古くて新しい産地を巡る:クロアチア編

クロアチア~古代から現代に至るアドリア海沿岸部の文化の回廊

アドリア海沿岸部。中央・南部ダルマチア地方のワイン産地ディンガッチ全景

クロアチア共和国、通称クロアチアは、東ヨーロッパ、バルカン半島に位置する共和制国家です。

南はアドリア海に面しその対岸にはイタリア、西にスロベニア、北にハンガリー、東にボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアと国境を接しています。

北東の内陸部に位置する首都のザグレブはイタリアのベネチアとほぼ同じ緯度に位置。

またアドリア海沿岸南端のドゥブロヴニクはボスニア・ヘルツェゴビナ領のネウムによって分断され飛び地となり東モンテネグロと接しています。

9世紀のビザンチン帝国の成立以来、アドリア海沿岸部は、その地政学的な位置からヴェネツィアの東方貿易おける一拠点として19世紀初頭に至るまでその支配を受けていました。

そのため食文化から建築にいたるまで、ヴェネチア王国の影響を色濃く受け、国際空港も要するドゥブロヴニクは1979年に旧市街が世界遺産に登録され「アドリア海の真珠」とも謳われる美しい街並みを誇る傑出した観光地として多数のクルーズ船が寄港しています。

(ドゥブロヴニクの街並みがジブリ映画『魔女の宅急便』と『紅の豚』のモデルになっていると聞けば、その美しい街並みを想像しやすいかと思います。)

ドゥブロヴニクの街並み

クロアチアワインは紀元前5世紀ごろまで遡ることのできる非常に古い歴史を持っています。

ローマ時代 紀元280年頃 マルクス・アウレリウス・プロブス帝にによって沿岸部のダルマチア地方から内陸部のパンノニアまでブドウが植樹されていきました。

その後、オスマン帝国、ヴェネツィアやオーストリア=ハンガリー帝国と支配者は変わりますが、独立後の現在に至るまで、様々な時代と文化をモザイク様に吸収してワインを造り続けています。

ワインはクロアチア国内で極めて一般的な飲み物で、地元の人々は伝統的に食事と一緒にワインを日常的に楽しんでいます。


クロアチアのワインの2/3は白ワインで、残りの大部分は赤ワイン。

ロゼワインやスパークリングワイン、デザートワインなども生産していますが、ワイン生産量の全体比率に締めるそれらの割合はごくわずかなものです。

また約130種にものぼる多彩な土着品種が、世界的な土着品種回帰の流れにあって特に注目のワイン生産国として脚光を浴びる一因ともなっています。

クロアチアには大きくわけて2つのワイン生産地域があります。

北東部にある大陸地域では、スロヴェニア、オーストリア、ハンガリーの近隣地域と似たスタイルの豊かなフルーティーな白ワインが生産されています。

クロアチア最東端のワイン産地イロク地区にあるイロチュキ・ポドゥルミ。

アドリア海沿岸部岸の北、イストリア半島ではイタリアに似たスタイルのワインが造られていますが、南東の沿岸部、ダルマチア地方では沿岸部と孤立した沿岸島嶼部の多様なミクロクリマで、豊富な固有種からなる個性的なワインが生産されています。

また大陸部では主に白ワインが、沿岸部では赤ワインが生産されています。

なおクロアチアにはスラヴォニア・オークの森があり、ヨーロッパの多くのワインメーカーに高級ワイン熟成用の樽のためのオークを供給しています。

クロアチアワインの歴史

他の中央ヨーロッパや南ヨーロッパと同様に、クロアチアのブドウ栽培はローマ帝国が台頭する何百年も前から存在していました。

近年の研究では、古くは青銅器時代と鉄器時代のアドリア海沿岸部のダルマチアに住むイリリア人はすでにブドウを栽培していた可能性があることが示されています。

しかし、クロアチアでのブドウ栽培およびワイン生産の本当の始まりは、紀元前5世紀ごろクロアチアの海岸に到着した古代ギリシャ人の入植者よってもたらされました。

そしてローマ帝国の下で、ワインの生産はより発展、また組織的になり、生産されたワインはローマ帝国の他の地域に輸出されました。

15世紀になるとオスマン帝国の支配下となりますが、イスラム法の下で飲酒が禁止されたものの聖職者や修道士によってワイン造りの伝統は継承されていきます。

18世紀になるとクロアチアはハプスブルク帝国の支配下に入り、19世紀から20世紀にかけてワインの生産が盛んになりました。またその時代はリースリングなどのドイツ系品種が主流となりました。

