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Vol 8 イタリア概論、イタリア北部

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イタリアは、フランス、スペインとともに世界の三大生産国の一角を占めています。南北に長く伸びたイタリアの地形は変化に富んでいるため、イタリアワインの最大の特徴は「多様性」といえます。そのため各州の位置を地図で確認しながら、特徴を覚えていく必要があります。

ここでは、イタリアワインの歴史や気候風土、イタリアの特殊ワインなどについて解説します。

目次
1.イタリアワインの概要
2.ヴァッレ・ダオスタ州
3.ピエモンテ州
4.リグーリア州
5.ロンバルディア州
6.トレンティーノ-アルト・アディジェ州
7.ヴェネト州
8.フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州
9.エミリア・ロマーニャ州

イタリアワインの概要

ここでは、まずイタリアワインに関する基本的な情報を頭に入れて、イタリアワインの全体像を把握することをめざします。

イタリアワインの歴史


紀元前2000年より前からワイン造りが行われていましたが、本格的なブドウ栽培を伝えたのはギリシャ人とエトルリア人でした。ギリシャ人は、シチリアやカラブリア、プーリアなどイタリア南部を植民地化した際に、グレーコやアリアニコなど現在も栽培されているブドウ品種を、優れた醸造技術と共にもたらしたとされます。そのギリシャ人たちは、イタリアがブドウ栽培において理想的な環境であったことから「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と呼び讃えました。

紀元前8世紀から1世紀に渡り、ポー河以南からローマ北部に至るまでイタリア中部の広い範囲を支配していたエルトリア人は、建築・製鉄などの高い技術を持ち、洗練された文明を反映させました。

今でこそ当たり前のようにあるワイン法ですが、1716年にトスカーナ大公コジモ3世が行った生産地の線引きが、原産地呼称制度の最初の例といわれています。
いくつもの国に分かれていたイタリアは1861年にサヴォイア王家のもと統一を果たしました。

恵まれた土地のせいで、永らく「安くてそれなりに美味しいワイン」という評価から抜け出せずにいました。しかし、70年代に入り意欲的な生産者が世界に通用する高品質ワインを生産することに尽力し、イタリアワインに急速に近代化をもたらしました。後にイタリアワイン・ルネッサンスと呼ばれるこの動きは、栽培・醸造・熟成において最新技術、さらに国際品種を導入することで従来の殻を破り、80年代に入りその核心的なワイン世界の注目を集めました。
特にトスカーナにおいてはスーパータスカンと呼ばれ、サッシカイアなど高級イタリアワインが生まれました。

現在は、固有品種の素晴らしさが見直され、そこでしか生まれないワイン造りが注目されています。

イタリアの気候風土、地形


南北に1300㎞と長いため、産地によって気候が異なり、個性豊かなワインを生む要因となっています。首都ローマが釧路と同じ北緯42度で、イタリア最南端のランペドゥーサ島が東京と同じ35度となっています。

ヴェスヴィオ火山やエトナ山などの火山が多く、火山性土壌であり、花崗岩土壌のエリアも比較的多いのがイタリアの特徴です。

南ヨーロッパに位置付けられ、アルプス山脈の南側から地中海に突き出た半島です。総面積30.1万㎢で、日本の国土の80%ほどですが、人口は6000万人ほどです。半島を南北に縦断するようにアペニン山脈が連なっています。イタリアの東側をアドリア海、西側をティレニア海に囲まれており、それぞれの海が独自の影響を気候に与えています。

イタリアワインの主なブドウ品種


中央アジアのコーカサス原産のヴィティス・ヴィニフェラはギリシャを通りイタリアを北上してヨーロッパ各地に広がっていきました。そのため、現在もイタリア半島には多くの固有品種が残り、今では貴重な財産となっています。

栽培面積の多い順に、黒ブドウはSangioveseサンジョヴェーゼ、Montepulcianoモンテプルチャーノ、Merlotメルロ、白ブドウはCatarratto Comuneカタラット・コムーネ、Trebbiano Toscanoトレッビアーノ・トスカーノ、Chardonnayシャルドネとなっています。

イタリアにおけるワイン法


1963年に、イタリア政府は最初の原産地呼称法を制定し、イタリアワインは、ブドウの収量、ワインの収量、アルコール度などが厳しく制約されたD.O.C.、D.O.C.G.に格付けされることとなりました。2008年には、EUの新ワインに合わせ改正し、2010年5月より施行されています。

