ワイン試飲会とワインイベントとの違いとは?

ワイン試飲会は単にワインを美味しく楽しむというよりは、テイスティングが目的となります。
ワインに関する知識を深め、新しいワインを発見する場として人気です。
試飲会を主催する業種はさまざまですが、以下のような組織や団体が主催者しています。

インポーター(輸入業者)やワインショップ、酒屋:
異なる国や地域をテーマにしたものから、生産者が来日し一押しのラインナップを揃え、プレミアムな企画もあります。

ワイナリー:
自社のワインのラインナップを試しながら、生産者やワイナリー関係者と直接交流し、
そのワイナリーの特徴や独自のこだわりを知ることができます。

レストランやバー:
新しいワインメニューを紹介したり、特定の料理とのペアリングを楽しんだりする試飲会を開催することがあります。

ワインイベント主催者:
専門のワインイベントを企画・主催する組織もあります。これらの主催者は様々なワイナリーや輸入業者を集め、
大規模なワインフェアやフェスティバルを開催することがあります。

ワイン愛好者団体:
ワイン愛好者やコミュニティが試飲会を企画・主催することもあります。これらのイベントは、
メンバー同士の交流を深める場としてそのワインを共有できることが魅力です。

試飲会は他のワインイベントとは目的として大きな違いがあります。その違いについてお話します。

目次

1,ワイン試飲会とワインイベントの違いとは?… 1

2,試飲会を開催する主な目的… 2

3,試飲会の主催者によって目的も違う… 3

4,試飲会に参加して経験値アップ… 4

5、最後に試飲会に参加する前に… 5

1,ワイン試飲会とワインイベントの違いとは?

どちらもワインをテイスティングするという点では同じです。しかし目的が違います。
ワイン試飲会はあくまで試飲すること自体が目的ではなく、目標なのです。
つまり参加者がテイスティングしてもらうだけではなく、その先には売上が期待されています。
ぜひ主催者の取り扱っているワインを買って欲しい。
一方でワインイベントはそれ自体を参加者が楽しんでもらえれば、目的達成です。両者をそれぞれ詳細に説明しましょう。

2,試飲会を開催する主な目的

ワイン試飲会は主にワイン業者、具体的にはインポーターや酒販店、ワイナリー主催のことが多く、また無料であることが多いです。一部の高額なワインは有料のこともあり、最近は入場料が発生することがありますが、高額になることは稀です。
目的が自社のワインをもっと仕入れてもらい、飲食店や小売店でもっと販売してもらうことなので、
売上が伸びれば試飲会コストを十分賄えることができます。

また参加者も美味しいかどうかやワインテイスティングが主な目的ではなく(実際にはこれがかなり多いのですが)、
あくまで自分のお店の料理に合うワインかどうか、このワインを扱えば売上が伸びるかどうかの視点でテイスティングをします。

これはいわゆるBtoBの関係なので、ワイン業界者でなければ参加できません。
ワイン業過者の連れということで参加できるケースもありますが。

試飲会ではほぼ確実に名刺又はショップカードの提出を求められます。
参加者は飲食店従事者、酒屋やスーパー、百貨店などの小売店の販売者やバイヤー、マスコミ関係、ワインスクール関係などです。


開催時間は平日の午後が多く、これは飲食店のアイドルタイムであり、小売店でも客数が少ない時間帯だからです。

 

また業者関係者ではなく、一般の愛好家が参加できる試飲会では「美味しかったら購入できます」「参会者に当日のみの割引」があるイベント的な試飲即売会などを開催しています。
文字通り試飲して美味しかったら購入できるシステムです。

無料もあれば有料もあります。有料でも数百円程度と低価格だったり、クーポン券とセットになっていて購入すれば
事実上無料のこともあります。主催者は主にワインショップや小売店で、
取引先のバーやレストランを借りて実施することが多いです。
飲食店での開催の場合、有料が多いですが、軽食がついてくることもあり、
また夜は残ったワインでワイン会が開催されることもあります。

ワインイベントは楽しんでもらうことが目的なので、20歳以上で運転者でなければ誰でも参加できます。

主に主催者は愛好家団体や飲食店、イベント会社などです。業者向けの試飲会とは違い、
基本的にはここで完結するので、無料であることは稀です。
そうしなければ主催者側は赤字となってしまいます。

しかし高額にすると参加者は激減してしまいますので、価格設定は慎重にせざるを得ません。

またここで完結とはいっても、参加者が提供されたワインを気に入ってさらに購入してくれたり、
SNSで拡散してくれたりして、主催者側にとっては今後の売上拡大の見込が期待できます。
そのため赤字にならない程度お料金になることが多く、相場は2,000円~5,000円が一般的です。

ここではワインを楽しんでもらうことが重要なので、ワインの説明だけでなく、
ストーリー解説や合う料理と一緒に提供してくれることもあります。

販売相手が業者ではないので、ケースで配送する必要がなく、その場で購入できることもあります。
開催日はより多くの人が休日である土日が多く、また平日の夜もあります。
最近ではインポーターや卸業者が昼間にワイン業界向けの試飲会を開催し、
会場をそのままにして夜に一般向けの試飲会を有料で開催するケースも増えてきました。

