ワインイベントはワイン好きの人々が集まるコミュニティの場です。
ただ飲んで楽しむだけでなく、マナーや注意点を守ることで、ワインイベントをより有意義なものにすることができます。
それぞれのワインイベントによってルールが異なる場合もありますので、主催者の指示に従うことも重要ですが、ワインのイベントや試飲会での事前準備から基本的なテイスティング方法やマナーについてご説明いたします。
1. イベント&試飲会に参加する際に事前に知っておきたい事や服装や持ち物について
ワインが大好きで、ワインイベントに興味があるけれど、詳しくなくても大丈夫?どんな服装で参加したら良い?
そんな風に思っている人は多いかもしれません。
でも、安心してください。
ここでは、初心者が知りたいワインイベントや試飲会の気になるアレコレについて、わかりやすく紹介していきます。
ワインイベントや試飲会(以下ワインイベント)にはいろいろな種類があり、それぞれ特徴が異なります。
ふらりと気軽に立ち寄れる試飲即売会形式ものから、
ドレスアップして参加するパーティーまで様々です。
目的や予算、会場の雰囲気から選びましょう。
先ず初めに、服選びについてです。
全てのワインイベントに共通していることですが、イベントには多くの人が参加します。
うっかり服にワインがかかってしまうこともありますので、白色系の服装よりも、
落ち着いた色合いを選べば会場にもなじみやすいでしょう。
冬場は、コートなどのかさばる上着や大きな荷物は、事前に受付に預けておくと便利です。
ただし、会場によっては預かってもらえないこともありますので、預けられる場所も確認しておきましょう。
また、気に入ったワインについてメモできると安心です。
携帯電話のメモを活用してもよいですし、筆記用具を用意しておきましょう♪
シチュエーション1 百貨店のワイン催事
ワインイベントに初めて行く人にとっては、百貨店で開催されるワイン催事がおすすめです。
アクセスの良い店舗が多く、予約不要で入場料もかかりません。
休日に家族や友人と一緒に行くのはもちろん、お仕事帰りに一人で立ち寄りやすいのも嬉しいポイント。
数多くのブースが並び、用意されるワインの種類も豊富です。
気になるワインを試飲して、気に入ったものはすぐに購入できます。
持ち帰るのが重くて大変な時は、配送の手配を頼みやすいところも助かりますね。
服装は、ジーンズなどラフでカジュアルな服装でも全く問題ありません。
百貨店の公式ホームページのイベント情報やtwitterアカウントなどをフォローしておくと、
開催情報を見逃さず早めにチェックできます。
シチュエーション2 ワインフェス(ワイン祭)
もう一つ、初心者にも参加しやすいイベントでオススメなのがワインフェスです。
複数のワイナリーが大きなイベント会場や野外公園などで開催するイベントで
収穫祭や新酒ができる季節に開催されます。
入場料は1000円~4000円くらいです。
お得な前売りチケットがあるイベントもあります。
また有料ですが希少価値の高いワインを楽しめる事もあります。
会場内では現金払いのみの場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
会場内は広い場合が多いため、履き慣れた靴で行くことをおすすめします。
野外の為、日焼け対策も大切です。日傘は他の方の迷惑となります。
帽子やアームカバー、日焼け止めクリームを活用しましょう!