特にフィロキセラが西ヨーロッパで猛威を振るいはじめた19世紀末になると、クロアチアのブドウはしばらくの間その影響を受けなかったため、一時的にワインの輸出が大幅に増加しました。

しかし20世紀初頭になると、クロアチアにもフィロキセラの病害が到達し、他のヨーロッパ諸国と同様にブドウ畑が壊滅。ワイン生産は激減することとなりました。

ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の共産主義体制の下では、ワイン生産はコルホーズ(大規模な協同組合)となり、旧ソビエト向けに品質よりも生産量に重きが置かれたワイン造りがなされました。

1991年のクロアチア独立から始まった悲惨な紛争では、多くのブドウ畑やワイナリーが再び破壊されましたが、2013年のEUへの加盟以降、それまで国内消費が中心だったところが、EU基準のワイン規制を整備するなどをして、世界のワイン市場で競争力のある素晴らしいワインを生産し始めています。

クロアチア政府によるワインの法整備(原産地呼称制度)について

クロアチアのZOI

2013年のEUへの参画以降、フランスのAOCやイタリアのDOCほど厳格ではないものの、EUのワイン規制にのっとった原産地呼称と品質基準が整備されています。

クロアチア語での原産地呼称制度はZaštićena Oznaka izvornosti(以下、略称ZOIを用いる)。

これはProtected Designation of Origination(保護された原産地呼称)の意で、ZOI保護されたラベルのワインは、そのワインがZOIにより定められた特定地域の特定ブドウを使用したものであり、細かく決められた品質基準をクリアしたミクロクリマを反映したクオリティであることを保証しています。

現在、クロアチアでは16の産地をZOI指定しています。

クロアチアにおけるワイン用語と格付け

味わいによる分類

  • スーホ(Suho):ドライ
  • ポル・スーホ(Polusuho):セミ・ドライ
  • スラトコ(Slatko): 甘口

ワインのタイプ

  • ビイェロ・ヴィノ(Bijelo Vino): 白ワイン
  • ツルノ・ヴィノ(Crno Vino) : 赤ワイン
  • ロゼ(Rosa): ロゼ

なお赤ワインを意味する「ツルノ・ヴィノ(Crno Vino)」は直訳すると「黒いワイン」ですが、クロアチアでは赤ワインのこと文字通り黒ワインと呼んでいます。

ラベル表記(ZOIによる格付け/保護)

ZOIを元に、品質によって分類されるクロアチアワインの等級は4段階あり、次のようにラベルに記載されています。

テーブルワイン(原産地表記なし)
Stolno Vino(ストウノ・ヴィノ)

テーブルワイン(原産地表記あり)
Stolno Vino Kontrolirano Podrijetlo(ストウノ・ヴィノ・コントリラーノ・ポドュリエトロ)

上級ワイン
Kvalitetno Vino Kontrolirano Podrijetlo(クヴァリテートノ・ヴィノ・コントロリラーノ・ポデュリエトロ)

最上級ワイン
Vrhunsko Vino Kontrolirano Podrijetlo(ヴルフンスコ・ヴィノ・コントロリラーノ・ポデュリエトロ)

ブドウの成熟度による分類

ブドウ成熟度が高いワイン
プレディカートナ・ヴィナ(Prdikatna Vina)

遅摘みブドウのワイン
カスナ・ベルバ(Kasna Berba)

厳選した遅摘みブドウのワイン
イズボルナ・ベルバ(Izborna Berba)

クロアチアの地理と気候

アドリア海沿岸部。中央・南部ダルマチア地方のワイン産地ディンガッチ

クロアチアはイタリアの東、アドリア海を挟んで北西から南東へと続いている端的にいえば地中海の国で、沿岸部は典型的な地中海性気候となりますが、北にアルプスのある内陸部では大陸性の気候となり、多様なミクロクリマを形成しています。

北東の内陸部にはパンノニア平原があります。そして内陸部でのワイン生産は、パンノニア平原に接する丘陵地に集中しています。

クロアチア最東端のワイン産地イロク地区にあるイロチュキ・ポドゥルミ。

沿岸部や、沿岸の島々はカルスト地帯であり、それらの石灰岩台地丘の急な斜面では、豊富な太陽を受けてブドウが栽培されています。

カルストの石灰岩の急斜面にあるスカラムーチャのブドウ畑

クロアチアのワイン産地

自然の特徴(気候、土壌、地形)により、クロアチアのワイン産地は大きく分けて大陸側の内陸部とアドリア海沿岸部の2つの大別されます。

そのうち大陸性気候の、クロアチア高地と大陸東部、地中海性気候の大陸西部とアドリア海沿岸部のエリアに大きく分けられます。

以下に、さらにクロアチアワインの生産地域を分類する一般的な4つのエリアにわけて産地の特徴をみていきます。


スラヴォニア&ドナウ地方(内陸東部)

