史的に親しまれてきました。
カジュアルなものから高級なものまであります。カジュアルなものは、ベリー系の香りがチャーミングな味わいです。長期間の樽熟成を経たリゼルヴァは、複雑味があり、ボディもしっかりとしています。予算とシーンにあわせて使い分けることができます。
おすすめは、「カステッラーレ」のキャンティ・クラシコ。スミレの花や野生のイチゴのニュアンスがあり、心地よい味わいです。きれいな酸味がいかにもイタリアワインらしく、いろいろな料理に合わせやすいワインです。

あまい雰囲気の漂う「アマレット」

アマレットは、イタリア生まれのリキュールです。あまい芳醇な香りがあり、世界中で愛されています。アーモンドフレーヴァーのリキュールですが、アプリコットの核が主原料です。デザートと一緒に楽しみます。アレンジしやすいので、カクテルとしても飲むことができます。

アマレットとは


アマレットは、杏仁やハーブが主な原材料です。杏仁は、アンズの種子の中に含まれている部分で、アンズの他に、サクランボやプルーンの種子も使われます。ハーブは、様々な種類がブレンドされます。メーカーにより、ハーブの種類が異なるので、味わいも異なります。共通するのは、アーモンドのあまい香り。飲みやすいですが、アルコール度数は28度前後あります。
アマレットの発祥の地は、ミラノ北西部にあるサロンノ村です。1525年、ベルナルディーノ・ルイーニという画家が、教会の聖マリアを描くためにサロンノ村にやってきました。彼は、泊まっていた宿の女主人をモデルにして、聖マリアを描きました。彼女は、自分をモデルに美しい絵を描いてくれた彼に対して、贈り物をします。それがあまくほろ苦いリキュールのアマレットの誕生といわれています。
このことから、現在でもイタリアでは、アマレットは好意や友情のシンボルとして親しまれています。

アマレットの飲み方


アマレットは、デザートと一緒に飲むのが、一般的な飲み方です。ストレートでも、ロックでも飲むことができます。
いろいろなカクテルとしても飲まれています。ソーダやオレンジジュースで割ったり、ジンなどの他のお酒と混ぜてロックで飲むこともあります。
また、バニラのジェラートにかける方法もあります。アマレットのあまい香りと味わいが、シンプルなバニラアイスをリッチなものにしてくれます。
おすすめは、王道の「アマレット・ディサロンノ」。アマレットの典型とされている味です。まずはストレートで飲んでみて、その後、お好みによってカクテルなどを試してみるとよいでしょう。アレンジがきくリキュールですので、いろいろ楽しんでみてください。

まとめ&エンディング

いかがでしたでしょうか。イタリアは、様々なお酒の歴史のある国。グラッパ、リモンチェッロ、キャンティ、アマレット。いずれも、カジュアルに家族や友だちとわいわい話をしながら楽しく飲むお酒です。イタリアの味をぜひご堪能ください。

太田 由歌

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イタリア在住ワインコーディネーター。 2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。 トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通...

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