EUレベルでは、D.O.P.、I.G.P.、Vinoの3カテゴリーとなりますが、イタリアワインに関しては従来通りのD.O.C.G.、D.O.C.、I.G.T.などの表示も認められています。

イタリアの新酒(Vino Novello)に関しては、単独の立法でD.O.P.(D.O.C.G.&D.O.C.)、I.G.P.にのみ認められており、マセラシオン・カルボニク法で造られたワインが40%以上含まれていなければいけません。また、収穫年の12月31日までに瓶詰めし、ラベルへの収穫年を記載しなければならず、解禁日は10月30日の零時1分以降と定められています。

その他のワインや酒類


イタリアでは、収穫して2~3ヶ月陰干し(Apassimentoアパッシメント)したブドウを用いたワインが各地で造られています。

Passito:全州で造られており、陰干しして糖度を高めたブドウから造った甘口ワインです。

Recioto:パッシートと同じで、ヴェネト州での呼称です。

Amarone:ヴェネト州で造られており、陰干しブドウの糖分を全てアルコール発酵させ、辛口に仕上げたワインです。ワイン名は後味に残る苦味(Amaro)に由来しています。

Sforzato:アマローネと同じで、ロンバルディア州での呼称です。

Vin Santo:トスカーナ州の特産品で、陰干しして糖度を高めたブドウから造り、小樽で長期間酸化熟成させたアルコール度の高い辛口、中甘口、甘口ワインです。

また、ワインではありませんが、リモンチェッロ(カンパーニア州のソレント半島とその周辺で、レモンの皮で造るリキュール)やグラッパ(ブドウやワインの搾り残しを原料とした蒸留酒で、フランスのマールと同じ)などは人気があります。

イタリア北部

ファッションの都ミラノや、水の都ヴェネツィアを擁するイタリア北部は、東西に延びているアルプス山脈からの冷たい風を受ける寒冷な気候を生かしたワイン造りを行っている地域です。8つの州それぞれで栽培されているブドウ品種とワイン生産量やD.O.P.(D.O.C.)(統制原産地呼称)をしっかり押さえておくことで、中部や南部との違いを理解しておきましょう。

イタリア北部の主要なA.O.C.ワイン、そして歴史や気候風土について解説します。

ヴァッレ・ダオスタ州

ヴァッレ・ダオスタ州は、スイスやフランスと国境を接し、イタリアの北西部に位置する州です。イタリアの中で最も小さな州で、ブドウ畑の所有は細分化されているため、規模の小さな生産者が多いです。白ワイン、赤ワインいずれも個性が強く高品質ですが、生産量が少ないため希少性のあるワインとして知られています。

ヴァッレ・ダオスタ州方の歴史と文化経済


もともとケルト人が支配していましたが、紀元前1世紀にローマの支配下に入った後は、イタリアとフランスやスイスをつなぐ交通路として重要な役割を担ってきました。11世紀にサヴォイア家の領地となり、19世紀初頭のナポレオン支配の時期を除いて、サヴォイア家の支配下にあり続け、そのままイタリア王国に組み入れられました。

ほとんどが山岳地帯のため耕作面積が少なく、貧しさから多くの住民がフランスやスイスに移住しました。ヴァカンス地として人気があり、夏は登山、冬はスキーを楽しむ観光客が多く訪れます。

ヴァッレ・ダオスタ州の気候風土


「アオスタの渓谷」という意味を持つ州名の通り、氷河によって削られてできた渓谷を持っています。典型的なアルプス気候のため、冬は寒さが厳しく、降雪が多いです。夏は涼しく昼夜の温度差が大きくなっています。この州にしかないユニークなブドウ品種が栽培されています。

ヴァッレ・ダオスタ州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによるとワイン生産量は22,000hℓ、ブドウ栽培面積は450haです。ワイン生産量はイタリア全州の中で最も少ないですが、22品種のブドウを使った多彩で個性の強いワインを醸造しています。赤ワインが62%、白ワインが38%という割合になっています。

主要なブドウ品種は白ブドウのPrié Blancプリエ・ブラン、Moscato Biancoモスカート・ビアンコ、Pinot Grigioピノ・グリージョ、黒ブドウのFuminフミン、Petit Rougeプティ・ルージュです。