3,試飲会の主催者によって目的も違う

試飲会の主催者によっても目的や内容が異なります。
まずワイナリーやメーカー主催の場合は卸業者やその取引先がメインであり、ワイン雑誌の担当者も取材に来ることがあります。
そのワイナリーのワインはもちろん、副次的に作っているオリーブオイルやジュースも試飲に出すことがあります。

最大のメリットは何と言っても生産者と販売者が直接コミュニケーションを取れること。
生産者の思いやそのヴィンテージの状況、さらには裏話まで聞くことができます。

また生産者もどんな商品の反応が良いのか、数字ではわからない情報を得ることができます。
日本未輸入のワインを取り扱う海外のワイナリーがインポーターを探すために試飲会に参加することもあります。

卸業をやっている酒屋が主催する試飲会では、飲食店や小売店が対象となります。
一般消費者向けの有料ワインイベントはほとんどありません。

卸業は多くのワイナリーや海外の輸出業者と取引があるため、
ここに来るだけで世界中のいくつものワインを試飲することができます。
いくつものインポーターに試飲会に参加する時間がない人にとってはうってつけです。そのまま商談することもできる場合があります。

ワイナリーからワインを仕入れる場合、たいていケース単位であり、
しかも混載を認めてくれることは多くはありません。これは小規模なバーやワインショップにとっては負担です。

しかし中間業者である卸であれば、多数のワイナリーをまとめて1ケースにして発送してくれることもあるので、
多少の中間マージンがかかったとしても在庫負担がなくなります。

レストランやバーが主催する試飲会は、実際にはインポーターやワイナリー主催のことが多く、
目的としては上述した内容とほとんど同じです。

これに加えて生産者がどんな料理と合わせて飲んで欲しいかという願いが込められています。
またお店としては自店そのものの宣伝にもなるので、お互いメリットがあります。
ワイン愛好家団体がSNSなどで募集してワインイベントをするにもやはり飲食店が好まれ、
多くは主催者との個人的なつながりによるものです。

他には産地や生産国に特化したワイン試飲会があります。
例えば北海道ワインフェアやニュージーランドワイン会などのように、ワイナリーやインポーター単位のものではなく、それらが集まってできた行事です。
このケースでは企業が主催することもありますが、地方自治体や大使館、ワイン啓蒙団体が主導または後援となります。

大きなイベントの場合は、知事や市長、大使が登場することも。国内外問わず、
ワイン産地は地方が多いため、セールスに必死です。またこうした試飲会はワインだけにとどまらず、
他のお酒や食品など産地そのものをアピールすることもあります。

基本的には業界関係者向けですが、も目的が地方の活性化でもあるため、有料で一般消費者に公開するケースも多いです。

4,試飲会に参加して経験値アップ

ワインを勉強するにはどうしてもテイスティングが避けられません。試飲会はほとんど無料か低価格なので、
勉強するには理想的な環境でしょう。時間が許せば積極的に参加したいところです。
複数のワインをテイスティングすることになるので、口に含んで飲み込まないのが一般的です。
それでもいくつもテイスティングしていると酔いだすことがあるので、適時水分補給が必要です。
水が用意されているので、持参する必要はありませんが、酔いやすい人は予め酔い覚ましなどのサプリメントを飲んでおくのもいいでしょう。

テイスティングコンテストや自分の評価を残しておくためにも、筆記用具も持参しておいた方が良いです。

スピード感覚も重要です。ソムリエなどの認定試験では詳細なコメントが求められますが、
模試的な意味合いで参加すると、せっかくたくさん試飲できるメリットを活かせません。

模擬テイスティング試験はワインスクールなどでやることにして、あくまで必要最低限の事項をメモするようにしましょう。
マスターオブワインは100銘柄を1時間ほどでテイスティングするようです。コメントは単純です。
一度やってみるとわかるのですが、3時間も4時間もテイスティングすることはかなり疲れます。

人にもよりますが、テイスティングに集中できる時間は思っているより短いです。
会場に着いたら、どれを優先的に試飲し、いつまでに終わらせるか目途をつけることが重要です。

5、最後に試飲会に参加する前に

もし余力があれば予習をしておくと、当日の試飲がより有意義になります。
試験ではないので、入場するまで何もわからないということはないはずです。
インポーターであればホームページを閲覧してどんなワインを取り扱っているか、
ワイナリーであればどんな経歴なのかを調べておくことで、当日のテイスティングに集中できます。

特にワイナリー主催の場合、直接質問できるにもかかわらず、ネットで調べればわかることを聞くのはもったいないです。

試飲会やワインのテイスティングイベントは頻繁に開催されるものではありません。
だからこそ貴重な機会として、計画的に参加したいものです。試飲会はどうしても東京や大阪に集中するので、
地方在住でアクセスが難しい方は、思い切って自分が主催者となって小規模な試飲会を参加するのも手です。
顔なじみのレストランや酒屋さんに相談してみるのもありです。

様々なテーマがありますので、試飲会で自分に合ったワインを探すもよし、資格取得のため、たくさんの種類を試す機会として参加するもよし、たくさんの種類を試飲することで経験値もアップします。

【ワイン試飲会・ワインイベント】目的別おすすめ度!

参加者が楽しめる目的別におすすめのイベントはどちらかをまとめてみました。
最高で☆5つとなります。

開催する主催者も、参加する人もそれぞれ目的は様々です。
自分に合ったワイン試飲会やワインイベントを探してみてはいかがでしょうか?

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