クロアチア最東端のワイン産地イロク地区にあるイロチュキ・ポドゥルミ。

この地域は地理的には、北のドラヴァ川(ハンガリー国境)、東のドナウ川(セルビア国境)、南へのサヴァ川(ボスニア・ヘルツェゴビナ国境)および西のイロヴァ川に囲まれています。

穏やかで乾燥した大陸性の気候であり、産するワインはフレッシュで香りがよいのが特徴です。

スラヴァニア(Slavonija)とポドナヴリエ(Podunavlje)を主産地(ZOI指定)とし、Western Continental Croatia ZOI(東部大陸クロアチアZOI)に含まれます。

ブドウは、ローマ時代以前からこの地域で栽培されており、標高約100〜250メートルの緩やかな丘陵地帯で生産されています。


クロアチア高地

クロアチアの首都ザグレブの南東に広がるワイン産地モスラヴィーナのワイナリー、ヤンチャールの畑

クロアチア高地は、 クロアチアの北西部のワイン生産地であり、ザゴリエ(Zagorje)、プレジヴィカ(Plešivica)、プリゴリェ-ビロゴラ(Prigorje-Bilogora)、ポクプリェ(Pokuplje)、モスラヴィア(Moslavina)を主産地(ZOI指定)とし、Western Continental Croatia ZOIに含まれます。

またこの地域においてクロアチアの全白ワインの約3分の2が生産されています。

この地域のブドウ畑のほとんどはパンノニア平原に接する標高100〜400メートルの丘陵地に位置し、様々な丘や山々の南向きの斜面の下部で栽培されています。

気候は穏やかな大陸性で、アルプスから北への寒気、地中海から南への暑い空気の影響を受けます。

降水量は年間を通じて均等に分布しており、降雨量の大部分は植生期間中となります。

首都ザグレブから南西に30キロ離れたプレシビカ、また南東に位置するモスラヴィナは、クロアチアでは数少ないスパークリングワインの主要産地です。

イストリア半島&クヴァルネル湾(西部)

イストリア半島はしばしば「クロアチアのトスカーナ」と呼ばれ、風土や気候、その風景はトスカーナに似ていますが、イストリア半島で造られるワインの主力はやはり白ワインです。

イストリア半島とクヴァルネル湾は、クロアチアのアドリア海沿岸の北西部に位置するワイン生産地で、イストリア半島の他、リエカとオパティア周辺のワイン生産地、クルク島、ラブ島、クレス島、ロシニ島、パグ島などの沿岸諸島を含みます。

この地域には、2つのZOI、イストリア(Istra)とクロアチ・アプリモリェ(Hrvatsko primorje※海岸の意)が含まれます。

ミクロクリマは土壌や標高などにより多様ですが、概ね穏やかな地中海性気候といえるでしょう。

この地域の重要な白の品種として、イストリア先住民族のワインであるマルヴァズィヤ・イスタルスカ(Malvazija Istarska)と、クルク島からの先住民族のワインであるジュラフティア(žlahtina)があげられます。

また赤ワイン用の土着品種テラン(Teran)はイストリアで最も多く栽培されている黒ブドウです。

ダルマチア地方(アドリア海沿岸部)

ダルマチア地方のワイン産地ディンガッチの急斜面にあるワイン畑

プレミアムワインの多くは、クロアチアのほぼすべての赤ワインの産地でもある中部および南部ダルマチアで作られています。

気候は穏やかな地中海性で、夏は暑く冬は穏やな南の気候であり、ほとんどの年の寒い時期に雨が降り、夏はとても乾燥します。

アドリア海を挟んだ西のイタリア半島と比較すると、ダルマチア地方は緯度的にはちょうど北はピエモンテ、南はアブルッツォやラツィオと対応する範囲に広がっています。

この地域は次の3つのZOIで保護されています。

北ダルマチア(Sjeverna Dalmacija)、ダルマチア・ヒンターランド(Dalmatinska Zagora)、中部および南部ダルマチア(Srednja ijužnaDalmacijtia )。