Prié Blancはラ・サル村とモルジェ村の狭い範囲だけで栽培されている白ブドウです。
ワイン生産量や主要なブドウ品種は少なめなので丸々暗記しておきましょう。

ヴァッレ・ダオスタ州の郷土料理と食材


Mocetta(カモシカの生ハム)やPolenta e Fontina(ポレンタのフォンティーナチーズかけ)といった前菜や、Zuppa Valpellinese(キャベツ、パン、フォンティーナチーズのスープ)、Carebonade(塩漬け牛肉と玉ねぎの煮込み)、FontinaやValle d’Aosta Fromadzoなどのチーズなどがヴァッレ・ダオスタ州のワインとの相性がいい郷土料理とチーズです。

山岳地帯なので野菜が少なく、肉やチーズを使った料理が多いのが特徴です。

ヴァッレ・ダオスタ州の主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン


主要なD.O.P.(D.O.C.)ワインはValle d’Aostaヴァッレ・ダオスタ(Valle d’Aosteヴァッレ・ダオステ)1種類です。しかしさまざまな品種や地理表示が認められています。

主要な品種・地理表示の銘柄を教本でチェックしておきましょう。

《教本参照》

ピエモンテ州

アルプス山脈の南側に広がるピエモンテ州は、スイスとフランスと国境を接しており、トスカーナ州と並ぶ高級ワインの産地です。特に赤ワインは世界的に有名であり、固有品種による単一品種ワインが多いのが特徴です。

ピエモンテ州の歴史と文化経済


新石器時代から人類が住んでいましたが、本格的に繁栄したのは古代ローマ時代です。ゲルマン大移動後はイスラムやマジャールにも侵略され、多くの民族が争う場所となりました。11世紀以降は徐々にサヴォイア家が支配し、1861年のイタリア王国成立によってピエモンテのトリノが首都となりました。初代首相のカミッロ・カヴ―ル伯爵がフランスから醸造家を招いたことで、それまで甘口ワインであったバローロが長期熟成の辛口赤ワインとして生まれ変わりました。

伝統を重んじ、控えめで物静かな性格は文化にも反映され、洗練された渋いものが好まれる傾向にあります。伝統料理屋ワイン文化は、イタリアでも特に優れており、スローフード運動の発祥地として知られます。

世界的自動車企業フィアットの企業城下町であるトリノを擁し、自動車産業をはじめとした工業がさかんです。チョコレート生産や情報産業、農業も伸びており、金融関連企業が多くあることでも知られています。また、2014年に「ピエモンテのブドウ畑の景観(ランゲ・ロエロ・モンフェッラート)」が世界文化遺産に登録されたこともあり、観光客も急増しています。

ピエモンテ州の気候風土


シチリアに次ぐ大きな面積を持つピエモンテ州は、アルプス山脈とリグーリア・アペニン山脈によって東側以外の三方を囲まれています。43.3%が山岳地帯、30.3%が丘陵地帯、26.4%が平地です。山脈からの雪解け水が豊富に運ばれ、人工水路も整備されているため、水路を利用してブドウ栽培以外の農業も盛んです。

気候は温帯と亜寒帯の大陸性気候で、年間通じて湿度が高く、夏は暑く冬は寒く、しばしば霧が深くなります。

ピエモンテ州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによると、ワイン生産量は2,654,750hℓ、ブドウ栽培面積は41,435haです。生産量の90%以上はD.O.P.ワインで占めるという高品質ワインの産地で、そのうち赤ワインが60%です。

主要なブドウ品種は白ブドウのCorteseコルテーゼ、Arneisアルネイス、Moscato Biancoモスカート・ビアンコ、黒ブドウのNebbioloネッピオーロ、Barberaバルベーラ、Dolcetto(ドルチェット)、Brachettoブラケット、Grignolinoグリニョリーノです。

ピエモンテ州の郷土料理と食材


Bagna Cauda(オリーブオイルにアンチョビとニンニクを入れ、火にかけながらそのソースに野菜をつける料理)やCarne Cruda Battuta(刻んだピエモンテ牛の生肉にレモンと塩をかけたもの)といった前菜や、Carpe in Carpione(鯉の南蛮漬け)、Brasato(牛肉の塊を野菜と共にワインでマリネし、長時間煮込んだもの)Tajarin(卵入り手打ち細麺のパスタで卵黄の量が多いのが特徴)、Tartufo Bianco d’Alba(アルバ名産の白トリュフ)、CastelmagnoやBraなどのチーズ等がピエモンテ州ワインとの相性がいい郷土料理や食材とされています。