他に用意しておくと安心なのが、ミネラルウォーターの入ったペットボトルや水筒です。水分補給や違うワインを飲む際の口直しなどで大活躍します。
会場によっては、ウォーターサーバーや大きなペットボトルで水が用意されているケースもありますが、特に春から夏にかけて開催されるワインイベントでは、持っておくと安心です。
シチュエーション3 ホテル・レストランでの試飲会や試飲即売会(以下即売会)
ホテルやレストランで開催される即売会は、ワインの輸入代理店であるインポーターや酒販店が主催し、
ワインの選定を行っているケースが多いです。
そのため、コンクールで受賞したワインや話題のワインだけでなく、今後注目すべき日本初輸入のワインなどがたくさん登場します。
これまで知らなかったワインと出会う絶好のチャンスです。
新しい知識や情報も手に入るので、ワインを勉強中の方にもおすすめです。
気に入ったワインは、後日配送もしてもらえます。
参加費は2000円~5000円くらいで、お得な特典付きの前売りチケットが用意されるイベントもあります。
会場内では、ワインと一緒に楽しめるお料理やスイーツが用意されており、
その場合はワインや料理は厳禁や金券を購入する形式です。
数量限定の希少な高級ワインが、有料で提供されることもあります。
気になる人は早めに訪れると良いでしょう。
また、会場を盛り上げるために様々なステージプログラムが行われるのも魅力の一つですよね。
セミナー、ミニコンサート、トークショーや豪華プレゼントが当たる雑学クイズなど。
誰でもウェルカムな雰囲気なので、友人を誘っての参加だけでなく、一人だけの参加でも楽しむことができます。
服装はスマートカジュアルが無難です。
シンプルな組み合わせが良いでしょう。基本的には立食スタイルなので、歩きやすい靴を履いていくのをおすすめします。
シチュエーション4 メーカーズディナー
メーカーズディナーはレストランで開催されるイベントです。
事前予約は必須です。
ワインとお食事を優雅に楽しむ会です。
上質で洗練された空間で、ワインとお料理のペアリングを存分に堪能できるイベントとして、とても人気があります。
料金は大体1万円前後で開催されていますが、シャンパーニュや希少なワイン生産者の来日ディナーとなると
30000円~50000円程度の参加費となりますが、期待していた以上に希少なワインを一気に堪能できる機会は
こういったメーカーズディナーならではのものです。
服装選びは、他の参加者がどんな服装なのか確かめることができず悩むところですが、
会場となるレストランの雰囲気に合わせ、あまりカジュアル過ぎないのが賢明です。
リーズナブルなレストランの場合でも、生産者に敬意を払い、デニムやパーカーなど、カジュアルすぎる服装は避けましょう。
シチュエーション5 ワイン会(交流会)
ワイン会は、ワイン好きな人が集まって自由に楽しく交流できるのイベントです。
一緒にワインを楽める新たな友人に出会えるかもしれません。ワイン好きなら一度は参加してみることをおすすめします。
一人で参加しても、ワインという共通の話題を通じて、会話が弾むこと請け合いです。
お互いの好きなワインやおすすめのイベントなど、いろいろ情報交換をしているうちに盛り上がり、
別のイベントに一緒に行くことになるかもしれませんね。
参加費は5000円~8000円くらい。
服装はスマートカジュアルを基本スタイルにしましょう。
女性ならアクセサリーを付けるだけでも華やかさが増しますね。
男性は堅くなりすぎないようなスタイルがおすすめです。
異性との出会いに重きを置いたワイン会も存在しています。
純粋にワインを楽しみたい方にとっては、戸惑ってしまう可能性があります。
申し込みの際によく確認しましょう。
シチュエーション6 現地見学ツアー
全国には見学することができるワイナリーが数多くあります。
ワイナリーツアーでは、ワインの歴史や製造プロセスについて学びながら、実際にワインを試飲し、購入する事も出来ます。
ぶどう畑や醸造所などを見学しますので、動きやすい服装と畑を歩くのにふさわしい靴で参加した方が良いでしょう。
また試飲をする場合には車の運転は出来ませんので送迎バスが運行しているか等もあらかじめ調べておきましょう。
ワイナリーごとに提供されるツアーコースや開催期間などの詳細は異なる場合があるので、
事前に確認し、予約しておくことが重要です。
ワイン愛好家や興味を持っている人にとってとても楽しい体験です。
それぞれのワイナリーが独自の特色を持っているため、様々な場所を訪れてみてはいかがでしょうか。
2.基本的なテイスティング方法について