この地域は非常に広く土壌特性も多様。また孤立した島も多く有しており、これが地域全体でとても多くの固有品種を持つ一因ともなっています。

この地方の主力であり、世界中のワイン愛好家から「クロアチア最高の赤ワイン」、「クロアチア黒葡萄の王」などと呼ばれるプラヴァッツ・マリ(Plavac Mali)は特に有名で、この品種はアメリカのジンファンデルやイタリアのプリミティーヴォと同じDNAを持っています。

クロアチアワインの代表的な固有ブドウ品種

アドリア海に浮かぶフヴァール島のイヴァン・ドラッツ地区。写真はプラヴァッツ・マリの畑

クロアチアで栽培される約130種にものぼる多彩な固有品種が、世界的な土着品種回帰の流れにあって特に注目のワイン生産国として脚光を浴びる一因ともなっています。

以下にその代表的なブドウ品種をみていきます。

白ブドウ

グラシェヴィナ(Graševina)
白ワイン好きのクロアチア人に最も人気があるのがこのグラシェヴィナ。

クロアチアを代表する白ワインで、シャープな酸味の中にほのかに甘味を持ち、すっきりとしながらもエレガントな味わいが特徴的で、非常にバランスのよい白ワインとなります。

その味わいはリースリングと比較されますが、グラシェヴィナはもともと北イタリア原産の品種としてクロアチアだけでなく、東ヨーロッパの広い範囲で栽培されています。

オーストリアでは主にスパークリングワインとなるヴァルシュリースリングや、ハンガリーのオラスリズリングと同じブドウ品種として知られていましたが、最近の調査でクロアチア固有のDNAのブドウだということが分かっています。

クロアチアで生産されるワインの中でも特に商業的な成功が期待されるワインで、実際に、グラシェヴィナ種のワインは国際的なワインコンペでの受賞歴が多くみられます。

ヴガヴァ(Vugava または Bugava)
「ワインの女王」として名高いヴガヴァ。

フローラルな白い花のような香りで知られるヴィオニエの祖先という説がある品種ですが、その歴史は古く、2000年以上前に古代ギリシア人によって伝えられたと考えられています。

色合いは輝きのある黄金色でヴィオニエと同様にフローラルで丸みのある甘みがあります。個性的な香りがあるため、より淡白な白ワインとブレンドされることも多くあります。

ヴィス島で栽培されているものが有名です。

グルク(Grk)
コルチュラ島の固有品種。コルチュラ島、およびペリエシャツ半島のごく限られた土地でしか生産されていません。

雌株しか存在しない変わったブドウで松のような個性的な香りがあります。

甘みと酸味のバランスが良いキレのあるフルボディの白ワインに仕上がります。

マルヴァズィヤ(Malvazija)
イストリア半島を代表する白ワインマルヴァズィヤ系統のブドウは、クロアチア北部からスロヴェニア、イタリアなどでも広く栽培されています。

クロアチアのイストリア半島で栽培されているマルヴァズィヤ・イスタルスカ(Malvazija Istarska)は、このマルヴァズィヤ系統のイストリア固有種です。

イストリア半島内でも山間部、平野部、沿岸部がありそれぞれの場所で異なったミクロクリマを形成しているためイストリア半島のどこを産地とするかで、同じマルヴァズィヤ種のワインでもまったく違った表情を見せます。

マラシュティナ/ルカタツ(Maraština/Rukatac)
アドリア海沿岸部で広く栽培される固有品種。

産地によって、「マラシュティナ(Maraština)」「ルカタツ(Rukatac)」「クリゾル(Krizol)」「ヴィシャナ(Višana)」 など、様々な名前で呼ばれます。

糖度の高いブドウで、アルコール度数の高いワインとなります。

華やかで豊かなアロマがあり、モノ・セパージュからブレンド用と幅広く用いられます。

ポシップ(Pošip)
コルチュラ島を中心にダルマチア地方で栽培されています。

ナッツ系あるいはドライフルーツ系の深みのある香りがあって、軽快ながらフルボディのしっかりした味わいです。

シュクレット(Škrlet)
シュクレット種はモスラヴィーナ原産の固有種。クロアチアにしか存在せず、モスラヴィーナの他にはポクプリエ地区で少し造られるのみのブドウです。

完熟時にオレンジがかった黄金色になり、赤みを帯びたソバカスのような斑点が出ることからドイツ語の「斑点」や「朱」を意味するシャーラ(scharlach)が語源となり名前となったと言われています。