ピエモンテ州の主要なD.O.P.(D.O.C. /D.O.C.G.)ワイン


ピエモンテ州で醸造されるワインはその90%以上をD.O.P.ワインが占めています。エリア別に主要なD.O.P.(D.O.C. /D.O.C.G.)ワインを覚えておきましょう。

ノヴァ―ラ県・ヴェルチェッリ県・トリノ県Gattinaraガッティナーラ、Ghemmeゲンメ、Caremaカレーマ
アスティ県・アレッサンドリア県Astiアスティ、Gaviガヴィ、Brachetto d’ Acquiブラケット・ダックイ、Freisa d’Astiフレイーザ・ダスティ、Grignolino d’Astiグリニョリーノ・ダスティ、Monferranoモンフェッラーノ
クーネオ県Barbarescoバルバレスコ、Baroloバローロ、Barbera d’Albaバルベーラ・ダルバ、Dolcetto d’Albaドルチェット・ダルバ、Langheランゲ、Nebbiolo d’Albaネッビオーロ・ダルバ

リグーリア州

イタリア北西部に位置し、イタリア最大の港町ジェノヴァを持つリグーリア州は、耕作可能な土地こそわずかでブドウ栽培が困難であるものの、非常に多様な固有品種が栽培されているのが特徴です。

成熟した果実味と爽やかなアロマ、フレッシュな飲み口で人気ですが、生産量が少ないため地元民と観光客でほぼ消費されてしまい、州外で手に入れることが難しくなっています。

リグーリア州の歴史と文化経済


リグーリア州は古代からイタリアとフランスを結ぶ交通路として栄え、中世後期はジェノヴァ共和国が地中海貿易の覇権をヴェネツィア共和国と争うほど繁栄しました。多くの冒険家や探検家を輩出しており、最も有名なのは新大陸を発見したクリストフォロ・コロンボ(コロンブス)です。文化レベルが高く、著名な俳優や音楽家、政治家を数多く輩出しています。

耕作可能な土地が少ないものの、リグーリア州で栽培される農作物は高品質です。花や柑橘系、オリーブオイルなどが有名で、観光業も主要産業になっています。

リグーリア州の気候風土


面積が小さい割に多くの住民が暮らすリグーリア州は、65%が山岳地帯、35%が丘陵地帯で平野がないため、急斜面に狭い段々畑でブドウが栽培されています。チンクエ・テッレ地区の海に迫る絶壁の段々畑の風景は唯一のもので、世界遺産に登録されています。

海岸部はリグーリア海からの風が吹く温暖な地中海気候に恵まれ、内陸部は冬寒く夏暑い亜大陸性気候です。

リグーリア州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによるとワイン生産量は79,505hℓ、ブドウ栽培面積は1,623haです。ワイン生産量はヴァッレ・ダオスタ州に次いで少なく、白ワインが70%を占めます。

主要なブドウ品種は白ブドウのVermentinoヴェルメンティーノ、Pigatoピガート、Boscoボスコ、Bianchetta Genoveseビアンケッタ・ジェノヴェーゼ、Albarolaアルバローラ、黒ブドウのRosseseロッセーゼ、Ormeascoオルメアスコです。

リグーリア州の郷土料理と食材


Buridda(干鱈などを使ったスープ)やCiuppin(魚を裏ごししたスープ)、Cima alla Genovese(仔牛のミンチ、胸線肉、野菜、ゆで卵、松の実などを大きなロールにして火を通し、冷製にしたもの)、リグーリア州のオリーブオイルなどが、リグーリア州のワインとの相性がいい郷土料理や食材とされています。

リグーリア州の主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン


リグーリア州のD.O.P.(D.O.C.)ワインは西部と東部とに分けて認定されています。それぞれ銘柄をしっかり覚えておきましょう。

西部Rossese di Dolceacquaロッセーゼ・ディ・ドルチェアックア、Ormeasco di Pornassioオルメアスコ・ディ・ポルナッシオ、Riviera Ligure di Ponenteリヴィエーラ・リーグレ・ディ・ポネンテ
東部Cinque Terreチンクエ・テッレ、Collo di Luniコッリ・ディ・ルーニ

ロンバルディア州

イタリアの北西部に位置するロンバルディア州は、イタリアの国民総生産の1/4を生み出す国内で最も豊かな州です。ワインの生産地は主要3ヶ所を中心に州内に広がっていますが、ワインのタイプは多く、多種多様な個性を持っています。