ワインイベントにいざ参加しようと思っても、初めてだとどんな風に楽しんだら良いのか、
決まり事を知らないと不安になってしまいますよね。
ここでは、基本的なテイスティングの方法について、お伝えしていきます。
ワインを注がれたら、まずは視覚で楽しみましょう。
持つのは、グラスの足の部分です。
テーブルクロスなどの白い色を背景にして見ると、ワインの色の違いがわかりやすくなります。
白ワインは、ほとんど透明のものから、ゴールドに近い色のものまであります。
赤ワインは、ピンクや紫がかったルビー色から茶色や黒に近い色のものまで。
ロゼの場合も、淡いピンク色から赤ワインに近い深みのあるバラ色まで、本当に様々です。
次は、香りを楽しみましょう。
まず、グラスに鼻を近づけて、静かに香りを感じ取ります。次にグラスで小さな円を描くように2回ほど回して、香りを立てます。
これをスワリングと呼びます。
ワインに空気を触れさせ、より香りを引き出してくれます。
時々、派手にスワリングしている人を見かけますが、
たくさん回せば美味しくなるというものではありません。一般的に、2~3回で十分です。
必要以上に回しすぎることで、むしろ風味や香りが損なわれ、台無しになってしまうこともあります。
また、スパークリングワインは、回すとせっかくの泡が抜けてしまいます。
知ったかぶりをしてうっかり回していると、
「ワインのことを全くわかっていない人」
だと思われてしまうかもしれません。
気を付けましょう。(笑)
ワインイベントでは、提供されるワインの種類が多く、たとえ少量ずつでも、気が付けば相当の量を飲んでいたということはよくあります。
空腹の状態でたくさんのワインを飲み続けていると、酔ってしまいます。
より良いコンディションでワインを楽しめるよう、
チーズやクラッカー、スープなど軽食を取っておきましょう。
くれぐれも、食べ過ぎには気を付けてくださいね。
また、ワインだけを飲むのではなく、お口直しも兼ねて、水も飲むようにしましょう。
適度に水を飲んでおくことで、悪酔いも防止できます。
3.ワインイベント&試飲会でのマナーとテイスティングについて
ワインイベントや試飲会は、気軽に参加できるものからワンランク上の雰囲気のものまでいろいろですが、
基本的なマナーを知らずに参加すると、周りの人に不快な思いをさせてしまうこともあります。
ここでは、ぜひ知っておきたい、イベント&試飲会でのマナーについてお伝えします。
テイスティングの項目でお伝えしたように、ワインイベント&試飲会は、ワインの香りを楽しむのも重要なポイントになります。
ワインの香りの邪魔になる香水をつけていくのは控えましょう。また香りの強いハンドクリームやリップクリームなども同様です。無香料タイプを持っていきましょう。
百貨店の催事や試飲会会場の場合
たくさんの方が、限られた時間の中でいろいろなワインを楽しむために来場しています。
1つのブースにいつまでも長居するのは控えましょう。
気に入ったワインの写真を撮りたいと思った時も、撮る前に確認して、手短に済ませ、他の方にも配慮しましょう。
メーカーズディナーやワイン会の場合
着席スタイルで行われるワインイベントでは、本格的なワイングラスで提供されます。
ワイングラスはとても繊細に作られていますので、乾杯でグラスを合わせると、小さな力でもグラスが割れてしまいます。
乾杯は、グラスを顔の高さくらいまで持ち上げ、アイコンタクトするのが良いでしょう。
女性の場合、グラスに口紅が付くのを気にする人もいると思います。
ナフキンなどにべったり付くのもマナーに反します。事前に口紅をティッシュなどで軽く拭いておきましょう。
お料理が出されると、ついつい写真に収めたくなる気持ちはわかります。
でも、写真を撮ることに夢中になりすぎて、ワイナリーの方やシェフの話を聞かないのでは元も子もありません。
ワインやお料理の説明が終わるまで待ちましょう。
ワインづくりのこだわりや、お料理の隠し味など、
そこでしか聞けないエピソードにしっかり耳を傾けることで、より楽しめるはずです。
また、他の参加者が写っている写真を、勝手にSNS等にアップするのはトラブルのもとになります。
必ず確認をしましょう。
ワインイベントは基本的なマナーさえ押さえておけば、決して難しいことはありません。
世界中には、数えきれないほどのワインがあります。
イベントに参加して、そのワインができあがるまでのストーリーを知ることで、よりワインを好きになれるでしょう。
料理とのペアリングはもちろんのこと、ワインを通じた出会いもまた、ワインイベントの醍醐味です。
大人の好奇心と感性がくすぐられる、気軽な社交場として、ぜひ足を運んでみてください。