世界遺産パンノンハルマ修道院とそのワイナリー訪問

世界遺産パンノンハルマ修道院とそのワイナリー訪問

橋本・永渕・市原3人でハンガリーのパンノンハルミを訪問しました。パンノンハルマ修道院は丘の上に鎮座しているため、非常に遠くからも確認することができ、一同胸を高鳴らせながら車で近づいて行きました。修道院を確認しながらも、まずは手前の村で一泊。

ハンガリー式の歓迎

マダラス・ヴァンデカーズ

マダラス・ヴァンデカーズ(Madarász Vendégház)

パンノンハルマは、ホテルが数件しかありません。あいにくパンノンハルマのホテルがいっぱいだったため、ニュールという村に宿泊しました。マダラス・ヴァンデカーズ(Madarász Vendégház)という名のペンションのような宿泊施設で、オーナーのゾルタンさんと奥さんのジョカさん二人で営んでいます。

ペンションに入ると奥さんのジョカさんがお出迎え。挨拶がわりにパリンカ(Pálinka)で乾杯。パリンカはハンガリーの伝統的なお酒で洋梨やりんごなどを原料とした蒸留酒です。当日私たちが飲んだパリンカはアルコール度数が45度。何度も乾杯して大変でしたが、ハンガリー式の歓迎を楽しみながら、のんびりとした夜を過ごしました。ちなみにオーナーのゾルタンさんは、複数のレストランを経営し、地元では“KING”と呼ばれているそうです。


ドアを開けペンションに入ったらジョカさんがお出迎え、そして、、、、


いきなり乾杯!!!!

ゾルタンさんの秘密のカーヴ

オーナーのジョルタンさん

オーナーのジョルタンさん

こちらがオーナーのジョルタンさん。ペンションの部屋からは葡萄畑が見えます。オーナーのゾルタンさんのもので、自分で葡萄を栽培しています。そこの葡萄畑で収穫された葡萄を、秘密のセラーで醸造させます。秘密といってももちろん合法。ハンガリーでは一定量までのワインは個人宅での製造が許されているようです。日本では一定量以上ワインを造らないと免許がおりませんので、羨ましいシステムです。


醸造が始まってから1週間のワインを試飲。まだシュワシュワしていますが、優しい果実を感じることができ、素晴らしいワインになりそうな予感がします。

ワインのカーヴがあるなんて全く知らずに泊まった宿ですが、思わぬ出会いに一同感動でした。ゾルタンさんとジョカさんにお礼を行って、お土産を渡し、いざパンノンハルマへ!!

到着

丘の麓にあるハーブ園を超え、自然豊かで気持ちの良い森を抜けて行くとパンノンハルマ修道院にたどり着きます。

タマシュ氏

タマシュ氏

我々を迎えてくれたのは、タマシュ氏。パンノンハルミで15年以上働いています。

パンノンハルマ修道院

パンノンハルマ修道院

パンノンハルマ修道院

パンノンハルマは現存するハンガリー最古の修道院として知られ、丘や森などの周囲の環境を含め世界遺産に登録されています。葡萄園は996年の創設以来、ペネディクト派の修道士たちにより維持され、ワイン造りが行われてきました。第二次大戦後は共産主義政権により葡萄園が国の管理となり、国策に沿った量産型のワインを造るための葡萄園となってしまいました。その後、古くからの伝統のワインを復活させたいという人々の願いを叶えるべく、ハンガリーの国営銀行の協力のもと、2000年にワイナリーが復活。人々に喜ばれるワインが造られるようになりました。

神学校



タマシュ氏の案内でまずは、神学校があるエリアへ。こちらは関係者以外立ち入り禁止エリア。現在約300人の生徒と約40人の修道士がこちらで暮らしています。授業中のためひっそりと静まりかえっていました。

修道院

修道院正面。

フラッシュなしなら撮影がOKとのことで撮らせていただきました。

以前はステンドグラスを使用していましたが、現在は大理石を薄く切り採光窓として使用しています。東から昇る太陽の光をこちらの窓で取り込みます。

巨大なパイプオルガン。

入り口にはなんとイタズラ書きが!!といっても1578年に書かれたもの。イタズラ書きも時がたてば遺産の一部。

修道院と併設されている図書館。40万冊の蔵書があり、国宝級の古い図書が数多く蔵書されています。神学校の生徒も現在も使用しています。

葡萄畑

小高い丘の頂上に畑があり、畑の中心部から東西に向かって傾斜しているため、日照時間が長く、水はけも良く、冷気が溜まりにくいため霜にも強いという理想的な地形をしています。

メルロー種。訪問時はちょうど収穫時期の後半。葡萄の実が完熟していました。

葡萄の成熟度合いを調べるには、糖度計も重要ですがやはり食べるのが一番。

食べて

また食べる!!
自然な農法で栽培しているのはわかっているのですが、生産者が幾度となく葡萄を食べている姿には、安心感があります。

Lunch Time

葡萄畑を訪問したあとは、昼食。
パンノンハルマには彼らの造ったワインと一緒に郷土料理が提供されるレストランがあり、3人3様のスープ、食事に舌鼓を打ちます。

ラベンダーヴィネガーが効いたフレッシュなキュウリのスープ。まず、具材が盛られている皿が提供され、後から瓶に入ったスープをかけるスタイル!!中の具材もしっかりと分かり、楽しみながら飲むことができます。

レモングラスとセージの入った子牛のラグースープ。

自家製ラヴィオリの入ったビーフコンソメスープ。

季節のキノコとほうれん草のリゾット。

そして、国宝のマンガリッツァポークのステーキ。

地元の食材、自家製のハーブや自家製のヴィネガーを使用し、どれも洗練された料理でした。

不思議なワイナリー。そこには醸造家のこだわりが!


ワイナリーはパンノンハルマの丘にあり、殆どが地下に埋まっています。ワイナリー上部に収穫した葡萄が届き、右下のセラーから完成したワインが出荷されます。一見するとワインの醸造所があるとは気づかないくらい、森と調和した作りになっています。


葡萄の収穫後、ワイナリー上部に運ばれた葡萄は、白ワインの場合はプレス、赤ワインの場合は選果後一つ下のフロアにあるタンクへ。醸造が終わったワインは更に下の階へと移動します。彼らのこだわりの一つはワイン造りに極力ポンプを使わないこと。重力にしたがって果汁やワインを移動させるため余計なストレスがかかりません。

地下のセラーでテイスティング


日本未入荷のワインを含め、パンノンハルミほぼ全てのラインナップを試飲しました。オラスリズリングなどの伝統的な葡萄品種を使いつつ、ピノ・ノワールやカベルネ・フランなどの国際品種も取り入れ多彩なワインを生み出しています。ワインは清涼感やミネラルを感じられ、とてもピュアでクリアなイメージ。葡萄が本来持つ特徴をしっかりと引き出すために、収穫のタイミング、収穫後の葡萄の選果、ワインへのストレスをかけない醸造など、細部に渡り行き届いたワイン造りをしているのがよくわかりました。

パンノンハルマ修道院はハンガリー最古の修道院にも関わらず、現在も修道士が生活していてそこで300人の神学校の子供達が勉強し、教育に貢献しています。図書館は今も現役で生徒達も使用しています。そこで作るワインは修道院で造ったというだけの観光向けではなく、世界中の様々なレストランで使われ、人々に愛されています。寄進に頼らず自らの生計を立てている現役の修道院の姿は、ハンガリーの人々の規範となり、とても重要な存在であることがわかりました。

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