ロンバルディア州の歴史と文化経済


現在の州都ミラノは、古代ローマ時代からすでに繁栄していましたが、フランスやスペイン、オーストリアなどの支配が続きました。その後、ロンバルディア州はイタリア統一運動の中心地となり、イタリア王国の成立に貢献しました。現在イタリア国内で最も人口が多く、1000万人近い住民が暮らしています。

フランスやスペイン、オーストリアなどの影響を受けて洗練された文化を持ち、華やかな社交界も存在していました。ミラノは、ジャーナリズムや出版の中心地でもあり、商業や金融、重工業、軽工業、ファッションなどロンバルディア州にはあらゆる産業が集まっています。

ロンバルディア州の気候風土


ロンバルディア州は山岳地帯が40.5%、平野が47.1%です。北に連なるアルプス山脈の南には、イタリア最大のガルダ湖、マッジョーレ湖、コモ湖、イゼオ湖など、数多くの湖が存在し、風光明媚なだけでなく、独自の微気候をつくり出しており、ブドウ栽培に適しています。

基本的には大陸性気候ですが、北部はアルプス性気候で、大きな湖の周りは地中海性気候と変化に富んでいます。

ブドウ栽培がされている丘陵地帯は、プレアルプスから冷たい風が吹いて昼夜の温度差をつくり、ブドウのアロマ形成に非常に重要となっています。夏の気温と湿度が高く、風もほとんどないポー平野周辺では、ブドウ栽培はほとんど行われていません。

ロンバルディア州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによると、ワイン生産量は1,488,331hℓ、ブドウ栽培面積は21,583haです。赤ワインが51%、白ワインが49%という割合でほぼ半々です。

主要なブドウ品種は、白ブドウのChardonnayシャルドネ、Pinot Biancoピノ・ビアンコ、Pinot Grigioピノ・グリージョ、黒ブドウのChiavennascaキアヴェンナスカ、Pinot Neroピノ・ネーロ、Barberaバルベーラ、Croatinaクロアティーナ、Moscato di Scanzoモスカート・ディ・スカンツォです。

ロンバルディア州の郷土料理と食材


Salame Milano(ミラノ風サラミ)やBresaola(ヴァルテッリーナ名産の牛肉の生ハム)といった前菜や、Ossobuco(仔牛すね肉の輪切り煮込み)、Busecca(仔牛の胃袋とインゲン豆、トマトの煮込み)といった肉料理、GorgonzolaやTaleggioなどのチーズがロンバルディア州ワインとの相性がいい郷土料理やチーズとなっています。

ロンバルディア州の主要なD.O.P.(D.O.C.G./D.O.C.)ワイン


ロンバルディア州で認定されている主要なD.O.P.(D.O.C.G./D.O.C.)ワインは、エリア別に覚えておくといいでしょう。

ソンドリオ県Sforzato di Valtellinaスフォルツァ・ディ・ヴァルテッリーナ、Valtellina Superioreヴァルテッリーナ・スペリオーレ、Valtellina ヴァルテッリーナ
ブレーシャ県・ベルガモ県Franciacortaフランチャコルタ、Moscato di Scanzo モスカート・ディ・スカンツォ、Luganaルガーナ
パヴィア県Oltrepò Paveseオルトレポ・パヴェーゼ

トレンティーノ-アルト・アディジェ州

イタリア国内の最も北に位置するトレンティーノ・アルト・アディジェ州は、北はオーストリア、スイスと国境を接しています。ドイツ語圏のアルト・アディジェ地方とイタリア語圏のトレンティーノ地方それぞれが自治県であり、幅広い権限を持っています。

州の真ん中を北から南にアディジェ川が流れ、その両側にドロミーティ山塊が連なっています。

アルト・アディジェ地方は、白ワイン産地として有名であり、トレンティーノ地方では瓶内二次発酵によるスパークリングワインの生産量が伸びています。

トレンティーノ-アルト・アディジェ州の歴史と文化経済


古くから南北を結ぶ交通要所として栄えていたトレントは、聖俗両方の権力を行使するトレント司教公によって中世以降統治されました。その後ナポレオンの支配を経て、ハプスブルク領となりました。アルト・アディジェ州がトレンティーノと共にイタリア王国領となったのは、第一次世界大戦後ですが、アルト・アディジェ州のオーストリア系住民にとってこの併合は受け入れがたく、戦後に至るまで抵抗が行われました。自治州としての立場を獲得した現在でも固有文化を守り抜いています。