赤ワイン

プラヴァッツ・マリ(Plavac Mali)
プラヴァッツ・マリは、クロアチア黒葡萄の王ともいわれ、古くからダルマチア地方で多く栽培されていたトリビドラグとドブリチッチの交配で生まれた品種です。

トリビドラグについては、地域によってはプリビドラグ、ツールイェナック・カステランスキーという呼び名もあります。

また、トリビドラグは15世紀にはすでに栽培されていた記録があり、1799年に初めて文献に登場したイタリアのプリミティーヴォや、同様に1837年に初めて文献に登場したアメリカ西海岸カリフォルニアのジンファンデルと同じDNAを持ちます。

しかし19世紀後半にヨーロッパで流行したフィロキセラでトリビドラグは急激に減少したため、病害に強く、この地の気候に適した交配種であるプラヴァッツ・マリの栽培が広まり、ダルマチア地方の代表的な土着品種となりました。

プラヴァッツ・マリは、ドライフルーツやブラックベリー、プラムなどの成熟した芳醇な香りに黒胡椒などのスパイシーなニュアンスも感じられるのが特徴。

高い糖度と豊かなタンニン、エレガントさも兼ね備え、スケール感のある味わいが魅力であることからも、クロアチア黒葡萄の王という称号に値すると評されています。

クロアチアのプレミアムクラスの赤ワインは主にこのプラヴァッツ・マリで造られており、特にディンガチ(Digač)やポストゥプ(Postup)で栽培されたものが国際的にも高く評価されています。

ツルリェナック・カシュテランスキ/トリビドラグ(Crljenak Kaštelanski/Tribidrag)
クロアチア固有種ですが、近年のDNA調査により、ツルリェナック・カシュテランスキがジンファンデル、プリミティーヴォと同一種、プラヴァッツ・マリはツルリェナック・カシュテランスキと別のクロアチア固有種の子孫に当たることが判明しています。

類似点が多く、人気もあって病害虫にも強いプラヴァッツ・マリに押され、現在ではほどんど栽培されていません。

テラン(Teran)
イストリア半島で最も広く栽培される黒ブドウ品種。酸味とタンニンが強く、深い森のような特徴的で力強いアロマがあります。

香りの強いチーズ、熟成したプロシュート、ジビエなどと相性が良いとされています。

アルコール度数は低めで熟成には向いておらずフレッシュな若いワインを楽しまれています。

バビッチュ(Babić)
アドリア海沿岸部、沿岸島嶼部の固有種。

栽培が容易な品種ながら、生産者、産地によって驚くほどの違いを見せる。概して痩せた土地で栽培されたブドウのほうが味がよいとされています

ダルマチア地方で広く栽培され、果実の味がよく、食用にも向いています。

アルコール度数は高めの深い紫がかったルビー色の赤ワインとなり、ドライなベリー系の香を持ち豊富なタンニンとほどよい酸味のバランスが良いワインとなります。

サンシゴット/スシュチャン(Sansigot/Suščan)
スサック(Susak)島の固有種。

実のつきがよく、病害虫に強いため、現在はクヴァルネル(Kvarner)、ツレス(Cres)、ロシニ(Lošinj)などにも広がりました。

スサック島の人口減少に伴い一時期生産量が激減。種の絶滅の危惧から、意識的に生産に取り組む農家が増えたため、現在では生産量は増加傾向にあります。

ワインはアルコール度数が低く、甘み、酸味、香りすべてマイルドでバランスがよい。色は深いルビー色で美しい。

最後に~クロアチアワインの楽しみ方

VINKOVCIで行われる年に一度の収穫祭VINKOVACKE JESENI(ヴィンコヴァチケ・イェスニ)。

クロアチア語で乾杯は「Zivjeli(ジヴィェリ)」または「Nazdravlje(ナズドラブイェ)」。

クロアチアではワインをそのまま楽しむのはもちろんですが、テーブルワインをミネラルウォーターやスパークリングウォーター(炭酸水)と混ぜて楽しむ飲み方も一般的です。

赤ワインとミネラルウォーターを混ぜ合わせたものをベヴァンダ(Bevanda)。白ワインとスパークリングウォーターを混ぜ合わせたものをゲミシュト(Gemist)と言います。

また、赤ワインをコーラと混ぜたバンプス(Banbus)はクロアチアの若者のパーティーに欠かせない飲み物。ジュース感覚で安くたくさん飲めるため、クロアチアでは非常に人気のある飲み方です。

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