商業や農業も盛んですが、観光業が非常に重要です。自治県として優遇されている権利が多いこともあり、住民一人当たりの所得が高く、生活の質が高いことでも知れらています。

トレンティーノ-アルト・アディジェ州の気候風土


3000m級の峰々が続くドロミーティ山塊が南北に連なり、ほとんどが山岳地帯で、森林が約70%を占めます。ブドウ畑は標高200~1300mに広がっており、それぞれの標高に適した品種を栽培しています。ガルダ湖周辺は、温暖な亜地中海性気候で、アディジェ川中部の渓谷は亜大陸性気候、さらに上流へ行くと大陸性気候になり、もっと北に進むとアルプス性気候へと変わっていきます。

トレンティーノ-アルト・アディジェ州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによると、ワイン生産量は1,282,710hℓ、ブドウ栽培面積は15,045haです。生産量の72%は白ワインとなっています。

主要なブドウ品種は、白ブドウの、Pinot Biancoピノ・ビアンコ、Pinot Grigioピノ・グリージョ、Chardonnayシャルドネ、Müller Thurgauミュラー・トゥルガウ、Traminer Aromaticoトラミネール・アロマティコ、Nosiolaノジオーラ、黒ブドウのSchiavaスキアーヴァ、Lagreinラグレイン、Teroldegoテロルデゴ、Marzeminoマルツェミーノ、Pinot Neroピノ・ネーロです。

トレンティーノ-アルト・アディジェ州の郷土料理と食材


北部はForelle Blau(クールブイヨンで煮たアルプスの鱒)やD.O.P.チーズのStelvio、南部はRisotto con le Mele(リンゴ入りリゾット)やD.O.P.チーズのTrentingranaなどがトレンティーノ-アルト・アディジェ州ワインと合う郷土料理や食材です。

トレンティーノ-アルト・アディジェ州の主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン


トレンティーノ-アルト・アディジェ州のD.O.P.(D.O.C.)ワインは、北部と南部とに分けて認定されています。それぞれ暗記しておきましょう。

北部(アルト・アディジェ)Alto Adigeアルト・アディジェ
南部(トレンティーノ)Trentoトレント、Teroldego Rotalianoテロルデゴ・ロタリアーノ、Trentinoトレンティーノ

ヴェネト州

イタリア北東部に位置するヴェネト州は、平野部が多く、アルプス山脈からの雪解け水を運ぶ河川の存在によって水が豊かな州です。国内有数の大ワイン産地で、州別のワイン生産量ランキングでトップになることも多く、デイリーワインから長期熟成能力を持つ複雑なワインまで、様々なタイプのワインを生産しています。

イタリアワインの重要な産地のひとつなので、D.O.C.ワインを中心に特徴をしっかり理解しておきましょう。

ヴェネト州の歴史と文化経済


先史時代から人類が住んでいた痕跡があるヴェネト州は、7世紀頃からヴェネツィアが徐々に勢力を拡大し、東方貿易を独占することで繁栄しました。最盛期には周辺を広く支配する巨大な共和国となりました。その後ナポレオンやオーストリアの支配を経て、1866年にイタリア王国の一部となりました。

第二次世界大戦後半はドイツ軍の支配下に入ったため、連合軍の激しい爆撃を受けましたが、大戦後は高度成長期の波に乗り、中小企業が順調に成長し、イタリア国内で最も豊かな州のひとつとなりました。

ヴェネツィアの影響を受けた海岸地帯では、ほとんど退廃的なまでに洗練された文化が花開いた一方、農業地である内陸部は、素朴な農民文化が色濃く残っています。

第二次世界大戦後の高度成長期に工業が発展しました。皮加工品や金銀細工などが有名で、平野部では農業、畜産も盛んです。

ヴェネト州の気候風土


平野部が56.4%、山岳部が29.1%、丘陵部が14.5%となっており、北部は寒冷な気候で、アドリア海周辺は地中海性気候、それ以外は基本的に亜大陸性気候です。アルプス山脈が北からの冷たい風を防ぎ、アドリア海が気候を和らげるため、基本的には温暖な気候といえます。

ヴェネト州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによると、ワイン生産量は10,158,014hℓ、ブドウ栽培面積は86,971haで生産量は国内1位です。生産量の72%がD.O.P.ワインで、白ワインが78%と多くを占めています。

主要なブドウ品種は白ブドウのGarganegaガルガネガ、Trebbiano di Soaveトレッビアーノ・ディ。ソアーヴェ、Gleraグレーラ、黒ブドウのCorvinaコルヴィーナ、Rondinellaロンディネッラ、Rabosoラボーソです。

ヴェネト州の郷土料理と食材


前菜のSarde in Saor(鰯の南蛮漬け)やRisi e Bisi(グリーンピースと米を煮込んだリゾット)、Pastissada de Caval(馬肉を長時間煮込んだシチュー)、D.O.P.チーズのAsiagoやPiaveなどがヴェネト州ワインと合う郷土料理や食材とされています。

ヴェネト州の主要なD.O.P.(D.O.C.G./D.O.C.)ワイン


ヴェネト州のD.O.P.(D.O.C.)ワインは、西部(ヴェローナ県)のBardolino Superioreバルドリーノ・スペリオーレ、Recioto di Soaveレチョート・ディ・ソアーヴェ、Soave Superioreソアーヴェ・スペリオーレ、Valpolicella Ripassoヴァルポリチェッラ・リパッソです。

その他にも10種類を超えるD.O.P.(D.O.C.)ワインがありますので、教本の一覧表で確認しておいてください。

《教本参照》

フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州

イタリア北東部に広がるフリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州は、フリウリが州土の大半を占め、東側に小さなヴェネツィア・ジューリアが位置しています。70年代に入り、他の産地に先駆けてフレッシュでクリーンな白ワインを造りだしたことで、白ワインの名産地として知られるようになりましたが、近年は固有品種による赤ワインにも注目が集まっています。
また、このエリアの一部の生産者が果皮や種子と共に発酵・マセラシオンを行う白ワインを生産するようになり、その個性的なスタイルには賛否両論の議論が巻き起こっています。

フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州の歴史と文化経済


フリウリはローマ時代から重要な地方とされてきました。中世にはアクイレイア総大司教が支配し、ヴェネツィア共和国の支配を経て、ハプスブルク領となった後、1866年にイタリア王国となりましたが、トリエステは第一次世界大戦後にイタリア王国領になりました。

この地域はイタリア語やフリウリ方言の他、スロヴェニア語とドイツ語も公用語になっています。フリウリは農業中心で非常に貧しい地方でしたが、1970年代から工業が発達し、意欲的な企業が集まって活動を始めたこともあり、今ではイタリアで最も豊かな州のひとつとなっています。

フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州の気候風土


アルプス山脈とプレアルプス地帯が東西に伸び、その南側に丘陵地帯が、さらに南のアドリア海にかけて平野部が広がっています。アドリア海の影響で、海岸地帯は亜地中海性気候で、丘陵地帯も比較的温和で、平野部は温和な気候ですが湿度が高いです。北部はアルプス性気候で雨が多く、トリエステは温暖で雨が少ないですが、冬は冷たい風が吹きます。

フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによると、ワイン生産量は1,633,767hℓ、ブドウ栽培面積は23,040haです。生産量の77%が白ワインとなっています。

主要なブドウ品種は、白ブドウのFriulanoフリウラーノ、Ribolla Giallaリボッラ・ジャッラ、Verduzzo Friulanoヴェルドゥッツォ・フリウラーノ、Picolitピコリット、Malvasia Istrianaマルヴァジア・イストリアーナ、Chardonnayシャルドネ、Pinot Biancoピノ・ビアンコ、Pinot Grigioピノ・グリージョ、Sauvignonソーヴィニヨン、黒ブドウのRefosco dal Peduncolo Rossoレフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ、Schioppettinoスキオッペッティーノ、Pignoloピニョーロ、Tazzelengheタッツェレンゲ、Cabernet Sauvignonカベルネ・ソーヴィニョン、Merlotメルロです。

フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州の郷土料理と食材


前菜のFrico(すりおろしたモンタージオチーズの粉にトウモロコシ粉を混ぜて焼いたオムレツのようなもの)や肉料理のGoulash(パプリカを使ったハンガリー風牛肉のシチュー)、D.O.P.チーズのMontasioなどが地元ワインと合う郷土料理や食材とされています。

フリウリ-ヴェネツィア・ジューリア州の主要なD.O.P.(D.O.C.G.)ワイン


フリウリ―ヴェネツィア・ジューリア州の主要なD.O.P.(D.O.C.G.)ワインは、Romandoloラマンドロ、Colli Orientali del Friuli Picolitコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリット、Rosazzoロサッツォです。

教本の一覧表をチェックしてしっかり暗記しておきましょう。

《教本参照》

エミリア・ロマーニャ州

イタリア北東部に位置するエミリア・ロマーニャ州は、州都ボローニャの西側にあるエミリアと東側にあるロマーニャに分かれ、この二つの地方は歴史的・文化的に全く異なる地方です。エミリアは微発泡性の赤ワイン ランブルスコの地、ロマーニャは単一品種が造られており、親しみやすい白ワインRomagna AlbanaはD.O.C.G.へ昇格するなど、醸造されるワインにも明確な違いがあります。

エミリア・ロマーニャ州の歴史と文化経済


ロマーニャは東ローマ帝国のもとで栄えましたが、その後ヴェネツィア共和国や法王庁の支配下となりました。ロマーニャは陽気で活発な農民文化の地ですが、エミリアはヴィスコンティ家やエステ家の支配する公国となり、洗練された宮廷文化が花開きました。

失業率が高いイタリアにおいて、エミリア・ロマーニャ州はイタリアで最も豊かな州として知られ、失業率が低く、移民率が総人口の10%を占めています。高級食材(パルマ産の生ハム、パルミジャーノレッジャーノ、バルサミコ酢など)や高級自動車、機械産業などがさかんで、ニット製品も有名です。

エミリア・ロマーニャ州の気候風土


北西から南東に走るエミリア街道の北側はポー平原とポー・デルタ地帯が広がり、南側は丘陵地帯が広がっています。海岸地域は地中海性気候ですが、内陸部は大陸性気候で、平野部の夏は非常に暑く、湿気が高く、霧も多く発生し、冬は厳しい寒さが続きます。

エミリア・ロマーニャ州のワイン生産量とブドウ品種


2018年のデータによると、ワイン生産量は7,137,356hℓ、ブドウ栽培面積は49,749haです。生産量の55%が白ワイン、45%が赤ワインとなっています。

主要なブドウ品種は、白ブドウのAlbanaアルバーナ、Pignolettoビニョレット、Trebbiano Romagnoloトレッビアーノ・ロマニョーロ、黒ブドウのSangioveseサンジョヴェーゼ、Labbruscoランブルスコです。

エミリア・ロマーニャ州の郷土料理と食材


Tortellini(生ハムや肉を詰めた小ぶりのボローニャのパスタ)やBollito Misto(牛肉の様々な部位、鶏肉やコテキーノなどを一緒にゆでたもの)、Prosicutto e Melone(パルマ産生ハムのメロン添え)やAceto Balsamico Tradizionale di Modena(モデナ産の伝統的バルサミコ酢)などや、D.O.P.チーズのParmiggiano Reggianoなどが、エミリア・ロマーニャワインと合う地方料理や食材として有名です。

エミリア・ロマーニャ州の主要なD.O.P.(D.O.C.G./D.O.C.)ワイン


エミリア・ロマーニャ州の主要なD.O.P.(D.O.C.G./D.O.C.)ワインは、各地方に分けて認定されています。数は多くありませんのでそれぞれしっかり暗記しておきましょう。

エミリア地方Colli Bolognesi Classico Pignolettoコッリ・ボロニェージ・クラッシコ・ピニョレット、Lambrusco Grasparossa di Castelvetroランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ、Colli Piacentiniコッリ・ピアチェンティーニ、Colli di Parmaコッリ・ディ・パルマ、Colli di Scandiano e di Canossaコッリ・ディ・スカンディアーノ・エ・ディ・カノッサ、Colli Bolognesiコッリ・ボロニェージ
ロマーニャ地方Romagna Albanaロマーニャ・アルバーナ、Romagna Trebbianoロマーニャ・トレビアーノ、Romagna Sangioveseロマーニャ・サンジョヴェーゼ

イタリア北部は州単位で主要なブドウ品種やD.O.P(D.O.C.G./D.O.C.)ワインを覚えていくのが基本です。似たような名前が多いので、整理しながら州ごとにしっかり覚えていきましょう。

河野ゆみこ

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ことばワークス代表。  建築インテリア・ライフスタイル・起業経営・地域情報などのテーマを中心に、紙媒体・WEB媒体の各種コンテンツや電子書籍原稿の執筆、取材...

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